コロナ禍の「前年比売れたものランキング」で、プロテインが上位にランクインしています。日頃の運動不足やコロナ太りを解消しようと積極的に筋肉トレーニングをしたり、ジムに行ったりする方が増え、プロテインを購入する方が増えたと考えられます。今回はプロテインについて考えてみましょう。
プロテインってそもそも何?
スポーツ用品店に留まらず、今やドラッグストアでも各種プロテイン製品が並んでいます。しかしよく考えてみるとプロテインについては意外に知らないことが多いというのもまた事実です。まずは基礎知識について見ていきたいと思います。
「プロテイン」は、言わずと知れた「タンパク質」の英語名になります。よくタンパク質の一種がプロテインと誤解されがちですが、まったく同じ意味になります。タンパク質は身体を構成するために重要となる栄養素で、色々と種類があります。実は現在、一日に必要なタンパク質摂取量分のタンパク質をきちんとバランス良く取れている人は多くないと言われています。
糖質などの炭水化物食品はリーズナブルですぐにエネルギーになるので日頃の生活で摂取しやすいという一面があります。現に、昼食時に食べるものをぱっと思い浮かべてもらうと、おにぎり、丼、麺類、パンなどが多いかと思います。これらの食品にタンパク質食品が入っていたとしても相対的には少ないと言えます。
また、タンパク質を取っているという方でも実は脂質も同時に取ってしまっている場面が多く、脂質を取りすぎているということにつながっています。例えば、トンカツやステーキなどを思い浮かべてもらうと、確かに高タンパク質食品ではありますが、それに加えて、脂質も結構な量含まれている食品でもあります。栄養バランスという点でタンパク質をきちんと摂取するのは意外と難しく、プロテイン商品の摂取によってそれを可能にできます。
プロテイン商品の種類と特徴を知ろう!
プロテイン商品には実は種類があって、これを理解して正しく摂取することが大事になります。分類すると、(1)ホエイプロテイン、(2)ガゼインプロテイン、(3)ソイプロテインの3つになります。
(1)ホエイプロテインは牛乳由来のもので、筋肉の主成分となる必須アミノ酸を多く含んでいます。加えて、吸収効率が大変良いため、筋肉トレーニング後の30分以内の摂取が有効となります。
(2)ガゼインプロテインも牛乳由来のものですが、(1)ホエイプロテインよりもゆっくりと体内に吸収され、腹持ちが良いという特徴があります。日常のタンパク質補給として摂取すると良いでしょう。
(3)ソイプロテインは大豆由来のもので、吸収が穏やかで腹持ちが良いです。また、原料の大豆に含まれる大豆イソフラボンにはホルモンバランスを整える作用があり、美肌効果や脂質代謝促進効果へとつながるため、美容目的やダイエットに適しています。
また、どのプロテインも寝る1時間くらい前に飲むのもおすすめです。寝る直前過ぎても胃腸に負担がかかるため、1時間くらい間を置くと良いこと、そして、寝ている間に活発に分泌される成長ホルモンによってタンパク質の吸収が高まるというのがその理由です。
こんな注意点も!
注意点ももちろんあります。タンパク質ばかり取って、炭水化物摂取が相対的に減ると、タンパク質をエネルギーとして使うようになってしまい、結果的に筋肉量が減ってしまうため注意が必要です。加えて、プロテインを一度に大量に摂取すると肝臓や腎臓に負担をかけることにもなりかねないという側面もあります。タンパク質だけでなく、炭水化物やビタミンなどをバランスよく摂取するのが理想です。
また、1日のタンパク質の推奨摂取量としては、成人男性で60g、成人女性で50gほどとされているため、取りすぎには注意が必要です。プロテイン摂取によって筋肉量が増えれば、代謝が上がるため脂肪燃焼に確かにつながりますが、取りすぎると余剰分が脂肪に変換されて蓄えられてしまう可能性もあるため注意しましょう。そして、前述した推奨摂取量はあくまで一般人においての目安で、どのくらいの運動量かによって必要となるタンパク質量も変わってくるため、自身の運動量の把握も必要となります。
ぜひプロテインについて正しく理解して適切に選べるお手伝いができるようになってください。
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