きたるべく薬剤師過剰時代に向けて、薬剤師免許以外の資格も取得し「ダブルライセンス」で乗りきるという選択肢もあります。
今回は、法律系資格の一つである特許庁管轄の国家資格で「弁理士法」に定められている「弁理士」をご紹介。
法律系難関資格の一つですが、最近話題の資格です。
弁理士はそもそもどういう資格!?
弁護士と混同されがちですが、まったく別の資格で、弁理士法に規定された知財財産権に関する業務を行うための国家資格です。
発明(秀逸な技術的思想の創作)、意匠(斬新なデザイン)、商標(商品やサービスの目印)をきちんとした法律上の権利(特許権、意匠権、商標権など)とするために、特許庁への出願手続代理や、それらの権利の取り消しなどの審判請求手続・異議申し立て手続の代理業務を、報酬を得て行うことができます。
近年、企業だけにとどまらず、大学や研究所などでも知的財産権の重要性が増してきていますので、幅広い場所で活躍できる資格です。
また外国出願関連業務など、国際的にも活躍できる資格でもあります。
難関資格ではありますが、司法試験のように学校を卒業することが必要なく、働きながら勉強している人が多い資格でもあります。
実際に働きながらでも受験できる資格ですので、薬剤師をしながらコツコツ勉強していけます。取得すればより幅広い活躍が期待できます。
実は薬剤師であれば少し有利となる!?
通常は、弁理士試験に合格後、実務修習を修了することで弁理士となる資格を得られます。
弁理士試験は、筆記試験と口述試験とにわかれ、筆記試験に合格しないと口述試験を受験することができません。
また、筆記試験は短答式と論文式により行われ、短答式に合格した人でないと論文式を受験することができません。
短答式は択一なので、しっかりと勉強すれば比較的受かりやすいのですが、難関は論文式です。
工業所有権に関する法令4科目と選択科目6科目(理系科目が大半)のうちの1科目選択というスタイルです。
薬剤師であれば、高度な理系知識の所有者と見なされ、カギを握るこの論文式試験の選択科目が免除になりますので、かなり有利と言えます。
資格概要
- [資格の種類]
- 弁理士自体は一種類。弁理士登録後、さらに特定侵害訴訟代理業務試験に合格すると、弁護士と共同で、特許などに関する権利の侵害又は特定不正競争による影響上の利益の侵害に関する訴訟について、訴訟代理人となることができます。
(通常は、訴訟代理人となった弁理士が期日に出頭するときには弁護士とともに出頭しなければならないが、裁判所が相当と認める時には、単独で出頭可能です) - [取得方法]
- 通常は、筆記試験 <短答式試験、論文式試験(必須科目・選択科目)>、口述試験に合格した後に、経済産業大臣、または経済産業大臣から指定を受けた機関が行う実務修習を修了して弁理士登録。
薬剤師であれば論文式試験の選択科目が免除。 - [難易度]
- 年によって6~10%程度の合格率。