医療が高度化する中、他職種連携によるチーム医療の必要性が議論されています。たしかに医師や看護師などの他職種と、薬剤師がどのように関われるかを考えるのは重要なことです。

しかし、薬剤師は数ある医療職種の中でも、臨床現場でのメインである病院、調剤薬局、そしてドラッグストアなど、多種多様な職場で活躍しているという特色があります。

チーム医療を真の意味で推進するためには、他職種との連携の前に、こういった異なった場所で活躍している薬剤師同士の連携、つまり「薬薬連携」が今後の薬物治療の肝となると考えられます。

今回は、各職場間での連携の可能性を探るべく、3名の薬剤師(A、B、C*敬称略)にお話を伺いました。

A:某大学病院薬剤部勤務。主に病棟業務を担当。
B:医療モール内にある某大手調剤薬局チェーン勤務。
C:某大手ドラッグストアチェーン勤務。OTC・健康食品などのカウンセリング販売を担当。

―皆さんの職場について教えてください。普段関わる人や、仕事の特徴はいかがでしょうか?

病院は様々な医療系の職種が働いている場所です。
病院内では専門化の流れがあり、薬剤師も専門・認定薬剤師を積極的に取るように、という雰囲気があります。病棟の患者さんにご説明する際にも、その患者さんが罹患している疾病に関連した専門・認定薬剤師資格を持っている薬剤師が伺うようする、といったように、かなり特定の専門に特化している印象です。
専門に特化するという利点の反面、専門外の薬の勉強する暇がなく、結果として、専門外の薬には疎くなってしまうという欠点も兼ね備えているので、気をつけないと、と感じています。