薬学部へ進学し、がんばって勉強して無事に卒業をした後に、国家試験に受かることで取得できる薬剤師免許。それらを通過してきた薬剤師の方々ならわかることですが、大学に入ってからかなり勉強したと思います。人によっては大学受験の時よりも勉強したという方もいらっしゃるでしょう。他の学部とは異なり、薬学部では様々な科目を幅広く学ぶため、薬学部を卒業すると、もしくは薬剤師免許を持っていると、有利に取得できる資格が多いのです。今回は薬剤師が有利に取得できる資格についてまとめたいと思います。

薬学部を卒業することで有利となる資格は?

薬学部は「化学」に関して特に詳細に学ぶ学部です。つまり、化学に関する資格を取得する際に有利になります。

例えば、「危険物取扱者」があります。この資格は消防法に規定されている危険物を扱うための資格で、言わずと知れた超人気資格の一つです。甲種、乙種(1~6類)、丙種に分けられ、乙4類(ガソリンスタンドなどで需要がある資格)が最も受験者が多いものになります。甲種は一番上位の資格であり、すべての危険物に関われますが、普通はいきなり受験することができません。下位資格である乙種を何種類か取得することで初めて甲種の受験資格が得られます。
一般の方だと、ここが結構なネックになっているようですが、薬学部卒業者であればいきなり甲種の受験資格を得られます。また、化学に関する科目を15単位以上取得した場合でも受験資格が得られるので、薬学部在籍中にも甲種の受験が可能です。

薬剤師であれば有利に取得できる資格もある?

薬剤師とは全く別の業界へと転職する際にも、薬剤師国家資格はかなりのパワーを発揮します。

例えば、国家資格の「衛生管理者」があります。一定数以上の従業員を雇用する企業では絶対にこの資格を有している人材を配置しなければなりません。こちらもかなりの人気資格です。特に、すべての業種に対応できるのが第一種衛生管理者になります。多くの従業員を雇えば雇うほど何名かの資格者が必要となるので、需要が高いです。ただし、試験範囲は労働基準法から医療の知識に至るまで非常に幅広く、その分多くの勉強量を必要とします。しかし薬剤師であれば、なんと申請だけで無試験で取得可能となります。
例えば、薬学部を卒業した後、自動車の製造メーカーに就職したとします。そこで衛生管理者が必要となった際に、一般の方ならこれから試験を受けて合格してから申請してようやく取得できる一方で、薬剤師保持者であれば申請のみで即時取得可能です。これこそまさに、一見薬剤師とは関係ない業種でも薬剤師免許保持者は強いという理由の一つです。

また、前述した「危険物取扱者」に似ている資格で「毒物劇物取扱者」というものがあります。これは毒物劇物を扱うための資格で、「危険物取扱者」と重複している範囲も多く需要もあるので、一緒に取得しようとする方も少なくありません。ただし、専門的な細かい内容が問われるため、勉強に苦労する方も多いです。しかし薬剤師免許保持者なら、無試験かつ申請なども必要なく、薬剤師自体が「毒物劇物取扱者」も兼ねているため、薬剤師になった時点ですでに取得済みということになります。

地球環境時代に必要なこの資格まで有利に?!

環境問題が注目されている昨今、環境測定に関わる資格も需要が高いです。代表的なものに、「作業環境測定士」「環境計量士」があります。

「作業環境測定士」には第一種と第二種があり(第一種が上位)、第一種はさらに細かく分類されます(放射性物質など)。作業環境測定業務に関しては、「作業環境測定士」にしか許されていない独占業務資格です。国家試験を受験して合格後、指定の講習を受けて取得できます。

「環境計量士」にもいくつか種類があり、中でも一番需要が高いのが濃度に関するものです。こちらも国家試験を受験した後に指定の講習を受けることで取得できます。両方とも、ただ試験に受かっただけでは取得できないため、手間がかかります。しかし薬剤師であればここでも有利になります。まず、「作業環境測定士」に関しては、第一種のどの種類に関しても、国家試験が免除になり、指定講習を受講するだけで取得できます。また、「環境計量士」の濃度関係の場合には、指定講習が免除になり、試験に合格すればすぐに取得できます。いずれにしろ試験か講習のどちらかが免除になるためかなり有利ですよね。

今回紹介したもの以外にも、薬剤師が有利に取得できる資格がかなり多くあります。薬剤師免許の素晴らしさが理解できますよね。ぜひキャリアアップの参考にしてみてください。

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