暑い夏も終わり今年もようやく秋がやってきました。それと同時に秋の花粉症の時期になりました。花粉症は春のものと思いがちですが、最近では秋の花粉症に悩まされている方も増えています。今回は秋の花粉症について見ていきましょう。
春の花粉症について復習しよう!
秋の花粉症を理解するために、まずは春の花粉症について理解しましょう。春の花粉症の原因としては、スギ、ヒノキ、ハンノキなどの花粉です。一番多いスギ花粉に関しては、もちろん地域によって異なるものの、概ね1月〜2月ごろから飛散が始まり、3月ごろにピークを迎えて、概ね4月末くらいまで続きます。次に多いヒノキに関してもだいたい同じ時期ですが、期間が短めです。
厄介なのは、スギ花粉症に罹患している方のうち多くがヒノキ花粉症も同時に罹患している点です。併発している場合には重症化しやすいので特に注意が必要です。メイン症状としては、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどですが、人によっては喉の痛みなども出ることがあり、普通の風邪と間違ってしまうことも少なくないです。余談ですが、漢方医学では、春の花粉症を「春の風邪」と呼んだりもしますので、風邪の症状と共通なのも仕方ないことかもしれません。
秋の花粉症の特徴とは?
秋の花粉症の原因としては、キク科やイネ科などの花粉となります。具体的には、ヨモギ、ブタクサなどです。時期としては、夏の終わりの8月後半ごろから飛散が始まり、9月にピークを迎えて、10月ごろまで、長い場合には、冬に差し掛かる11月末くらいまで続きます。このようにちょうど秋の時期に発症するため秋の花粉症と呼んでいます。比較的東日本で飛散量が多いといわれています。
春の花粉症と異なる点は、秋の花粉症の原因となる花粉は春の花粉症の原因となる花粉と比べると大きさが小さく、比較的気管支の部分まで到達することが多いので、喉の違和感や咳が目立ったりします。加えて、飛散の距離も比較的短めなため、なるべく原因の植物から離れることで予防しやすくなります。
ちなみに、春の花粉症に罹患している方は、秋の花粉症にも罹患しやすくなると考えられていますので、春の花粉症に悩んでいる方は、早期に秋の花粉症への対策もしておくと良いでしょう。
秋の花粉症の厄介な点とは?
外出から帰ってきたのに、家の中の方が逆に症状が酷くなるという方は、秋の花粉症ではなく、ハウスダストによるアレルギーの可能性が高いです。今年のように夏はじめじめとしてとても暑い時期で、生命にとってはかなりのストレスがかかる時期ですが、ダニやカビにとってはとても快適な時期にあります。そのため、ダニやカビは夏に繁殖して、秋になると繁殖が鈍ってきていずれは死にますが、その死骸やフンなどが舞い上がって人体に入ることで、アレルギー症状を引き起こしてしまいます。夏が終わるころ、特にしっかりと部屋の掃除をすることが大事といえます。
また、花粉症は風邪と間違いがちと前述しましたが、乾燥してくる秋の時期の花粉症は特に一般の風邪と間違うことが多いという点も注意が必要です。なぜかと言うと、風邪と勘違いして治療を開始してしまうと、例えば無用な解熱鎮痛薬を服用する羽目にもなりかねないからです。
つまり、秋ごろにいわゆる風邪っぽい症状が出た場合には、それが普通の風邪なのか、花粉症なのか、はたまたハウスダストのアレルギー症状なのかをまずは正しく診断することが大事です。なお、ハウスダストのアレルギーに関しては、原因としてはほこりなども含まれているため、もちろん、一年を通して起こる可能性があるため、一年を通して掃除などをこまめにし、防カビ対策をきちんと行うことが必要となります。
いずれにしろ、花粉症を含めたアレルギーに関しては、安易に薬に頼ることは避けて、根本的な対策も継続するようにすることが大事といえます。ぜひきちんと理解しておいてください。
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