つい最近になって、医薬品のネット販売本格解禁の時代へと突入してきました。
誰しもがネットである程度の薬を簡単に入手出来てしまうこの時代です。

しかしながら、薬に関しては、買う時は何の抵抗もなく買えたとしても、買った後に全然効き目がなかったなどの問題が生じてしまったり、買ったものの服用すること自体をためらってしまうことも少なくないといいます。
特に副作用問題は今後避けては通れないものと思います。
こんな時流だからこそ、薬のプロである薬剤師は副作用問題に精通しているべきです。
今回は現場ですぐに使える一般医薬品の副作用対処法をまとめてみたいと思います。

まずは主な副作用と薬効分類別医薬品は絶対に知っておこう!

一般用医薬品の重篤な副作用で絶対に暗記しておかなければならないものがあります。
製造販売業者による毎年の副作用報告から傾向をつかむと、副作用報告が多い一般用医薬品の内訳としては総合感冒薬、解熱鎮痛消炎剤、漢方製剤の3つです。
漢方製剤は比較的穏やかで副作用が起こりにくいと一般の方は誤認している場合が多いですが、これを見ても漢方製剤がいかにいい加減に使用されているかということがわかると思います。

一方、一般用医薬品の副作用として重篤なものとしては、スティーブンス・ジョンソン症候群、肝機能障害、間質性肺疾患、アナフィラキシーショックの4つは最低暗記している必要があります。
医療用医薬品よりは効果が緩いと考えられがちな一般用医薬品ですが、後遺症が残ったり、死に至る可能性もある副作用もあります。
そういった当たり前のことを薬剤師であれば常に意識しておいて、患者さんに相談された時にすばやく対処できると良いと思います。

副作用の原因を抑えておこう!

副作用の原因を大きくわけると3つ


  1. 薬理作用から予測できるもの
  2. アレルギーによるもの(予測不可)
  3. 長期使用によるもの

1.の例としては、総合感冒薬中のリン酸コデインの抗コリン作用による排尿困難です。
こういった場合は、薬剤師側で患者さんの背景をあらかじめ知っておき、前もって注意喚起すれば対処可能です。

2.の例としては、スティーブンス・ジョンソン症候群です。
こういったものは服用してみないとわからないことが多いのですが、あらかじめその可能性を患者さんに説明し、起こった時にはすぐに医療機関に行くように伝える事が重要です。

3.の例としては漢方製剤の長期服用によるものです。
短期間投与を想定した一般用医薬品ですが、その中で漢方製剤は長く飲み続けることも多いので、きちんと伝える事が大切です。

販売時に具体的に確認することと伝えること!

重篤な副作用が起こりやすい人達を常に想定すべく、以下のことは必ず確認しましょう。


  1. 持病(高血圧などの基礎疾患)の薬を飲んでいるか?
  2. 妊婦・授乳中か?
  3. 高齢者か?
  4. 15歳未満の小児か?
  5. アレルギー体質か?

の5つは確認しましょう。

そして、出来れば副作用が起こった時のために、国が用意してくれている被害者救済手段である「医薬品医療機器被害救済制度」を患者さんに伝えましょう。
この制度を、患者さんはもちろん、意外と薬剤師も意識してない方が多いので、しっかりと意識しておくと良いと思います。