事例で学ぶ 処方チェック コミュニケーション
CASE.11
ヘリコバクター・ピロリの除菌でタケプロンカプセル 15 mg が処方されていたら?
- 消化器系
- 関連キーワード:
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- 用法・用量
難易度:★☆☆
- 疾患名:ヘリコバクター・ピロリの除菌
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- 医薬品販売名:タケプロンカプセル15mg/30mg ほか
- 医薬品一般名:ランソプラゾール
問題
下記の事例において、何をチェックし、具体的には何が問題であり、
疑義照会する際はどのように伝えればよいでしょうか?
<処方> 総合病院 消化器科
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- タケプロンカプセル 15 mg
- 2 Cp 1 日 2 回 朝夕食後 7 日分
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- パセトシンカプセル 250 mg
- 6 Cp 1 日 2 回 朝夕食後 7 日分
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- クラリシッド錠 200 mg
- 2 錠 1 日 2 回 朝夕食後 7 日分
チェックすべきことは? 何が問題?
解答・解説を見る
解答
チェックポイント
タケプロンカプセル<ランソプラゾール>の用法・用量をチェックする。
問題点
本処方はヘリコバクター・ピロリ除菌の 3 剤併用療法である。この療法でのランソプラゾールの用法・用量は「30 mg 1 Cp を 1 日 2 回服用」であることから、ランソプラゾール 15 mg 1 Cp を 1 日 2 回服用は用量が少ないと考えられる。
疑義照会
「ヘリコバクター・ピロリ除菌の3 剤併用療法でタケプロンカプセル が 15 mg で御処方されていますが、標準用量は30 mg となっています。ご確認をお願いいたします。」
まとめ
複数の効能効果を有する薬剤では、効能効果毎の用法用量をチェックする必要がある。
解答に必要な医薬品情報
ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合には、通常、成人にはランソプラゾールとして 1 回 30 mg、アモキシシリン水和物として 1 回 750 mg(力価)及びクラリスロマイシンとして 1 回 200 mg(力価)の 3 剤を同時に 1 日 2 回、7 日間経口投与する。クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができるが、1 回 400 mg(力価)1日2回を上限とする。
上記の 3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、通常、成人にはランソプラゾールとして 1 回30 mg、アモキシシリン水和物として1回 750 mg(力価)及びメトロニダゾールとして 1 回 250 mgの 3 剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
詳細は、最新の添付文書を参照されたい。
もっと知る!
本邦の標準的なピロリ菌除菌療法は以下の 3 種類の薬剤を 7 日間投与する 3 剤併用療法である。
H.pylori 感染の診断と治療のガイドラインが改訂になった。詳細は、文献 2 を参照されたい。
除菌の標準療法については,「プロトンポンプ阻害薬(PPI)もしくはカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)+アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)もしくはメトロニダゾール(MNZ)の3種類の薬物を7日間投与する3剤併用療法である」と広く包括する形式で記載されている。
(参考)
<3 剤併用療法で用いられる保険適用薬とその 1 回用量>
(1)プロトンポンプ阻害薬(PPI)もしくは
・ランソプラゾール 30 mg 1 Cp(OD錠)
・オメプラゾール 20 mg 1 錠
・ラベプラゾール 10 mg 1 錠
・エソメプラゾール 20 mg 1 Cp (または、懸濁用顆粒分包 20 mg)
(2)カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)
・ボノプラザン 20 mg 1 錠
(3)アモキシシリン(AMPC) 250 mg 3 Cp(錠)
(4)クラリスロマイシン(CAM) 200 mg 1 錠
(5)メトロニダゾール(MNZ) 250 mg 1 錠
文献)
1.タケプロン OD 錠 15/タケプロン OD 錠 30 の添付文書
2. H.pylori 感染の診断と治療のガイドライン 2016 改訂版
- 重複投与
疾患名:鼻かぜ
医薬品一般名:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩/dl-メチルエフェドリン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩