今回は病理医から見た薬剤師像を紹介したいと思います。
病理医は日本ではかなり不足している医師の一つです。
しかしながら、病態の細部を見極めるための病理診断や死因の正確な特定をするための病理解剖を行う病理医は「医師の中の医師」と呼ばれており、必要性が高くもあります。
三人の病理医(A、B、C ※敬称略)にイメージを聞きました。
病理医ってどんな医師?
それぞれの先生方の仕事内容は?
Aさん)外科などから送られてくる患者さんの検体を切片にして、染色して顕微鏡で観察し、がんの特徴を診断するという仕事をしています。
Bさん)肝がんの病理学的研究をメインにしています。
Cさん)Aさんのような病理診断をメインとしながらも、大学院に在籍しながら、病理専門医と医学博士の取得を目指してます。
病理医だけの特徴はありますか?
Aさん)病態の根源を勉強できることです。
様々な科から様々な病態の検体が病理医の元へ集められ、検査値のような数値ではなく、実際の目で確認できる形で病態把握します。
細胞一つ一つレベルで染色しますので、ミクロレベルで病態を理解できるようになることも強みです。
Bさん)他の医師と比べて医師数は少なく結構忙しいのですが、外科などよりは体力的には楽なので、研究に時間を割きやすいとは思います。
Cさん)病理学教室には医学部出身以外の教員が配置され、基礎研究を担当していることも少なくないです。
これは外科などではあまりないことだと思います。
病理学教室の様子は臨床と基礎のちょうど中間といった感じ[R1]です。
基礎研究者と医師が入り乱れて研究しています。
薬剤師と病理医は似てる?
薬剤師へのイメージって何ですか?
Aさん)病理医は薬剤師どころか、看護師や他の職種とお話する機会はほとんどありません。
病理診断の補助をしてくれる臨床検査技師と仕事をするくらいでしょうか。
ただ、患者さんとあまりふれあう事がないが、裏方でプロの仕事をする点では薬剤師と病理医は似ているかなと思います。
患者さんとふれあう時間があまりないというのは、つまるところ、医師や看護師とは別の目線から病気を見られる機会に恵まれていると考えられますから。
Bさん)私もそれは思います。
研究の世界にいると薬剤師の研究者と会うこともありますが、私たちは組織から病態を語る、薬剤師は薬から病態を語るという方向性は似ていますね。
昨今のゲノムや分子といったミクロな視点から病態を見るという時勢では薬剤師は強いと思います。
Cさん)薬剤師はさらに臨床と基礎のちょうど良い中間地点にいるなというイメージです。
特にミクロな観点は強いです。
病理医は普段は静かですが、意見を言う時ははっきり言うタイプが多いのですが、薬剤師もせっかく知識があるので、分子表的薬などのカンファレンスのときに、もっと意見を言ってもいいかなと感じます。
病理診断を学ぶことで、患者さんの背景にある病態の詳細なメカニズムが見えるようになる
薬剤師側も病理医とは接点がほとんどないと思います。
薬剤師は病理医と似ていてミクロから病態を把握するというのが得意というところは共感できました。
これからの薬剤師は今まで以上に患者を見ることが求められるかと思います。
薬学部で習った臨床検査学の講義を思い出しながら、少し病理診断の考え方、方法について学んでみるのも悪くないかもしれません。
病理診断というのは分子から病態を判別するものですので、これを薬剤師も学ぶことで、患者さんの背景にある病態の詳細なメカニズムが見えるようになると思います。
同時に医師がどのように薬を決めているのかも同時に理解できると思います。



