誰しもがかかり得る帯状疱疹ですが、人によってはかなり重大な症状が出て苦しんでしまうこともありますので侮れません。今回は帯状疱疹について復習してみましょう。

帯状疱疹とはそもそもどんなもの?

帯状疱疹は、「水痘・帯状疱疹ウイルス」によって引き起こされる疾患です。このウイルスの保有率は日本の成人においては、何と9割にも及ぶと考えられています。つまりほとんどの日本人がなり得るウイルス性感染症の一つとも言えます。子どものころなどに初めてこのウイルスが感染した場合には、水痘(水ぼうそう)にかかります。

この水痘自体は発症後1週間程度で治ります。ただし、水痘の際に、皮膚にできた発疹から神経と経由して、後根神経節内にウイルスが潜伏すると考えられています。もちろん、潜伏している状態で免疫能が健常であれば、基本的には何の症状も出ませんし、日常生活にも影響を及ぼすことはありません。ただし、この状態で、何らかのストレス因子によって免疫能が低下すると、潜伏したウイルスが再活性化することで、神経から皮膚へと移動し、痛みやしびれを伴う発疹(水ぶくれが付随することがほとんど)が生じます。

痛みとしては、ピリピリやチクチクした感じの比較的弱いものから、焼けるような強い痛みまで、かなりの個人差があります。発疹が生じた後には、痛みが徐々に強くなることもあります。こういった症状は主に体の左右のどちらかに見られて、長い場合には1ヵ月ほど続きます。加えて、50歳以上になると発症率が高まるということも分かっています。

誤解されている点とは?

帯状疱疹がウイルス性感染症ということは、ほかのウイルス性感染症と同様に、人から人へとうつるのではないかと心配になる方が結構いらっしゃいますが、実はうつるものではありません。前述したように、ほとんどの日本人が、大人になるまでの間に水痘・帯状疱疹ウイルスの保有者になりますので、うつる心配よりも、発症しないように、日ごろから免疫能を正常に保つ努力に力を注ぐことが重要です。ただし、小さいお子さんのように、これまで水痘にかかったことがない人にはうつる可能性があるのは事実です。水ぶくれ液(水ぶくれがかさぶたになるまでの間)からだけでなく、唾液などからも飛沫感染することもあります。

また、帯状疱疹の発疹が治ったら症状も消えると思いがちですが、神経に傷が残ることで、痛みだけが長期間残ることもあります。なお、何度も起こると考えがちですが、実は感染後にウイルスに対する免疫能を獲得するため、それ以降帯状疱疹が再発することは少ないです(ただし、免疫能がかなり下がったりすると、数年後に再発することもあり得ます)。その場合には以前発症した部位とは異なる部位で発疹が出ることが多いです。加えて、水痘・帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルスの一種ではあるものの、単純ヘルペスウイルスが原因となる性器ヘルペス(性感染症の一種)とはまったく異なるものなので、妊娠はもちろん可能です。この辺の誤解をまずはしっかりと正すことが大事です。

予防や治療としては?

予防としては、帯状疱疹ワクチンや水痘ワクチンがあるので、それらを活用すると良いでしょう。また、もちろん、日ごろから十分な睡眠やバランスの良い栄養摂取などをきちんと心がけることが最も大事です。

治療としては、抗ウイルス薬の投与となります。痛みやかゆみなどには個別の症状ごとに対症療法を取ります。なお、痛みが激しかったり、日常生活に支障が出るなど重篤な場合には、入院する場合もあります。ちなみに、痛みがひどくて、鎮痛薬ではもはや対処不可能な場合には、神経周辺に局所麻酔を注射する「神経ブロック」を行うこともあります。

いずれにしろ、まずは誤解の部分も含めて帯状疱疹自体を正しく理解して、正しい予防・治療法を理解しておくことが大事です。ぜひ帯状疱疹のプロ薬剤師になってください。

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