事例で学ぶ 処方チェック コミュニケーション
CASE.8
フリバスが初回から1 日 1 回 50 mg で処方されていたら?
- 泌尿器系
- 関連キーワード:
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- 前立腺肥大
- 前立腺肥大に伴う排尿障害
- 高血圧症
難易度:★☆☆
- 疾患名:前立腺肥大に伴う排尿障害
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- 医薬品販売名:フリバス錠・OD錠 25 mg/50 mg/75 mg ほか
- 医薬品一般名:ナフトピジル
問題
下記の事例において、何をチェックし、具体的には何が問題であり、
疑義照会する際はどのように伝えればよいでしょうか?
<処方> 総合病院 泌尿器科
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- フリバス錠 50 mg
- 1錠 1日1回 朝食後 14日分
チェックすべきことは? 何が問題?
解答・解説を見る
解答
チェックポイント
・初回投与量が 25 mgで処方されているか。
・降圧剤の服用の有無を確認する。
問題点
フリバス錠<ナフトピジル>が 処方された。患者に確認をしたところ、初めての処方であったが、初回投与量が 1 日 1 回 25 mg ではなく、1 日 1 回 50 mg であった。
また、患者は高血圧症で降圧剤による薬物治療中であった。
疑義照会
「フリバス錠を処方された患者さんですが、今回が初めての服用だとお聞きしました。フリバス錠は、通常、1 日 1 回 25 mg から開始して、効果不十分な場合は、1~2 週間の間隔をおいてから 50 〜75 mg に漸増することとなっています。また、内科で高血圧症の治療で降圧剤をお飲みになっていらっしゃいますので、低血圧の副作用が出やすいと考えられますが、いかがいたしましょうか?」
疑義照会の結果、フリバス錠 1 日 1 回 25 mg から投与開始することとなった。
<処方> 総合病院 泌尿器科(疑義照会後)
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- フリバス錠 25 mg
- 1錠 1日1回 朝食後 14日分
解答に必要な医薬品情報
フリバス錠の添付文書
【用法・用量】
通常、成人にはナフトピジルとして 1 日 1 回 25 mg より投与を始め、効果が不十分な場合は 1~2 週間の間隔をおいて 50~75 mg に漸増し、1 日 1 回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1 日最高投与量は 75 mg までとする。
【重要な基本的注意】
本剤投与開始時に降圧剤投与の有無について問診を行い、降圧剤が投与されている場合には血圧変化に注意し、血圧低下がみられたときには、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
もっと知る!
前立腺肥大による排尿障害に投与される α1 アドレナリン受容体遮断薬(α1 遮断薬)のうち、添付文書の用法・用量に漸増投与を行うように記載がある医薬品と、記載がない医薬品を下記に示す。
<用法・用量の項に漸増投与の記載がある医薬品>
ナフトピジル
通常、成人にはナフトピジルとして 1 日 1 回 25 mg より投与を始め、効果が不十分な場合は 1~2 週間の間隔をおいて 50~75 mg に漸増し、1 日 1 回食後経口投与する。
フリバス錠 添付文書より抜粋
Pmdaでの添付文書情報はこちら
テラゾシン
テラゾシンとして通常、成人 1 日 1 mg( 1 回 0.5 mg 1 日 2 回)より投与を始め、1 日 2 mgに漸増し、1 日 2 回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
バソメット錠 添付文書より抜粋
Pmdaでの添付文書情報はこちら
ウラピジル
通常成人には、ウラピジルとして 1 日 30 mg(1 回 15 mg 1 日 2 回)より投与を開始し、効果が不十分な場合は 1~2 週間の間隔をおいて 1 日 60~90 mg まで漸増し、1 日 2 回に分割し朝夕食後経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1 日最高投与量は 90 mg までとする。
エブランチルカプセル 添付文書より
Pmdaでの添付文書情報はこちら
プラゾシン
プラゾシンとして通常成人 1 日 1~1.5 mg( 1 回 0.5 mg 1 日 2~3 回)より投与を始め、効果が不十分な場合は 1~2 週間の間隔をおいて1.5~ 6 mgまで漸増し、 1 日 2~3 回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減するまれに 1 日 15 mg まで漸増することもある。
ミニプレス錠 添付文書より抜粋
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<用法・用量の項に漸増投与の記載がない医薬品>
タムスロシン塩酸塩
通常、成人にはタムスロシン塩酸塩として 0.2 mg を 1 日 1 回食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(ただし、[高齢者への投与:腎機能が低下している場合は0.1 mgから投与を開始し、経過を十分に観察した後に0.2 mgに増量すること]との記載がある)
ハルナールD錠 添付文書より抜粋
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シロドシン
通常,成人にはシロドシンとして 1 回 4 mg を 1 日 2 回朝夕食後に経口投与する。なお,症状に応じて適宜減量する。
(ただし、[用法・用量に関連する使用上の注意:肝機能障害のある患者ではシロドシンの血漿中濃度が上昇する可能性があり、また,腎機能障害のある患者においては、シロドシンの血漿中濃度が上昇することが報告されているため、患者の状態を観察しながら低用量(1 回2 mg)から投与を開始するなどを考慮すること。]との記載がある
ユリーフ錠 添付文書より抜粋
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※ 詳細は、最新の添付文書および IF を参照されたい。
- 重複投与
疾患名:鼻かぜ
医薬品一般名:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩/dl-メチルエフェドリン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩