新しい年が始まり、仕事をがんばる方も増える時期です。この時期は体調を崩しやすく、薬局としては忙しい時期に突入します。疲れたときにカフェイン飲料を摂取してがんばろうという場面もよく見かけますが、カフェインについてよく知らない方も多いです。今回は最新情報を踏まえながらカフェインについて見ていきましょう。

そもそもカフェインとはどのようなもの?

カフェインには中枢神経興奮作用、血管拡張作用、気管支拡張作用、利尿作用などがあります。そのため、眠気抑制や頭痛治療などの医薬品としても商品化されています。
しかしながら、一般的には日常の嗜好品としてコーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート、エナジードリンクなどで摂取されます。一日にコーヒーを何杯も飲んでいる方もたまに見かけますが、1日の摂取量を守らないといけません。健康な成人において、カフェインの1日摂取量の目安としては、400mgとされています(ただし、1回あたりの量は200mg以下にすることが必要です)。これを超えてしまうと健康被害が出る可能性があります。
容器の大きさや形状によって多少異なりますが、コーヒーはマグカップで3~4杯くらい、緑茶やほうじ茶はティーカップでおよそ10杯分に該当し、意外とすぐに到達する量です。まずはこの点をきちんと理解しておきましょう。

カフェインの効果に関する最新情報は?

最新の研究によると、カフェインは2型糖尿病のリスクを下げるとされています。カフェイン入りのコーヒーとカフェインレスのコーヒーで比べた際に、カフェイン入りのコーヒーは付加後2時間、軽度の血糖値低下が確認され、糖尿病リスク低減に役立つ可能性があります。
次に、カフェインが認知症、パーキンソン病、うつ病などの精神疾患のリスクを低減するという情報も出てきています。カフェインが脳の神経細胞を保護することによるものではないかと考えられています。
また、たばこを吸わない女性に限りですが、カフェインが脳卒中のリスクを低減するという情報もあります。
毎日適量のコーヒーを飲んでいる人は、10年間の死亡リスクが下がるという報告もあります。
どの情報もまだはっきりとした理由が定かではないため、あくまで参考レベルではありますが、カフェインの可能性については注目する必要があります。

場合によってはカフェイン摂取がデメリットになる場合も?

カフェインが有用なものであるという報告はたくさんありますが、場合によっては注意が必要という報告もあります。
カフェインの代謝に関わる酵素を作り出す遺伝子には多型が存在し、カフェインの代謝が遅い遺伝子型の場合には、代謝が速い群に比べて、高血圧進行のリスクが有意に上昇したという情報があります。もちろんこの研究に関しても詳しく分かっているわけではないので、今後の展開が待たれます。
いずれにしろ、カフェインには良い面も悪い面もあることを理解しておく必要があり、特に大量に摂取する方は注意が必要です。
薬剤師としても、日ごろカフェイン飲料を摂取している患者さんにはヒアリングをしたほうが良いでしょう。

<参考記事>
https://dm-net.co.jp/calendar/2011/016109.php
https://medical.jiji.com/news/56172
https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXZQOUC107O90Q2A210C2000000/
https://amanuma-naika.jp/column/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AF%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E7%97%85%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%8B
https://dm-net.co.jp/calendar/2009/009709.php
https://cnw.sakura.ne.jp/news/698.html

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