Prof.Sawadaの薬剤師ヒヤリ・ハット・ホット
事例46

アンテベート軟膏とウレパールクリームの不適正な混合処方

ヒヤリした!ハットした!

油性の軟膏剤であるアンテベート軟膏0.05%と、乳剤性の軟膏剤であるウレパールクリーム10%の不適正な混合指示が処方箋に記載されていた。

<処方1>50歳代の女性。病院の産婦人科。

アンテベート軟膏 0.05% 20g
ウレパールクリーム 10% 20g 混合 足 1日4~5回 塗布
「アンテベート軟膏 0.05%」、「アンテベートクリーム 0.05%」、「アンテベートローション 0.05%」の 包装。「ウレパールクリーム 10%」の包装。

図.「アンテベート軟膏 0.05%」(上左)、「アンテベートクリーム 0.05%」(上中)、「アンテベートローション 0.05%」(上右)の 包装。
「ウレパールクリーム 10%」(下)の包装。

<効能効果>

●アンテベート軟膏 0.05%・クリーム 0.05%・ローション 0.05%(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)
湿疹・皮膚炎群(手湿疹、進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む)、乾癬、虫さされ、薬疹・中毒疹、痒疹群(ストロフルス、じん麻疹様苔癬、結節性痒疹を含む)、紅皮症、紅斑症(多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑)、ジベル薔薇色粃糠疹、掌蹠膿疱症、扁平紅色苔癬、慢性円板状エリテマトーデス、肉芽腫症(サルコイドーシス、環状肉芽腫)、特発性色素性紫斑(マヨッキー紫斑、シャンバーク病)、円形脱毛症、肥厚性瘢痕・ケロイド、悪性リンパ腫(菌状息肉 症を含む)、アミロイド苔癬、水疱症(天疱瘡群、ジューリング疱疹状皮膚炎・水疱性類天疱瘡)

●ウレパールクリーム 10%・ローション 10%(尿素)
アトピー皮膚、進行性指掌角皮症(主婦湿疹の乾燥型)、老人性乾皮症、掌蹠角化症、足蹠部皸裂性皮膚炎、毛孔性苔癬、魚鱗癬、頭部粃糠疹(ローションのみ)

どうした?どうなった?

アンテベート軟膏とウレパールクリームは、それぞれ油性と乳剤性で基剤が異なるため、混合すると室温(15~30℃)で2週間、4週間、8週間保存したすべての時点において、若干きめの粗い外観になり、柔らかくなるため、配合不適であるとのデータがある。
そこで、医師に疑義照会を行い、代替薬を提案した結果、以下の通り処方変更になった。

<処方2> (疑義照会後の処方)

アンテベートクリーム 0.05% 20g
ウレパールクリーム 10% 20g 混合 足 1日4~5回 塗布

なぜ?

産婦人科の医師は、専門外であるため両薬剤が配合不適であることを知らなかった。

ホットした!

薬剤師は、本事例のように軟膏剤やクリーム剤の混合にあたっては、配合可否を注意深く確認する。基剤の特徴を把握し、基本的な配合の可否に関して理解しておく必要があるだろう。
医師には、処方される可能性がある軟膏剤やクリーム剤の配合変化表を提供する。

もう一言

アンテベート軟膏は油脂性基剤、ウレパールクリームはO/W型(水中油型)の乳剤性基剤である。O/W型基剤は、油脂性基剤との混合により乳化が破壊されやすく、空気が混入しやすいので、混合すべきでないと考えられる。
両剤を混合した場合、含量低下、臭いが起こり、室温、冷所保存において2週、4週、8週とも混合不可である。

(「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック 第2版」じほう社、2015年)

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