近年、外用剤の種類も多種多様になってきたこともあり、一度に多くの外用剤を併用しているという方も少なくありません。正しく使用しないと効果が半減してしまったり、逆に副作用が出やすくなってしまったりするため、ただ使用するだけでなく、正しく使用することが何より大事です。今回は外用剤の使用する順番について見ていきましょう。
基本的な外用塗布剤の塗り方の順番とは?
皮膚科を中心に、よく見かける代表的な外用塗布剤には、ローション剤(スプレー剤も含む)、クリーム剤、軟膏剤があります。違いをまとめると、ローション剤は水分含有量が一番多く、その次にクリーム剤で、軟膏剤に関しては油性の特徴がかなり強いものになります。つまり、軟膏剤を先に塗ってしまうと、ローション剤やクリーム剤ははじかれてしまって吸収しにくくなってしまいます。適しているのは、ローション剤を一番先に塗って、少し時間を空けて軽く乾いた段階でクリーム剤を塗り、最後に軟膏剤を塗るという順番です。
注意すべき場面とは?
少しだけ注意しなければいけないのは、ステロイドなどのように特定の範囲内での薬効を期待している場合です。その場合にはまず保湿剤などの広めに適用されるものを広めに塗布してから、ステロイドなどの外用塗布剤を塗るという感じです。ただし、医師の診断で、敢えてステロイドなどを少しだけ広めに塗りたいなどの必要があると判断された場合には、ステロイドなどをまず塗布した後に、保湿剤を広めに塗って、ステロイドも一緒に塗り広げるなどの使用方法がとられたりします。
また、化粧をされる場合には、先に化粧をしてしまうと、バリアが形成されてしまい、外用剤がきちんと吸収されなくなってしまうので、まず前述した順番で外用塗布剤を塗布してから化粧をするようにします。加えて、貼付剤などの貼る薬が一緒に処方されている場合には、もちろんまず塗る系の外用塗布剤を塗った後に、貼る系の外用貼付剤を使用するわけですが、軟膏剤の上から貼るとテープ剤などの成分が変化してしまってはがれやすくなるために、軟膏剤との併用はあまり向いていないかもしれません。どうしても併用しなければいけない場合には、軟膏剤を塗って時間を置いてから使用すると良いでしょう。しかしながら、保湿剤に関しては、これを塗ってから貼付剤を貼ると、実はかぶれにくくなることが報告されているため、おすすめです。
もちろん、前述してきた使用方法は原則ではありますが、診断した処方医によって別の使用方法の指示があった場合には、治療効果を発揮させるためには、その使用方法をきちんと遵守する必要があります。しかし、あまりにも使用に困難が生じることが想定される場合には、疑義照会などで処方医に問い合わせすることも良いと思います。
点眼剤の場合も適した順番がある?
点眼剤に関してもいろいろなものを併用している方も少なくないため、正しい順番で使用することが大事になります。点眼剤には大きく、
(1)水溶性点眼剤
(2)懸濁性点眼剤
(3)油性点眼剤
(4)ゲル化点眼剤
(5)眼軟膏
があります。一般的な順番としては、この番号順で行うことになっています。これも前述した場合と同様、水溶性のものから油性のものという流れに沿っています。ここで注意すべきこととしては、各々を点眼した際の時間間隔です。一般的には、点眼剤を併用する際には各々5分以上空けることとなっています。これは、涙が入れ替わるタイミングが5分であり、その際に一緒に点眼剤の成分が吸収されていくことが理由です。しかしながら、水に溶けにくい成分を使用した(2)や、眼の表面の熱によってゲル化する(4)の場合には、吸収により時間がかかるため、10分以上空けることが推奨されています。別に、患者さん自身が自分でOTC医薬品の点眼剤を使用している場合にも、もちろん順番は同じです。点眼剤の場合にも、診断した処方医から原則以外の使用方法が支持されている場合には、その方法を遵守します。しかし、例えば、患者さんが処方医に今使用しているOTC医薬品の点眼剤を伝えていなかった場合などの際には、薬剤師から処方医にそのことを伝えて、再度使用方法を確認すると良いでしょう。
口や血管から体内に直接入れることがない外用剤に関しては、正しく使っているという方が意外と多くないという傾向もあります。外用剤であっても正しく使用しないと、もちろん正しく薬効が発揮されません。ぜひ外用剤のスペシャリストになってください。
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