今回は産婦人科医からみた薬剤師像を紹介したいと思います。
少子化の中、産婦人科の重要性は上がってきています。
一方、医療ミスの訴訟リスクが高いと言われている分野でもあります。
もちろん妊婦は薬の投与に慎重を要します。
そんな分野でどのように薬剤師は関わっていけるのでしょうか。
三人の産婦人科医(A、B、C*敬称略)にイメージを聞きました。
産婦人科の特徴って?
先生方の仕事内容を教えてください。
Aさん)私は生殖医療部門に所属して不妊治療を専門にしています。
不妊症外来を担当しつつ、合間に不妊治療の新しい治療法の確立をめざし、症例報告や論文も書いております
Bさん)私は周産期を専門しています。
周産期はまさに新しい命が生まれる一番間近にいるので、一般の方からすると一番産婦人科らしい業務かなとは思います。
Cさん)私は最近社会的にも騒がれている子宮頸がんや乳がんなど女性特有のがんの外科的療法を専門にしています。
産婦人科ならではの経験はありますか?
Aさん)不妊症の治療では女性が原因だけでなく、男性が原因の場合に、とても治療が複雑になることがあります。
女医さんの前だと男性の患者さんが恥ずかしがってしまい正確に説明してくれない人も多く、原因を正しく把握するだけで一苦労な時もあります。
Bさん)周産期部門の特徴としては、医師以上に助産師の活躍が盛んだということです。
産婦人科医は不足していますし、地方はより顕著です。
その穴を埋められるのは助産師です。
私の病院でも即戦力になるような助産師を養成し、産婦人科不足の地域に派遣しています。
助産師なしではやっていけないですね
Cさん)女性は男性以上に容姿に敏感です。
女性特有がんの場合、乳房はもちろん、子宮や卵巣をとってしまうこともあるので、女性として終わりだと思い絶望に陥る患者さんがいます。
特に若い女性に多いです。
そのため、手術以外の選択肢もきちんと考えていく必要があり、内科や薬剤部、放射線科との連携が盛んです。
あと手術前後のフォローは特にしっかりします。
薬剤師の積極的関与も重要となる!?
薬剤師のイメージって何ですか?
Aさん)不妊治療は長い時間との闘いになることが多いですが、その中で薬の副作用が出てきて治療が嫌になる患者さんもいます。
そんなときに、いつも薬剤師さんが薬の専門家の観点から患者さんをフォローしてくれるので、頼りになるなというイメージです。
Bさん)私個人の経験ですが、以前、出産を控えていて、とても繊細になっていた患者さんが、いつも愛用している化粧品やサプリメントや薬が出産に影響することを大変心配していたことありました。
心配すぎて夜も眠れない、食べ物も食べられないという状態になり、医師や助産師もお手上げ状態でした。
その時に、薬剤師さんが、その患者さんの愛用していた化粧品、サプリメント、薬すべてについて調べ、加えて、過去の妊婦さんの使用事例なども調べた上で、きちんと説明してくれて、無事に出産を終えました。
薬剤師は医療系の中で一番広い知識を持っているという印象ですね。
Cさん)手術以外を望む患者さんを常に相手している私たちの部門は、いつも薬剤部にはとてもお世話になっています。
ですので、率直に、本当になくてはならない存在です。
活躍の可能性が眠っている産婦人科医療!
「妊婦と薬」については薬剤師であれば普段から接している切り口ですよね。
今回の先生方のお話から、もっと広い目線を持ち、かつ広い知識を常に吸収していけば、積極的に産婦人科医療に関わっていけるような可能性を感じました。



