国風や文化や医療制度が異なる日本とアメリカでは当然のことながら、薬の置き方などの扱いが異なってきます。
今回は、唐沢俊一先生の著書「薬局通」を参考にして、この違いを紹介します。

ドラッグストアを見ると色々と面白い違いが!

アメリカでは薬局を見つけるのは意外と難しく、うっかりすると見落としてしまうこともあるくらいです。
例えば日本での基準薬局に掲げられている青の十字マークのようなものもなく、スーパーマーケットとほとんど変わらない見た目が原因です。
最近では日本の薬局でもアメリカをまねてドラッグストア形態を取っているところも増えてきましたが、どちらかというとまだ調剤薬局といえば医療機関という敷居が高めなイメージと外観です。

アメリカでは薬局はよろず屋の側面をもっていて、薬を売ることにあまり力を入れていません。
何故かというと、アメリカ人はまずは病院にかかり処方箋を発行してもらい、薬局で薬を調剤してもらうということが当たり前で、薬を自らの判断で買うという習慣があまりないからです。
薬は処方箋で出してもらい、そこまで深刻でなければサプリメント、健康食品、または、民間療法で十分と考えています。

近年、アメリカ政府の医療費抑制政策により、次々とスイッチOTCが増え始めてからは状況が変わり始めていますが、根底にあるものは変わらないです。
逆に、日本では病院で直接薬をもらえることに驚くアメリカ人が少なくないです。

薬の面での違いとは!?

アメリカの方が進化している薬としては、まずは緩下剤が上げられます。
穀類を主食とする日本人に比べ、アメリカ人は肉食中心なので便が少なくなりがちです。
緩下剤の助けを借りないと便通が整わない傾向にあるみたいです。
日本では下痢止めの正露丸が昔から重宝されていますが、それとは真逆なのも面白い国民性の違いと言えます。

また、肥満大国であるアメリカでは痩せ薬とシュガーレス商品が日本の比じゃないくらい飛ぶように売れるみたいです。
そして、アメリカ人は日本人よりもよくしゃべる国民です。
肉食でもあるので口臭が気になるようで、マウスウォッシュもこれまた日本の比ではない売れ筋商品です。

ただ、風邪薬に関しては、日本もアメリカも一番の売れ筋商品ですが、剤形が違っています。
アメリカでは、カプレットという剤形です。
これはカプセルとタブレット(錠剤)の合成語です。
カプセルのような形をした錠剤ですが、普通と違うのは、小腸など薬効を一番発揮できるところに至って可溶しはじめるというすぐれものです。
カプレットが出来た経緯には、カプセル薬を分解して、空のカプセルの中に毒を入れ直すという事件が多発したことで、これを防ぐにはどうしたらいいかと考えられた末のことだと言います。

逆に日本の方がすぐれている薬としては、貼り薬が上げられます。
日本では、サロンパスなどが当たり前にあって意識していないのですが、アメリカでは一回一回布に軟膏を塗ってその布をシップみたいに貼ります。

これは非常に面倒くさいことです。
以前、日本のスポーツ選手が試合の後に、シップ薬を貼っていたら、アメリカの選手達が不思議そうに、「それは何?とても便利で新しい!」と大騒ぎになったそうです。
まだまだ面白い違いの薬はたくさんありそうですね。
是非海外旅行に行った時などに調べてみてください。