今回は救命救急医から見た薬剤師像を紹介したいと思います。
最近では、外科医と同じくらいドラマにもなりますので、一般的にもイメージしやすいですが、薬剤師にとってみるとあまり接点がなく身近ではないかもしれません。
逆に救命救急医からはどう見られているのでしょうか。
三人の救命救急医(A、B、C *敬称略)にイメージを聞きました。

外科医は手術以外に何をしているの?

仕事内容を教えてください。

Aさん)私は高度な治療技術を施すための救命救急センターにいます。
一ヶ月のほとんどをセンター内で過ごすことも多いです。
老若男女問わず色々な患者さんが来ます。
元々脳外科に進もうと思い医師になりたての頃はずっと外科の医局にいたので、それ以来、繊細な手術を要する重篤状態の患者さんを担当することが多いです。

Bさん)私は大学病院におりますので、臨床だけでなく、症例を集めて論文・学会で発表することも求められます。
週のうち一日だけは臨床業務はなく、研究に専念できる日があります。
救命救急に最初から志望してくる人が少ないので、研究に時間を割く事ができないことが多いです。
でもドクターヘリが導入されてからチームで活動しやすくなったので、やりがいが増えてきました。

Cさん)私は消化器外科医志望でしたが、研修医の時に救命救急の指導医に尊敬できる方がいたのをきっかけに救命救急に進みました。
お子さんが何か飲み込んで食道に刺さったとか、夜中急にお腹が痛くなって動けない等の消化器系の事例を扱うことが多いです。

救命救急らしいエピソードなどはありますか?

Aさん)ドラマではキレイに描かれていますが、実際は泥臭いです。
ご飯を食べている時間もない時もざらです。
先日、弁当を買って食べようとしたら呼ばれて、2時間後に戻り、暖め直し3分の1食べたらまた呼ばれといった感じで、全部食べ終わるのに8時間かかりました。
不規則な生活なので、健康に気を使う人が多いのも特徴です。

Bさん)先日夜中に交通事故が発生し、その患者さんたちが一斉に運ばれてきました。
そういった時に患者さんの優先順位をつけなければいけない時が多いのも、救命救急医の辛いところです。
本当はすべての患者さんを救いたいのですが、物理的に無理な時も多くて、自身が病んでしまう人もいます。

Cさん)子供さんが運び込まれてきた場合、親御さんの方がパニックになっている場合も多いので、親御さんのケアを特にしっかりしなければならないというのが他の科よりも強いです。

薬剤師が貢献できるかも!?

薬剤師のイメージって何ですか?

Aさん)救命救急での薬の種類は限られていて簡単という印象かもしれませんが、実際は高度です。
特に希釈とかを素早く計算し投与しないと生死が左右されます。
薬の準備やチェックを薬剤師がすべて担ってくれたら、より多くの患者さんを救えると感じます。
薬剤師は「いてほしい人」というイメージです。

Bさん)一分一秒を争う現場では薬の誤判断は命取りです。
医師や看護師は処置に精一杯になっていますので、積極的に参加するようになって欲しいです。
今まで薬剤師が救命救急にあまりいなかったのがむしろ不思議なので、私は、「いるべき人」だと思います。

Cさん)病院での当直の際に、薬剤師は薬剤部にいると思います。
これからは是非、救命救急の現場で薬物療法の番人となって欲しいと感じます。
できる事が明確ですから。
薬剤師は「救命救急で活躍の可能性を秘めている」という印象です。

外科治療に関わる可能性!?

東日本大震災後に、岡山大学薬学部に日本初の救急薬学教室が誕生するなど、救命救急医学分野はこれから薬剤師が関与できる分野の筆頭かもしれません。
将来的には、地域薬局も夜間時の緊急患者を担当することもあるかもしれません。
是非皆さんも意識してみてください。