資格が誕生してから年月が過ぎ、知名度が増してきた登録販売者(*日本チェーンドラッグストア協会は医薬品登録販売者という名称とすることを推奨していますが、今回は便宜上登録販売者で統一させていただきます)。
薬剤師に次ぐ医薬品のプロの資格ですが、受験資格は特になくどなたでも受験できるものです。
薬剤師の方で登録販売者試験の内容を見たこともないという方も少なくないでしょう。今回は登録販売者試験の内容について見ていきましょう。

登録販売者とはどのような資格?

登録販売者は薬剤師不足を補うことを期待して、2009年に創設されました。一般の方が直接購入できる一般用医薬品のうち、第2類より下位のものを扱える資格です。一般用医薬品は第2類より下位のものがほとんどを占めるため、比較的需要が高い資格でもあります。
以前は受験のために実務経験などが必要でしたが、現在は誰でも受験できます。ただし試験合格後、販売従事登録をし、2年間の実務経験を経ないと正式な登録販売者として認定されず、もちろん店舗の管理者にもなれません。そのため、正式な登録販売者になり、さらに店舗管理者になっている方はしっかりと医薬品の知識を持っています。

登録販売者試験の内容とは?

試験は47都道府県を10のブロックに分け、ブロックごとに実施されますが、その基準は厚生労働省で規定されています(厚生労働省『試験問題作成の手引き』)。
医薬品や医薬部外品の知識はもちろん、人体の構造や機能、法令、医薬品関係の歴史など幅広い知識が問われます。特に近年は、セルフケアで注目を集めている漢方処方製剤や生薬製剤についての出題が増えています。これらについては構成生薬や用途など細かい知識が問われるため、難関な分野となっています。

薬学生や薬剤師が勉強すると有益な理由は?

登録販売者試験の内容を見てみると、薬学生や薬剤師でも難しいと感じる部分があります。加えて、薬剤師国家試験と比べより現場の実務に即した応用的な内容が問われます。薬学生に共通した悩みの多くに「今勉強している内容がどのように現場で応用されているかが分かりにくい」ということが挙げられます。このような薬学生にとってまさに登録販売者試験の勉強は有益であると感じます。薬剤師国家試験の練習という気持ちで勉強してみると、結果として薬学部で習っている内容が具体化されて理解が深まります。
また、現役の薬剤師の方にもおすすめできます。薬剤師として現場に出るとその現場に必要な知識だけを覚え、転職の際別の業種へ進むことにハードルを感じる方が少なくないようです。例えば、調剤薬局で勤務されていた方がドラッグストアに転職する際、一般用医薬品の知識不足から躊躇してしまうというような事例です。ほかにも、これまで調剤薬局で勤務していたが、漢方処方製剤に興味が出てきて漢方相談専門薬局に転職する場合、漢方医学の複雑さについていけず諦めてしまうという事例です。
これらの事例には登録販売者試験の勉強が役に立ちます。試験の内容を見ていただければ分かりますが、漢方処方製剤についてはかなり専門的なこと、下手をすると薬学部の授業でもまったく聞いたことのないようなものまで目にします。
薬剤師国家試験では漢方処方製剤や生薬製剤は全体から見ると出題が少ないですが、登録販売者試験では多く出題されます。しかもその内容は実務的な内容です。医薬品や体の構造などの内容のうち実務的な事柄が復習できることに加えて、漢方処方製剤や生薬製剤に関してかなり詳細に勉強することができる登録販売者試験は現役薬剤師にとっても有益なのです。
新しい道へと挑戦してみたいと考えている方々もいらっしゃると思います。そう思ったときに、登録販売者試験の内容をぜひ一度眺めてみてください。背中を押す一助になるかと思います。
筆者は文科省系列の法人で登録販売者試験の試験対策講座を持っています。薬剤師目線で講義しており、かつ図も豊富なので理解しやすいかと思います。もしご興味あればこちらより受講してみてください。

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