禁煙や分煙が社会的に進んできている中で、たばこ自体もかなり多様化してきています。今回は多様化しているたばこについてまとめていきましょう。筆者含めて喫煙しない方だと想像できないことかもしれませんが、喫煙者の患者さんと接する際や、禁煙指導の際には役に立つ知識になりうるので、しっかりと知っておきたいところです。

たばこって実は元々たくさんの種類がある?

たばこと聞くと、最も有名なのが紙巻きたばこ(シガレット)でしょう。長い白色の紙の部分と短い茶色の紙の部分とで構成されていて、白色の部分の先端に火をつけて、茶色の部分を口にくわえて吸うというものです。

次に見かけることが多いのが葉巻(シガー)でしょう。これはたばこの葉をたばこの葉で巻いたものです。これは最も歴史が古いもので、現在でも愛好者が多いです。ドラマなどで裕福そうなおじさんが太めのたばこを吸っているシーンがありますが、あれがまさに葉巻の代表的なものです。

また、ちょっと変わったタイプに、キセルやパイプがあります。キセルは時代劇でよく見かけるもので、紙巻きたばこが広まるまではこれが最も一般的な喫煙方法でした。パイプはたばこの葉を詰めて喫煙するもので、実はパイプにも色々な種類があります。

さらに変わったタイプには水たばこ(シーシャ)もあります。これは中東を中心として昔から親しまれているものです。日本でも中東料理屋にいくと置いてある場合もあります。水パイプという特殊な器具で喫煙します。

そして最後に、他とは異なるタイプの無煙たばこがあります。これは鼻や口にたばこを含むこと(鼻に含むのは嗅ぎたばこ、口に含むのは噛みたばこと呼ばれます)で味や香りを楽しむタイプのもので、煙が出ません。あまり見かけないタイプですがたばこの一種です。

新しいタイプのたばことは?

最近よくみかけるようになった新しいタイプのたばこについてもしっかりと覚えておきましょう。
まず一つ目が加熱式たばこです。これは、たばこの葉を燃焼させるのではなく、加熱させて、発生する蒸気を吸うものです。
そして二つ目がたばこ葉を使用しない電子たばこです。これは、装置内(専用カートリッジ内)の液体を電気加熱することで発生する蒸気を吸うものです。

こうしてみると、副流煙が問題になっている昨今において、なるべく煙を発生させないものが主流になってきています。そして、加熱している部分が露呈しない設計になっているので、吸って歩いている際に、周りにやけどをおわせてしまう等の危険性も低くなっています。
吸う人にも吸わない人にも優しいたばこになってきていると言えます。

さらに健康志向のたばこに進化している?!

最近のたばこは禁煙のための第一歩として開発されているものも多いため、タールの摂取量が少なくなるものは出てきていましたが、ニコチンを含んでいるという問題はまだ残っていました。

しかし、現代の健康志向の中でたばこはさらに進化を遂げ、なんとタールゼロに加えて、ニコチンゼロの加熱式たばこも登場してきています。たばこ葉の代わりに紅茶葉を使用しているものや、紅茶葉に加えて最近話題のCBD(カンナビジオール)を含んだものなどいくつも種類があります。たばこ葉の代替であっても葉を加熱するという点では変わらないため、蒸気発生成分はほぼ共通と言われていて、吸った際の違和感が少なくなっています。
また、電子タバコのタイプでも、タールゼロ・ニコチンゼロのものが登場してきています。こちらも吸った際の違和感が少なく、禁煙までのつなぎとしても使いやすいと評判になっています。

このようなタールゼロ・ニコチンゼロのたばこは、たばこ税がかからないためコスパも良く、禁煙中に口寂しく感じた際の素晴らしい代替品と言えます。こういったたばこはドラッグストアでも販売されており、禁煙指導の際に、禁煙への第一歩としても有効的なものですので、ぜひ知っておいてください。

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