きたるべく薬剤師過剰時代に向けて、薬剤師免許以外の資格も取得し「ダブルライセンス」で乗りきるという選択肢もあります。
今回は、「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」に規定されている農林水産省管轄の国家資格「飼料製造管理者」をご紹介。
名前からはいまいちピンときませんが、重要な資格です。

狭い土地にたくさんの食用動物を飼わざるをえない日本では必要な資格

日本は元来、魚と穀物中心の生活をしてきました。
しかしながら、最近では牛、豚、鶏といった肉食生活も幅広く広がって来ています。

そんな中、土地が少ない日本では、食用動物を狭い空間の中で大量飼育することで、バラエティにとんだ食生活を維持しているのもまた事実です。
そのような狭い空間で大量に飼育を行う時に心配なのが、感染症の蔓延です。

ですので、時には、餌となる飼料に抗菌剤を混ぜて動物に与えることで感染症のリスクを減らし、食肉の円滑な確保を行っています。
抗菌剤を混ぜた飼料以外にも、飼料添加物、落花生油かす、尿素又はジウレイドイソブタンを原料とするものなど、製造に特別の注意を必要とする飼料を製造する際には、実地に管理するために事業所ごとにこの資格者を置いて、管理業務を遂行させることが法律で定められています。

どうやって取得するのか!?

一般的には法律に掲げる飼料又は飼料添加物製造業務に3年以上従事し、かつ農林水産大臣が定める講習会の過程を修了し、最後の修了試験に合格することにより有資格者になれます。
講習自体は独立行政法人・農林水産消費安全技術センターが開催しますが、この講習自体は結構面倒です。

講習代として4万円ほど(サブテキスト代は除く)かかるのと、講習時間が座学・実習を含めて36時間もの長い時間です。
しかも講習は全国で1ヶ所(埼玉県)だけでしか行われませんので交通費や宿泊費もかかります。

ただし、(1)薬剤師又は獣医師、(2)大学等において薬学・獣医学・畜産学・水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業したものであれば、講習は必要なく、そのまま飼料製造管理者の有資格者になるので、かなり有利です。
前述したように、日本の食生活を支えている分野で管理のプロとして活躍できるので、そういう意味でもこの資格を覚えておくとよいでしょう。

資格概要

製造に特別の注意を必要とする飼料を製造する際に、管理業務を遂行する資格。

[取得方法]
法律に掲げる飼料又は飼料添加物製造業務に3年以上従事し、かつ農林水産大臣が定める講習会の過程を修了し、最後の修了試験に合格することで取得可能。
薬剤師であれば無講習でなれます。
[難易度]
薬剤師は100%なれます。