事例で学ぶ 処方チェック コミュニケーション
CASE.1
5歳の男児にザイザル錠の処方はOK?
- 免疫・炎症・アレルギー
- 皮膚疾患
- 関連キーワード:
-
- 剤形
- 小児
難易度:★☆☆
- 疾患名:皮膚そう痒症
-
- 医薬品販売名:ザイザル錠5mg、ザイザルシロップ0.05%
- 医薬品一般名:レボセチリジン塩酸塩
問題
下記の事例において、何をチェックし、具体的には何が問題であり、
疑義照会する際はどのように伝えればよいでしょうか?
以下が処方された。
<処方>内科クリニック
-
- ザイザル錠5mg
- 1錠 1日 2回 朝食後・寝る前 7日分 ほか
チェックすべきことは? 何が問題?
解答・解説を見る
解答
チェックポイント
患者の年齢と剤形をチェックする。
問題点
ザイザル錠5mgは7歳未満の小児に対する安全性は確立していない。一方、ザイザルシロップ0.05% は6か月未満の乳児に対する安全性は確立していない。
疑義照会
「本日、ザイザル錠5 mg が処方された5歳の患者さんですが、ザイザル錠は7歳未満の患者への安全性が確立されていません。同じ成分のお薬ですと、ザイザルシロップ0.05%であれば6か月以上の患児から投与が可能です。いかがいたしましょうか。」
医師は、添付文書において年齢についての規定があることを知らず、患児が錠剤も飲めると言っていたため、錠剤を処方したとのことだった。5歳の患児に対する用法用量の情報提供を行ったところ、以下の処方に変更された。
<処方>内科クリニック(変更後の処方)
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- ザイザルシロップ 0.05%
- 5mL 1日 2回 朝食後・寝る前 7日分
まとめ
小児では、年齢によって用いる剤形が決められているものがある!
解答に必要な医薬品情報
ザイザル錠 5 mg の添付文書
Pmdaでの添付文書情報はこちら
※必ず、各製品の最新の添付文書をご確認ください。
【用法・用量】
〔成人〕
通常、成人にはレボセチリジン塩酸塩として1回5 mgを1日1回、就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日10mg とする。
〔小児〕
通常、7歳以上15歳未満の小児にはレボセチリジン塩酸塩として1回2.5 mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
【使用上の注意】7.小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児又は7歳未満の小児に対する安全性は確立していない(国内における使用経験はない)。
ザイザルシロップ0.05%の添付文書
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※必ず、各製品の最新の添付文書をご確認ください。
【用法・用量】
〔成人〕
通常、成人には1回10mL(レボセチリジン塩酸塩として5mg)を1日1回、就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mL(レボセチリジン塩酸塩として10mg)とする。
〔小児〕
通常、6カ月以上1歳未満の小児には1回2.5mL(レボセチリジン塩酸塩として1.25mg)を1日1回経口投与する。
通常、1歳以上7歳未満の小児には1回2.5mL(レボセチリジン塩酸塩として1.25mg)を1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
通常、7歳以上15歳未満の小児には1回5mL(レボセチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
【使用上の注意】7.小児等への投与
低出生体重児、新生児又は6カ月未満の乳児に対する安全性は確立していない(国内における使用経験はない)。
もっと知る!
<小児への投与時に剤形に注意が必要な医薬品の例>
気管支喘息治療薬のモンテルカストナトリウム(キプレスほか)は細粒、チュアブル、錠の剤形があるが、5歳の患者に対しては、細粒を選択することになる。
キプレス細粒4mgの添付文書
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※必ず、各製品の最新の添付文書をご確認ください。
【用法・用量】
通常、1歳以上6歳未満の小児にはモンテルカストとして4mg(本剤1包)を1日1回就寝前に経口投与する。
キプレスチュアブル錠5mgの添付文書
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【用法・用量】
通常、6歳以上の小児にはモンテルカストとして5mgを1日1回就寝前に経口投与する。
キプレス錠5 mg/キプレス錠10mg/キプレスOD錠10mgの添付文書
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※必ず、各製品の最新の添付文書をご確認ください。
【用法・用量】
<気管支喘息>
通常、成人にはモンテルカストとして10mgを1日1回就寝前に経口投与する。
<アレルギー性鼻炎>
通常、成人にはモンテルカストとして5~10mgを1日1回就寝前に経口投与する。
【使用上の注意】7.小児等への投与
<気管支喘息>
(1) 6歳以上の小児に対しては、モンテルカストチュアブル錠5mgを1日1回就寝前に投与すること。
(2) 1歳以上6歳未満の小児に対しては、モンテルカスト細粒4mgを1日1回就寝前に投与すること。
(3) 1歳未満の乳児、新生児、低出生体重児に対するモンテルカスト製剤の安全性は確立していない。
[国内でのモンテルカスト製剤の使用経験がない。]
<アレルギー性鼻炎>
小児等に対するモンテルカスト製剤の安全性は確立していない。[国内でのモンテルカスト製剤の使用経験がない。]
- 重複投与
疾患名:鼻かぜ
医薬品一般名:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩/dl-メチルエフェドリン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩