ニキビと聞くと若者が悩むものというイメージが強いですが、実は大人になってからもニキビで悩む方は多いです。むしろ大人ニキビのほうが厄介な場合もあります。以前、「ニキビに使われる薬の特徴とは?!」を書きましたが、実は漢方薬でも対処できる場合があります。今回はニキビに使える漢方薬についてみてみましょう。

漢方薬が向いているニキビとは?

ニキビで皮膚科を受診した場合には、おそらくほとんどの場合、西洋医学に基づく治療を開始すると思います。西洋医学に基づくアプローチで効果が見られない場合や悪化する場合には、漢方薬を取り入れるのが有効な手段の1つと考えられます。

また、胃腸が弱く、抗生剤などの服用で吐き気や下痢がひどい方にも、漢方薬への切り替えが有効な場合があるため、こういった相談があった際には、漢方薬を選択肢の1つとして勧めると良いと考えられます。

漢方医学のニキビの解釈とは?

患部に着目する西洋医学とは異なり、漢方医学では身体全体を考慮し、「肌は内臓の鏡であり、身体内部の状態が皮膚に表れる」という考え方をしています。

ニキビの場合は、熱や湿気などの刺激により体内に熱がこもり、その熱が皮膚に影響を与えることでニキビが出来ると考えられています。また、特に大人ニキビができる原因として、ストレスや生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れ、気や熱の巡りが悪くなることで老廃物が溜まりやすくなるためと考えられています。そのため大人ニキビの場合には、まずは規則的な生活に改善することや、ストレスを軽減することが大事になります。

皮膚と関連が特に深い臓器は、漢方医学の考え方の五臓のうち肺(呼吸器系や免疫機能、大腸など)と脾(消化機能全体)になります。皮膚は呼吸をするため肺と関係し、さらに肺は脾に関係しているため、皮膚は胃腸を含めた消化管と密接に関連しているということになります。よく、胃腸の調子が悪いと吹き出物ができたり肌が荒れたりすると言いますが、漢方医学の考え方にも適っていると言えます。つまり、漢方薬を正しく使えば、体質改善によりニキビが出来にくい身体にしていけると考えられています。

漢方薬の選び方は?

漢方薬というのは本来、一人一人の体質や症状の違いを細かく把握して選ぶものですが、現代では広く多くの人に合うように作られた漢方薬を選択することも可能です。

十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ):赤い湿疹や発疹があり、できたばかりのニキビに向いています。
荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ):炎症が悪化し、膿が溜まっているニキビに向いています。副鼻腔炎や扁桃炎などを併発している場合にも効果があります。また、特に思春期の皮脂が多いニキビに適しています。
清上防風湯(セイジョウボウフウトウ):ニキビが悪化し、隆起した皮疹や充血性のニキビに向いています。これは体型がしっかりした人に特に適しています。
黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ):悪化したニキビの中でも、皮脂が多くないニキビに向いています。
桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン):女性の月経前にできるニキビに向いています。しみやそばかすにも効果を発揮します。
半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ):大人に多くみられる不規則な食事や胃腸障害によって、口の周りにできるニキビに向いています。

これらの漢方薬でニキビが改善しない場合には、脾、つまり消化管の不調が強い可能性を考慮し、人参湯(ニンジントウ)や補中益気湯(ホチュウエッキトウ)などを一緒に服用することが必要になる場合もあります。
ニキビと一口に言っても意外と奥が深く、また、ざっと見ただけでも予想以上にたくさんの漢方薬が用意されていることがわかります。症状や体質によっては他の漢方薬も適応になりますが、ぜひ今回のコラムを基礎として、勉強してみてください。

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