他職種から薬剤師像を考えるシリーズ、今回は妊娠・出産のケアや分娩介助を行う助産師からみた薬剤師像です。助産師は看護師免許を取得した後に、女性のみが受験出来る資格です。(ちなみに近年、男性看護師にも門戸を開けてはどうかという意見も出始めていますが、患者さん側の反対もあり実現には至っていません。)

妊娠中、授乳中の方は薬の扱いに注意が必要ですから、薬剤師を頼りにする場面も多いようです。では助産師の仕事内容とは?また、薬剤師とどのように関わっているの?3人の助産師(A、B、C*敬称略)にお話を伺いました。

助産師ってどんな仕事!?

仕事内容を教えてください。

Aさん)私は大学病院の産婦人科に勤めています。
看護学校卒業後、以前は看護師として勤めていましたが、生命が誕生する現場にいきたいと思うようになり、助産師学校に入学し、助産師になりました。
今は母乳外来を担当しています。

Bさん)私は助産所を開業しています。
実は、正常分娩なら医師がいなくても助産師のみで行えて、独立開業権が認められています。
民間病院で腕を磨いた後、開業に至りました。

Cさん)私は助産師養成学校の教員です。
助産師国家試験科目全般を担当し、他教員の先生を統括する立場です。

いまどきの助産師事情として、特徴的なことはありますか??

Aさん)今は少子化の時代です。
1人の女性が一生涯で経験する出産の回数は減っています。
助産師が必要なくなってきているかというと決してそうではなく、産科医の不足も合わさって、むしろ需要は増しています。
以前のように医師・助産師に任せっきりではなく、1回1回の出産を自分のイメージ通りきちんと行いたいという需要が増してきているからです。
以前よりも密に妊婦さんと会話することが求められています。

Bさん)自然分娩であっても、やはり「何かあったら…」と心配になる方が多く、ほとんどの妊婦さんは病院での出産を選ぶというのが今でも多いのは事実です。
ですので、助産所で年間扱う出産件数は多くはありません。
ただその分、助産所には地域密着性という特徴があり、より妊婦さん1人1人と向き合える時間が多く取れます。
あくまで私個人の印象ですが、病院よりもアットホームな助産所であえて出産を選ぶという若い方も、少し増えてきてはいるなとは感じます。

Cさん)看護師を取った後に助産師を取得したいという方がかなり増えています。
助産師養成学校はどこも倍率が高いです。
国家試験の前にまず養成課程への入学そのものが難関になっています。
どんな時代になろうとも絶対に出産というのはなくならないので、将来性という点でも助産師は今後も安定ではないかと感じます。

薬剤師及び他職種との関わり方・連携について教えてください。

Aさん)普段は母乳外来で、正しい母乳の出し方などを指導していますが、授乳中には、頭痛をはじめ様々な身体の症状に悩まれる方も多くいらっしゃいます。
ただ、薬は妊婦や授乳中は禁忌のものが多く、我慢しようとがんばってしまい、それが正しい授乳の妨げになってしまうという悪循環になるケースもあります。
そのため私の病院では妊婦・授乳中の方専門の薬剤師を配置しており、そういったときにはすぐに相談できる体制が整っていて、大変助かっています。
いつも頼りにしています。

Bさん)妊婦さんをみていて感じるのは、妊娠すると自分のことよりもお子さんのことを一番に考えるような考えが芽生え、特に薬の服用に関してかなり敏感になられる方が多いということです。
助産所を開業するようになってからは病院に勤務していた頃とは異なり、他職種とはそんなに頻繁に意見交換や相談ができるということが少なくなりましたから、近くの調剤薬局に相談できる体制を作りました。
調剤薬局は地域社会の中枢だと感じていて、細かいところまで相談にまでのっていただき、とても感謝しています

Cさん)私も妊婦さんの薬の問題は大変重要であると感じています。
私の学校では非常勤講師として薬剤師免許保持者を呼んで、薬のことを講義してもらう科目を用意しています。
必須科目ではありませんが、生徒に人気があります。
助産師として就職してからも、薬剤師さんとは積極的に連携するべきだと感じています。