今回は獣医師からみた薬剤師像を紹介したいと思います。
厚生労働省管轄資格が多い医療系ですが、ヒト以外の動物を扱う獣医師は農林水産省管轄となっている、異色の医療系資格です。
近年、獣医学領域で活躍している薬剤師も出て来ています。
三人の獣医師(A、B、C*敬称略)にイメージを聞きました。
獣医師の仕事内容って?
仕事内容を教えてください。
Aさん)私は大学付属の動物病院に勤めています。
動物用の病院といってもヒト用の病院のつくりとほぼ変わらないレベルの施設がそろっています。
私はそこで血液内科を専門としています。
Bさん)私は動物医院を開業しています。
犬と猫がメインです。
私の専門は外科でしたが、外科以外を専門とする獣医師2人と共同で幅広い業務をカバーしています。
Cさん)私は製薬企業に勤めています。
獣医師と製薬企業は一見結びつかないかもしれませんが、実験動物の管理部門には獣医師が置かれています
獣医師として興味深い話はありますか?
Aさん)私は就職した頃から比べて、より飼い主に配慮ができなければ獣医師としてはやっていけないと感じています。
うちの病院にも飼い主の待合室が昔からありますが、つい数年前に立て替え、まるでデパートの休憩所みたいな居心地の良い空間になりました。
動物はヒトの言葉が当然ながら話せないので、付き添う飼い主はかなり不安だと思いますので、そのフォローが大事です。
Bさん)開業していると、いきなり夜中にものすごい形相でペットを抱えて駆け込んでくる方も結構います。
本当に色々な症状なので、臨機応変に対応できる能力、それに加えて、飼い主にも配慮できる能力が求められるのが獣医師だと感じています。
あと、犬と猫が大半とはいえ、たまに別の動物の治療をすることもあります。
動物によって臓器や病態が変わるので、常に勉強です。
Cさん)私は実験動物の管理をしている訳ですが、当然実験動物の状態によってデータも違ってくるので慎重を要します。
元々大学時代は病理が専門でしたので、たまに薬を投与した動物の病理学的調査のお手伝いもしています。
製薬企業の中に獣医師が活躍するフィールドが意外と多いと感じています。
薬剤師の積極的関与も重要となる!?
薬剤師のイメージって何ですか?
Aさん)うちの病院では元来、院内処方でやってきていました。
ただ、ヒトと同様、動物の薬の種類も近年増えてきたことと、ヒトと違い幅広い種類の動物を扱うので動物ごとで必要な成分量がバラバラなことなど、獣医師だけではとても対処しきれないと感じています。
そのため、数年前から常勤の薬剤師を配置して、薬の管理は任せています。
その薬剤師さんは元々動物が好きで、熱心に動物学の勉強もしてくれて、「動物専門薬剤師」といえるくらいです。
頼もしいというイメージです。
Bさん)私の医院でペットの薬をもらって帰った後日、飼い主自身が病気になり調剤薬局に行った際に、「うちにあるペット用にもらった薬と同じみたいだしそれ飲めばいいと思うのだけど、どう?また薬が足らなくなったら、私の薬をペットにあげてもいいの?」と聞いたそうです。
それに対して、薬局の薬剤師さんから、同じ種類の薬でも動物用とヒト用では成分量が違うということと、それぞれに適切な量になるように考えて処方されているので、分けて使用するようにと丁寧に指導されたそうです。
ペットの薬の説明まできちんとしてくれて、とても感動しました。
獣医学領域にこそいて欲しい存在です。
Cさん)同僚の薬剤師さんによく相談することがあります。
体内動態に関してはやはり詳しいです。
薬それ自体の性質にも精通しているので、化学の視点から獣医学を見られる貴重な人材だと感じます。
獣医学領域でも活躍できそう!?
前述したように、動物によって薬の用法用量はまちまちです。
ヒトとは違う、動物の薬物療法の独特な難しさは確かにあります。
こういった中に薬剤師の知識を生かせる土壌が実は結構ありますので、今後はもっと積極的に活躍していけると思います。



