グローバル化進展の中、外国人の患者さんも増えてきています。
徐々に英語が医療系の中でも必要不可欠になりつつあります。
今回はよく使う英単語をいくつか例示しながら、接頭語や接尾語を利用して語源でマスターする方法を紹介します。

まずは接頭語と接尾語を覚えよう!

接頭語と接尾語を覚えておくだけでも、ある程度単語を理解できるようになります。
接頭語には、anti-(抗、逆、反対)、de-(脱)、a-(無、不)、hyper-(高)、eu-(正常)、mal-(不良)といったものがあります。
例えばpnea(睡眠)にaをつけたapnea(不眠)になり、euをつけるとeupnea(睡眠正常)となります。
各々の接頭語がその後の言葉を修飾するという形式です。

一方、接尾語のパターンもあります。
具体的にいくつか上げるなら、-cyte(細胞)、-oma(腫瘍)、-pathy(疾患)、-penia(減少)あたりです。
leukocyte(白血球)の語尾からeを取り、omaをつけるとleukocytoma(白血球腫)になり、語尾のeをoに変えてpeniaをつけるとleukocytopenia(白血球減少)となります。
今まで覚えていた医学英単語にこれらをつけるだけで新しい単語になるので、語彙も爆発的に増えていきます。

臓器を表す言葉も!

例を挙げると、angi(o)-です。
これはギリシャ語のangeion(器)に由来しています。血液の器が血管だと考えられた結果です。
この言葉の後にsarcoma(肉腫)をつけるとangiosarcoma(血管肉腫)になります。
余談ですが、血管を収縮する物質であるangiotensin(アンジオテンシン)も血管に関わるもので収縮を起こす物質なので、angio(血管)+tensin(収縮)と命名されました。
カテーテルを足の動脈から挿入し、肝臓や能の血管まで到達させ造影剤を使用して腫瘍分布や血管狭窄を確認したりする検査のことを「アンギオ」と言いますが、これももちろんこのangioから来ています。

別の面白い例としてはentero-(腸)です。
これはギリシャ語でenteronが腸を意味することからきています。
Enterococcus(エンテロコッカス:腸球菌)属と呼ばれる細菌類は腸内にたくさん存在します。
そこから、entero+coccus(球菌)となった訳です。

これらの例のように、一つの言葉を語源で理解すると色々な医学知識が一つにつながってくるのがわかり、新たな発見があったりします。
患者さんや医療関係者との雑談にももってこいだと思います。
また、業務の合間に英語論文を読んで知識を吸収したいと思っても、複雑怪奇な医学専門英単語が乱立しているので短時間ではなかなか読めないということも多いです。
こういった言葉をマスターするだけでも、読むスピードが格段に早くなります。
是非これをきっかけに色々と自分で覚えてみてください。