近年、薬局で簡単な検査を行おうという動きが広がってきおり、国も推進しています。
これまでもサービスの一貫として、血圧計などの検査機器を備えている薬局もありますが、今後はもっと色々な検査機器が薬局に置かれるようになることは必須だと思います。
検査機器の使い方はマニュアルに従って覚えれば誰でも理解できます。
しかしながら、その根底にある仕組みを理解していない方も少なくないです。
仕組みを理解してこそ本当に正しく使用できると思います。
また、出てきた検査結果の数値の理解も深まります。
今回は、検査機器の仕組みとそれに基づく正しい使用方法を復習します。
最も一般的な検査機器・血圧計の仕組みとは!?
血圧の測定方式には、コロトコフ法(聴診法)とオシロメトリック法の二つがあります。
測定原理としては、どちらの方法も、腕帯を巻いて動脈を圧迫して血流を止めた後に、空気を抜いて圧迫を解除した時を観察するということは変わりませんが、圧迫解除後に何を観察するかが両者では微妙に違います。
病院などで通常使われているコロトコフ法は、圧迫解除後、血液が血管にぶつかる音(コロトコフ音)を聞いて測定します。
一方のオシロメトリック法は、圧迫解除後に途絶えていた血流が再び流れ始める時の動脈壁の振動をセンサーでキャッチして測定する方法で、こちらは家庭用の血圧計で多く採用されています。
病院へ行く前に家で測った血圧と病院で測った血圧と結構違うという経験をした方も少なからずいると思いますが、仕組みを知るとその原因も理解できます。
ただし、どちらの方法でより値が高めにでるのかということは状況によってまちまちです。
また参考までに、正確な血圧測定をしたいなら、手首や指で測る簡易タイプのものではなく、上腕で測定する機種がおすすめです。
前者は末梢血管で測るため、血液が変動しやすいという欠点があるからです。
今度増えてくると考えられる他の検査機器の正しい使い方とは!?
針を使った血糖測定器なども増えてくると考えられます。
これは測定器本体にセンサーを装着した後に、針をホルダーに装着して使用します。
指先を針で刺して出血させ、そのまま素早くセンサーに血液を点着させると、後は自動で血糖値の値が表示されるという仕組みです。
色々な測定器が発売されていますが、測定方法はほぼ同じです。
しかしながら、センサーと針は製品それぞれで専用となっているので、ある測定器のものを別の測定器には使えないことに注意が必要です。
また、測定器ではなく治療器ですが、低周波治療器も注目が集まっていますので紹介します。
人間の生体は常に生体電気と呼ばれる微量な電気を持っています。
この生体電気に外部から電気刺激を加える事で人工的に筋肉収縮や神経興奮を起こすことができます。
低周波治療器は数百ヘルツまでの低周波電流を用います。
プラス(+)極とマイナス(-)極の電極を身体に張り付け、スイッチを入れると電気が流れ、途中で+極と-極とを切り替えたり、周波数を高めたりすることで治療を行います。
高い周波数は急性の痛みに効果を発揮し、痛みの伝達を素早く遮断してくれます。
一方、低い周波数は慢性痛やこり等に有効で、痛みを抑える物質を分泌させる効果があると考えられています。
最近通販などで話題のEMS(Electrical Muscle Stimulation)は低周波治療器と似ていますが、低周波に加えて、高周波や中周波も広く含み、波形をより複雑に組み合わせることで、筋肉に電流を流して、筋肉トレーニングをする機器です。
たくさんの測定機器が薬局に置かれる準備として、是非自分でも色々と勉強してみてください。