きたるべく薬剤師過剰時代に向けて、薬剤師免許以外の資格も取得し「ダブルライセンス」で乗りきるという選択肢もあります。
今回は、作業環境測定法に規定されている厚生労働省管轄の国家資格「作業環境測定士」をご紹介。
業務独占で高需要な資格です。
どんな資格?
放射性物質、粉じん、有機溶媒などといった有害なものを扱う際には、作業者が有害物質にさらされる危険性があります。
作業者の健康を守るべく、職場環境に存在する有害物質を調査分析する資格が「作業環境測定士」です。
安全衛生法において、「事業者は、有害業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない」と義務づけています。
法律で義務化されている作業環境測定を独占的に扱える!
作業環境測定は作業環境測定士の資格を持っている者にしか許されていない独占業務であることから、有害業務を行っている事業場でかなり有利になります。
有資格者はまだ不足気味であるのと、有害業務を行っている事業場は病院や大学、研究所などと多岐に渡っているためこういった点でも有利です。
放射性物質を含めた色々な汚染問題が増加してきていたり、また、分析技術をテーマにしたドラマも増えてきており関心も高いです。
薬剤師は化学者としての側面ももっていますので、この資格を付随することでこういった需要に答えられるようになると思います。
何に役立つ?
作業環境測定はデザイン、サンプリング、分析からなっています。
作業環境測定士には一種、二種があり、二種の取得後でないと一種がとれません。
有害物質ごとに細かく分類されている
一種には鉱物性粉じん、放射性物質、特定化学物質、金属類、有機溶剤の五種類がありますが、それぞれ別々に資格を取らなければなりません。
一種はそれぞれの対応する物質について、詳細な分析まで可能ですが、二種は簡易測定器による簡単な分析しか許されません。
福島原発事故以降、薬剤師が放射性物質・放射能測定をしよう、またはもうすでにそのような動きがある地方もあると聞きました。
五種類の中でも特に放射性物質の作業環境測定士を取れば、薬剤師の新しい動きの中心となり、かつ薬剤師の業務拡大にもつながると思います。
また各薬剤師会附属の分析センター等が放射線測定業務を推進していたり、実際に業務を請け負っているところもあるので、薬剤師でありながらも分析のプロになりたいといった方にもおすすめです。
資格概要
免許は3種類
- [資格の種類]
- 第一種と第二種があり、第一種には五種類あり。
- [取得方法]
- 国家試験を受験後、講習を受けて修了試験に合格すると、作業環境測定士登録証が発行され、作業環境士として業務が行える。
国家試験は財団法人安全衛生技術試験協会が、講習は公益社団法人作業環境測定協会(第一種の放射性物質のみ公益社団法人日本アイソトープ協会)が各々実施。薬剤師であれば国家試験は全科目免除。
講習を受けた後修了試験に合格したら登録。 - [難易度]
- 薬剤師は国家試験全科目免除。