平成24年4月1日以降、後発品が存在する場合には、商品名に変えて一般名で処方箋を交付した場合に、その医療機関で一般名処方加算が算定できるようになりました。
調剤に従事していると一般名での処方箋を見る機会も増えたことと思います。
意外と戸惑う薬の一般名!?
思い返してみると、薬学生の頃はほとんどの科目において薬の名前は一般名で習いました。
薬剤師となってからはむしろ商品名が主流です。
ですので、新卒の薬剤師の一番の使命はまずは商品名に慣れることでした。
せっかく商品名になれた矢先、今度はまた一般名と向き合うことになる、と薬局薬剤師の中には戸惑う方も少なくないと聞きます。
医師は医学生時代も含めほとんど一般名に触れずにきたという方もいるくらいですので、一般名処方が増えている昨今、薬剤師が活躍できる土壌ができていると感じます。
そのためにもここで、一般名処方箋の扱い方について確認してみましょう。
一般名処方箋が来たときの一連の流れを確認しよう!
後発医薬品処方と一般名処方とを区別しよう
- 一般名処方箋:
- 医薬品の記載欄に【般】+「一般的名称(成分名)」+「剤形」+「含量」と記載
- →例:「【般】ロキソプロフェンナトリウム錠60mg」
- 後発医薬品処方箋:
- 「一般的名称(成分名)」+「製造企業名」
- →例: 「ロキソプロフェンナトリウム錠60mg「日医工」」
一般名処方は、医薬品の記載欄に【般】と記載されているので、受け取った瞬間に気づくことができます。後発品は製品の一部に一般名が使用されることが多くなっています。一般名の後に製造企業名が付いているので、これで区別してください。
一般名処方の大前提
一般名処方へ対処する前に、下記2点の認識を持っておきましょう。
・自分の薬局に先発品と後発品の両方がそろっているかを確認する
・患者さんに先発品か後発品かを選んでもらう際に、利点と欠点を説明する
後発品を普及させることで医療費抑制につなげようというのが国の方針です。
そのために、一般名処方が行われた医薬品は原則として後発品が使用されるよう、患者に対し後発品について懇切丁寧に説明することが求められています。
また、今後の施策に役立てるため、後発品を調剤しなかった場合に、その理由を調剤明細書の摘要欄に記載することも規定しています。
成分量が同じで安価といった利点、逆に添加物が違うので効き目が変わるかもしれないといった欠点を説明するのは、多くの薬剤師さんがきちんと行えていることと思います。
意外と盲点になっていて説明できてないのは、添加物の違いによるアレルギー反応の可能性の説明です。
そして調剤・投薬が終了した後に、どの薬剤で調剤したかを処方医に連絡することが必要です。
一般名処方のメリットとデメリットは?
デメリットとしては、どの薬が患者さんに渡るか、処方医にはわからないことが挙げられます。
把握自体はできますが、処方医への連絡はすでに投薬した後です。
また、毎回の場合は、フィードバックに手間がかかったりもします。
処方医のメリットとしては加算がとれることですが、薬剤師側の一番のメリットとしては、どの後発品でも調剤することができるので、余分な在庫を減らせることです。
そして最大のメリットは、グローバル化医療時代に大変向いていることです。
商品名は世界中で同じとはかぎりません。
ですが、一般名は世界で共通です。
日本に訪れる外国の方々がたくさんいて、グローバル化が進んでいる昨今、外国人の患者さんへの対処もしやすくなります。
そして、薬について調べる時も、外国での事情も調べやすくなります。
是非一般名処方を通して、グローバルな薬剤師を目指してください。