今年もまた暑い季節がやってきました。日焼け止めにお世話になるという方も少なくないでしょう。今回は日焼け止めに関するポイントを見ていきましょう。

日焼け止めの歴史は意外と長い?

人類は古代より、太陽の恩恵を多々受けてきました。その半面、まだ科学が発達していなかった時代にもかかわらず、太陽光線には何かしらのパワーがあり、人体にも何かしらの影響を及ぼすであろうということを感覚的に理解していたと思われます。

そのため、古代エジプト時代には、米ぬか、ジャスミン、黄土、ルピナスなどを混ぜたものを肌に塗っていたという記録も残っています。肌を白く保つことが美しさや高貴の象徴とみなされてきた時代では、肌をいかに白く保つかが重要だったのでしょう。

現代においては、肌の美しさを保つという目的はもちろん、皮膚がんを防ぐなど医学的な理由から使用されるようになってはいるものの、人間の考えの根本は変わらないのが面白いところです。なお、肌を白くすることを目的にしていたという歴史背景から、以前の日焼け止めは酸化亜鉛などがたくさん加えられていて、日焼け止め自体が真っ白でしたが、近年は、ナノ粒子技術などの先端技術が進化したことから、透明感のあるものがほとんどとなっています。

日焼け止めに関しての知識をまずは復習してみよう!

日焼け止めの商品でよく、「SPF」という言葉を見かけますが、「Sun Protection Factor」の略で、シミや炎症の主な原因となる紫外線B波(以下UVB)を防ぐ効果を表す指標です。

ここでひとつ注意があります。例えば、SPF15とSPF30の商品があるとします。数字が大きい方がもちろん防御率は高いので、この2つを比べると、倍の差があると誤解しがちですが違います。防御率データとしては、実はSPF15が約93%なのに対して、SPF30は約97%とそんなに劇的に変わる訳ではないということが分かります。ついでに言うと、SPF50では約98%、SPF100では約99%になり、差がさらに縮まるという特徴も覚えておきましょう。ですので、日本においては、SPFが50を超える場合には「SPF50+」などのように表現されるわけです。

そして、紫外線だけを抑えても、紫外線が皮膚上で作り出す活性酸素が大量に発生してしまった場合には、結果として皮膚にダメージを与えてしまいます。そのため、日焼け止めにはビタミンE、ビタミンC誘導体などの酸化防止剤が添加されていることが多いです。

なお、日焼け止めの成分としては、「紫外線吸収剤(紫外線のエネルギーを吸収して熱などに変換することで無害化する)」と「紫外線散乱剤(紫外線を反射・散乱させて肌にこないようにする)」の2種類があることも覚えておきましょう。通常は、この2種類の成分を組み合わせた商品が大半です。

使用方法のコツとは?

前述したSPFの数字と防御率の関係を鑑みると、SPF50のものを薄く塗るより、SPF30のものを十分量塗る方が効果としては大きいということが言えます。SPFの数値が高いものだからとけちけちして使用すると、結果として意味がないということです。

ちなみに、一度に大量に塗ろうとする方も多いですが、塗りムラが出やすいので、1回目は全体に薄く塗り広げて、1分くらい待ち、その後2回目を重ね塗りした方が良いです。

そして、塗ったつもりで塗り忘れしやすい部位も分かっていて、首の後ろ、鼻、手の甲、まぶた、髪の分け目、耳の後ろなどに塗る際には意識的にしっかりと塗った方が良いです。こういった部位だけ赤くなってしまったという報告が毎年多くあります。

また、皮膚にある程度馴染ませてからの方が効果的だと考えられているので、少なくとも外出する30分くらい前には塗っておくと良いでしょう。もちろん、汗だけでなく、皮脂などでも少しずつ落ちていきますので、数時間ごとに塗りなおすことが推奨されます(汗をかきやすい場合には1時間ごと、海などに入る際には水から上がるたびに塗りなおすことが良いです)。

たまにウォータープルーフの商品もありますが、これは水に比較的強いだけで落ちないという意味ではないのと、ハンカチなどでふき取ると簡単に落ちますので、やはり塗りなおしは必要です。

加えて、近年では、日焼け止め効果のある衣服、帽子、日傘なども販売されており、汗にも影響されず、もちろん塗りなおしや塗りムラなどの問題がないので、これらの商品とも併用することがより有効と考えられています。

ぜひ正しく日焼けに対処できる薬剤師を目指してみてください。

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