きたるべく薬剤師過剰時代に向けて、薬剤師免許以外の資格も取得し「ダブルライセンス」で乗りきるという選択肢もあります。
今回は、社会保険労務士法に規定されている厚生労働省管轄の国家資格「社会保険労務士(以下、社労士)」をご紹介。
一般的にも知名度があり人気の国家資格の一つです。

環境分野で活躍できる最難関資格!

この資格は、社会保険や労働問題のプロと考えられています。
労働関連法令や社会保障法令に基づく書類などの作成代行などを行ったり(この業務を有償で行うことは社労士の業務独占)、また企業を経営していく上での人事・労務についてのコンサルティングを行う資格です(これは業務独占ではありません)。
つまりは、記憶に残っている方もいるとは思いますが、以前年金問題が話題になった時に、年金について不安を持つ人の増加に対処する「ミスター年金」として認知度を上げました。

また、近年、社会問題になっているブラック企業や派遣社員という労働問題を専門とする資格でもあるので、注目度・将来性が増している資格でもあります。
女性の取得者も比較的多くなってきています。
どの企業でも労働問題は避けては通れないので有利になります。
薬剤師が取得するとどんなことが有利になるのか!?

薬剤師が取得するとどんなことが有利になるのか!?

日本の社会保険や年金は世界的に見てとても優秀なシステムである反面、とても複雑という一面も持っています。
社会保険制度は、日本に住んでいれば一生涯関わっていくので無視はできない事柄です。
また、保険調剤に従事する薬剤師であれば、「今行っている保険調剤にはどういった保険が関わっているのか」を深く理解することは重要な事柄です。

薬剤師が社労士を取得することで、薬だけでなく、患者さんと患者さんの加入している社会保険についても詳細な話が出来るようになります。
患者さんの社会保険について理解できれば、その患者さんの背景をよりしっかりと把握できて、服薬指導にも生きてくると思います。

また、労働問題が原因となるうつ病などが増えている現在ですので、労働問題にも精通すればより患者さんに適切な健康アドバイスができるようになると思います。
また、この試験は文系の受験者が多いのですが、その際に意外と苦労する科目は、数字や難解な医療用語・理系用語が出てくる「労働安全衛生法」です。
薬剤師であれば薬学部の講義でこの法律に出てくる事柄についてはある程度学んでいるので多少有利と言えます。

資格概要

国家試験合格後に、規定の実務経験を満たしているか、実務経験にかえる事ができる講習を修了して取得。

[資格の種類]
社会保険労務士の資格は一種類
[取得方法]
毎年8月に行われる国家試験を受験後、労働社会保険諸法令関係事務の実務経験2年以上を経て社労士として登録可能。
実務経験がない場合には、全国社会保険労務士会連合会(以下、連合会)実施による4ヶ月間の通信教育と、試験後1年前後を経て開催される連続した4日間の講義形式の講習(東京、愛知、大阪、福岡で実施)を受講することで実務経験にかえることが可能。
試験の管轄は厚生労働大臣委託機関である連合会で、試験事務自体は社会保険労務士試験センター。
[難易度]
国家試験合格率は年によってかなり幅がありますが、約5%~15%という難関。