今回は精神科医からみた薬剤師像を紹介したいと思います。
ストレスの時代と言われている現代において精神疾患を患う患者さんは多いです。
精神疾患は薬物療法がメインですが、薬の飲み過ぎや服用コンプライアンスの悪化が問題になっている分野でもあります。
どのように薬剤師は関わっていけるのでしょうか。三人の精神科医(A、B、C*敬称略)にイメージを聞きました。

精神科医の特徴って?

先生方の仕事内容を教えてください。

Aさん)私は元々心療内科医でした。
心療内科で勉強しているうちに、今後の日本では、精神科がより重要になってくるのではないかと考え精神科医になりました。
普段は統合失調症をメインとしており、症例報告や論文も書いております。

Bさん)私は普段は精神科に所属しておりますが、チーム医療を重視する私の病院の方針で、時々、心療内科にも出向き、症例検討会などを行ったりしています。
うつ病の患者さんを担当することが多いです。

Cさん)私は精神科所属ではありますが、最近ではがん患者さんの緩和ケアをお手伝いすることが多いです。

精神科と心療内科の違いは何ですか?

Aさん)精神科は精神的症状を担当し、心療内科は身体的症状を担当します。
最近では混同されていることも多いですし、病院によっては予算の関係で、二つの科を統合しているところもあります。

Bさん)精神科は主にうつ病や統合失調症、心療内科は摂食障害や心身症などを扱います。
少しややこしいのですが、現実的には、うつ病などでも身体的症状が出る事がありますが、この症状は精神科の領域となっています。

Cさん)最近では二つの科の垣根は薄くなりつつあります。
元々がん患者さんの緩和ケアは診療内科か担当することが多かったのですが、最近では精神科医の緩和ケアへの関与の重要性が言われています。
がん患者さんは告知された後に精神的なケアを必要とする場合が少なくありませんし、がん患者さんが増えている昨今ではさらに重要だと考えられます。

薬剤師の積極的関与も重要となる!?

薬剤師のイメージって何ですか?

Aさん)私個人の経験なのですが、精神科医になりたてのころ、多くの薬を処方しすぎていた時がありました。
処方箋を見たベテランの薬剤師さんが類似薬を指摘してくれて、結果無駄な薬を減らすことができ、患者さんも喜んでいました。
薬剤師はやはり薬のプロだというのが正直なイメージです。
今でも処方前には必ず薬剤師に薬の相談をするようにしています。

Bさん)私の病院はチーム医療を推進していますので、薬剤師さんとお話する機会は多いです。
医師は自分の専門の薬以外ほとんどわからないのに対し、薬剤師さんはすべての薬に精通しています。
薬物療法が中心となる精神医療においては常に薬の相互作用問題がついてまわります。
それを予防するスペシャリストというイメージです。

Cさん)緩和ケアの場面でも薬が登場するのに、何故か薬剤師さんをあまり見かけないというのがイメージですかね。
是非これからの薬剤師さん達には緩和ケアも勉強していただき、薬の専門家の観点から意見を積極的に言っていただきたいと思います。

活躍の可能性おおいにある精神医学分野!

ストレス時代に加え、超高齢化社会に進む中、高齢者の孤独によりうつなども増えていると聞きます。
薬物治療がメインとなる分野ですので、精神科医とは積極的に連携していくべきだと思います。
「精神科医×薬剤師クロストークから読み解く精神科薬物療法(南山堂)」という書籍も出ていますので参考にしてみてください。