最近、ニュースなどで職場の火災で人が亡くなった、職場でけが人が大量発生したなどという報道を目にするようになりました。危険な労働環境で働かざるを得ない方も多いので、いかに労働災害を減らすかが求められています。今回はこの問題についてお話したいと思います。

薬剤師も危険な環境にさらされている?

薬剤師が主に働いている場所は病院や薬局ですが、ほかの職種と比べると比較的安全性が高い場所であると思われがちです。しかし、実際は違います。どの職場でも「危ない労働環境」というものは存在しています。けがをした方や病気の方に直接触れることはないという点では、医療職種の中では比較的危険性が低いのは確かです。ですが、むしろ危険性が見えにくいからこそしっかりと把握する必要があります。
調剤室は換気が不十分な状態になりやすく、体調不良になってしまう方も多いです。また、在宅医療に薬剤師が関わることも増えており、いきなり暑い・寒い環境に出ることで体調不良になる可能性もあります。ほかにも、薬歴をたくさん書く際に長時間座ってパソコンのディスプレイを眺めている状態というのも健康に悪影響です。(このような作業からくる健康被害にはVDT症候群という名前が付けられているくらい、近年になって特に問題視されています)。
このように、さまざまなところに危険性は潜んでいることを理解しておくことが大切です。

危険な労働環境とは?

労働者の安全を守るための労働安全衛生法には、危険な労働環境についての規定があります。まず、条件としては、(1)気候的な条件、(2)物理的な条件、(3)科学的な条件の3つに分類されます。

(1)気候的な条件は、気温、気圧、湿度、風速、紫外線などが該当します。最近よく耳にするようになった熱中症もこの条件に関係します。
(2)物理的な条件は、騒音、振動、照明、電離放射線などが該当します。一時的であれば問題ないですが、日常業務となると注意が必要です。
(3)科学的な条件は、ガス、病原体、粉じん、酸素欠乏などが該当します。これらは時に即座に死亡に至るものもあるので特に注意が必要です。

ほかにも、長時間労働によるストレスなども体調不良につながるので、さまざまな要因があるということが改めて分かりますね。

薬剤師としてできることは?

薬剤師は薬のプロであると同時に、化学物質や健康のプロでもあります。実際、化学物質や健康に関する国家資格取得の際に薬剤師は科目免除や講習免除など優遇されることが多いです。つまり、自分の身を守るだけでなく国民の労働災害を防止する責任もあります。地域の公害問題にアドバイザーとして参加したり、勉強会を開いたりするなど積極的に関与することが求められています。相談されるのを待つのではなく、自ら積極的に情報を発信し、一般の方も相談しやすくなることが大切です。
薬剤師が「街の科学者」として認知されて、地位向上にもつながるでしょう。そのためには労働災害についても日々研鑽を積む必要があります。厚生労働省では労働災害関連の講習なども多数用意されていますので、それらを受講するのもいいかと思います。
ぜひ、労働災害に対してできることを考えるきっかけにしてください。

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