あなたの話、分かりやすいですか?説明下手な人でも話を聞いてもらえる説明のコツ
みなさん、こんにちは!
私の名前は立花メイ。
「俺の薬局」という薬局で働いている、麗しい薬剤師です。
あなたは仕事などで誰かに何かを説明しなくちゃいけないとき、相手にしっかり話を聞いてもらえていますか?
お客様への説明やプレゼンテーションなど、仕事の現場では、相手に何かを説明しなくちゃいけない状況がたくさんあります。
前回は相手との話を盛り上げるための「会話のコツ」をご紹介しました。
相手に話を聞いてもらうためには、まずは“自分が聞き上手にならないといけない”というお話でしたよね。
今回ご紹介するノウハウもそれと近いんですが、実は今回はその逆。
あなたが“話し上手”になるためのコツを紹介します。
もし、あなたが“聞き上手”なうえに“話し上手”になったとしたら、世の女子はあなたにメロメロになっちゃいますね。
ああ、私もクリスマスまでにそんな王子様が欲しいな。
立花メイ(25)
「俺の薬局」で働く新人薬剤師。
ミニオンズが好きすぎて、この間、USJのイベントに手作りの着ぐるみを着て参加してきた。
薬師寺五郎(45)
「俺の薬局」を経営する薬局長。
心の師は高倉健。
メイが薬局に来てからというもの、調子が狂うことが多く、硬派な自分を演じきれなくなっていることに戸惑いを感じている。
男性患者(52)
どこかの会社の役員っぽい雰囲気を醸し出している男性。
“タイムイズマネー”を地で行く性格で、ちょっとでも効率の悪いことがあれば、すぐにイライラする。
今日も薬剤師業界の1000年に1度のアイドルこと、私、立花メイはお客さんのお薬を一生懸命調剤しています。
・・・って、なーにが“1000年に一度のアイドル”だ。
おめー、橋本環奈にでもなるつもりか。
あっ!
薬局長、私の独り言(というか吹きだしだけど)を聞いていたんですね!
乙女のプライバシーに踏み込むなんて、最低っ!!
何がプライバシーだ!
ニヤニヤしながらブツブツ独り言を言ってたのはおめーだろーが!
このサイトはですね、最初に私のナレーションから入らないと締まらないんです!
このサイトにアクセスが殺到しているのは、カワイイ私がいるおかげなんだから。
・・・お、おめー、自分で自分のことをカワイイとか言ってるのかよ・・・。
おい!
薬はまだなのかね。
私の番号札が点滅しているぞ。
あっ、いけないっ!
は、はい!ただ今お持ちしますー!
ダッ
遅くなりまして、すいません!
え・・・と、山岡さんですね。
今回は少し多めにお薬が出ています。
ああ、そうか。
お代はいくらだね?
えっと・・・。
お代をお支払いただく前にですね。
今回の薬のご説明をさせていただきますね。
ちょっと、君。
薬の説明は要らないから、早く渡してくれ。
えっ、で、でも。
私はこのあと会議があるんだ。
薬の説明は、袋に入っている紙に書かれているんだろ?
だったら、説明は不要だ。
とっとと会計を済ませてくれ。
えっ、い、いや、そう言われても・・・。
薬剤師には「服薬指導」をしなければいけないという義務がありまして・・・。
いいから早くしてくれ!!
(ビクッ)
わ、分かりました・・・!
なにーっ!!?
服薬指導をしっかりせずに薬を渡しただと!?
そ、そんなに大きな声あげなくていいじゃないですか!
バカやろう!!
服薬指導は薬剤師の責務なんだ。
もし相手が間違った薬の服用をしたらどうすんだ?
ど、どうするって言われても・・・。
た、たしかに服薬指導はきちんとできなかったかもしれませんが、お客様に「急いでいる」って言われたら、どうしようもないじゃないですか!
ちっ・・・。
そのお客さんはグレーのスーツを着ていた男性だな。
さっき出ていったばかりなんだな?
は、はい・・・。
呼び戻す。
えっ!!?
メイ、お前はほかのお客さんの対応をしていろ。
ダッ
あなたの話、分かりやすいですか?説明下手な人でも話を聞いてもらえる説明のコツ
お客さん!
な、なんだね、君は?
さっきの薬局のもんです。
お客さんにどうしても伝えないといけねえことがあって、連れ戻しに来たんでさあ。
!?
どうしても伝えたいこと?
お客さんがご多忙なのは重々承知だ。
申し訳ねえが、すぐに薬局に戻ってもらえないかい?
す、すぐに戻れと言われてもだね・・・。
・・・ぜひ、すぐに。(ギロリ)
わ、わかった・・・。
(なんだ、このイカつい男は・・・)
さて、お客さんに戻ってもらったのは、ほかでもない。
さっき渡した薬の説明が十分にできていなかったからさ。
!!?
はああ!?
薬の説明はいいって言ったろうが!?
(ひええええ・・・。やっぱり、このお客さん怒っちゃったよ・・・)
・・・お客さん。
あんた・・・。
自分の命は惜しくないんですかい?
い・・・命・・・?
そうさ。
命さ。
さっきお客さんに渡した薬には、注意しなければいけない副作用がある。
その副作用はもしかすると、お客さんの命に影響するかもしれない。
(ゴ、ゴクリ・・・)
たった2分、俺の話を聞いて長生きするのと、俺の話を聞かずに自らを命の危険にさらし、“会社を危機的状態にする”のとどっちを選ぶかい?
・・・。
わ、分かった。
君の言うことを聞こう。
ただし、2分だけだぞ!
(あれっ、このお客さん、あれだけイライラしていたのに、静かになっちゃった)
2分もありゃ十分でさ。
手短に要件だけを伝えましょう。
さあ、始めてくれ。
実はこの薬は・・・。
なるほど・・・。
勉強になったよ。
ありがとう。
いやいや、こちらこそ忙しい中、引き留めてしまって申し訳ない。
お客さんの体調がよくなること、心より願ってます。
ありがとう。
・・・それにしても、あんた話すのが上手いな。
イライラしがちな私に最後まで話を聞かせたのは、あんたが久しぶりだ。
うちの会社の営業部長に引き抜きたいくらいだ。
ははは。
勿体ないお言葉でさ。
うちの薬局の売上げがピンチになったときは、ぜひ相談させてやってくだせえ。
ははは。
楽しみにしているよ。
おい、お嬢ちゃん。
は、はい!!
いい上司をもったな。
い、いい上司・・・?
この人は“できる男”だ。
この人からしっかり学んで、大きく成長するんだぞ。
では、また来る。
ありがとうございやしたー!!
(ポカーン)
おい、メイ。
おめー、何をポカーンとしてるんだ。
だ、だって・・・。
あんなに気難しそうな患者さんが話を聞きに戻っただけでなく、笑顔で去って行かれたので・・・。
ははは。
薬局長、どうやってあの患者さんの機嫌をよくしたんですか?
ふむ、そうだな。
一言でいえば、“相手が話を聞きたくなるような説明”をしたというところだな。
“相手が話を聞きたくなるような説明”・・・!?
よし、今日はおめーに、相手が話を聞きたくなるような“説明のコツ”を教えてやろう。
説明のコツ・・・!?
「人に何かを説明する際のコツ」
人に何かを説明する際に大事な基本ノウハウを教える。
それは、以下の5つの要素を意識することだ。
- トーン(声の高さ)
- リズム(話のテンポ)
- 相手にとっての“自分事”となる言葉を選ぶ
- 結論から話す
- 相手の集中力に気を配る
この5つの要素を意識しながら話せば、おめーの話は相手に聞いてもらいやすくなる。
ひとつずつ解説していくぜ。
【説明する際の基本 その1】
トーン(声の高さ)を意識する
まずは「トーン(声の高さ)」だ。
トーン(声の高さ)は「声の雰囲気」と考えるといい。
人は“自分が伝えたいこと”があるときに、声のトーンが高くなりやすい。
しかし、そこで注意しなければいけないのは、声のトーンが高くなりすぎてはいけないことだ。
声が高すぎると、相手によっては「甲高い(かんだかい)声が疲れる・・・」と感じられるケースがある。
そうなると、おめーがどんだけいい話をしても、相手には響かなくなる。
声のトーンは低すぎてもダメだが、高すぎてもダメ。
低すぎると声は聴き取りにくくなり、高すぎると甲高い声になってしまう。
相手に話を聞いてもらうためには、てめーのお腹の底から「深みをもった声」を出すイメージで話せ。
深みをもった声・・・?
イメージでいうと、お腹の底から低めの声を出すということだな。
次に解説する「リズム(話のテンポ)」にも通じるが、低めの声を出すように意識すると、必然的に話のテンポがゆったりとなる。
しかし、話のテンポがゆったりでも、相手の声に深みがあれば、「相手は何か重要なことを話そうとしているんじゃないか?」という気持ちになって、相手の集中力が続くのさ。
例えば、パニック映画を思い出してみろ。
パニックが起きて混乱した人々をしずめる人は、たいてい落ち着きはらってゆったりと話しているだろ?
そ、そういえば・・・!
そうさ。
深みのある声でゆったりと話すことで、自分の話に“重要感”を与えられるのさ。
“重要感”・・・!
あれっ、声のトーンといえば、某通販番組のジャパ●ットに出てくる「たか●社長」(もう引退しちゃったけど)の声ってめっちゃ高くないですか?
ああ、そうだな。
あの声ってどうなんですか・・・?
話すスピードも早く感じるんですが・・・。
まあ、あれは“あえて”高い声を出しているんだろうな。
声が高くなると、相手が聴き取りやすい声になる。
そうなれば、テレビの視聴者にも届きやすくなるから、あの声を使っているんだろう。
で、でも、さっき薬局長が「高い声を出し過ぎるとよくない」って・・・。
まあな。
ただ、ジャパ●ットの社長の声が“ただ高いだけ”と思っていたら大間違いだぜ。
あの社長は、ポイントの要所要所で「深みをもった声」も併用し、声に抑揚をつけているんだ。
だから、高い声であっても視聴者はそんなに疲れず、聴き続けることができるってわけさ。
へえええ。
なんだ、その間の抜けた返しは・・・。
まあいい。
次は「リズム(話のテンポ)」について説明するぜ。
【説明する際の基本 その2】
リズム(話のテンポ)を意識する
先ほども言ったが、話のテンポをあえてゆっくりすることで、話に“重要感”を与えることができる。
だから、話のリズム(テンポ)は重要だ。
もし、おめーが相手にたたみかけるように話したのであれば、相手は一方的に意見をぶつけられているように感じ、おめーに嫌悪感を抱くだろう。
そうなれば、「あなたの話を理解したい」という感情が生まれなくなる。
だから、相手に自分の話を理解してほしいときほど、落ち着きをもって、ゆっくりと話すといいのさ。
ただし、あまりにゆっくりしすぎるのはNGだぜ。
相手が眠くなってしまうからな。
また、ずっと同じテンポで話し続けるのもNGだ。
「お経」みたいになってしまい、相手がさらに眠くなってしまうからな。
いいテンポで話すコツは、早めのテンポの中に、あえてゆっくりとしたテンポの話を取り入れることだ。
そうすれば、重要な箇所とそうでない箇所とのメリハリがつき、相手も飽きずに聞いてくれるだろう。
あっ!!
そういえば!!
?
最近、LINEマンガで「ダイの大冒険」っていうマンガを購入したんです!
「ダイの大冒険・・・?」
ああ、昔、少年ジャンプで連載されていたマンガか。
あ、ご存じなんですね!
そのマンガには「ミストバーン」っていう悪役がいるんですが、この悪役、“一度口を開いたら以後数百年は口を開かない”とまで言われるほど寡黙な人物なんです。
で、あるシーンで唐突に話すシーンがあるんですが、みんなミストバーンの話を真剣に聞いてました・・・!
なんじゃそりゃ・・・。
でも、そのミストバーン、物語の中盤からベラベラベラベラ喋るキャラに変わってしまって、喋っている途中でよく主人公たちに攻撃されてました!
そうか-。
主人公たちはミストバーンの話を聞くのが面倒くさくなってきたんですね。
・・・。
なるほど、なるほど。
なーにが、なるほどだ。
自分で勝手に納得しやがって。
・・・じゃあ次へ進むぜ。
次に取り上げるノウハウは「相手にとっての“自分事”となる言葉を選ぶ」というノウハウだ。
【説明する際の基本 その3】
相手にとっての“自分事”となる言葉を選ぶ
話をする相手によっては、さっきのお客さんのように1分1秒を大切にするくらい忙しい人がいる。
そんな人に話を聞いてもらうためには、最初の第一声が大切だ。
その第一声に、「今から話すことはあなたにとって関係がある話なんですよ」という“自分事(じぶんごと)の要素”を入れておくのさ。
“自分事の要素”・・・?
ああ、そうさ。
人は自分にとって関係のある話であれば、多少忙しくても耳を傾けたくなる。
おめー、さっき、俺があのお客さんに対して切り出したセリフを憶えてるか?
さっきのお客さんに言ったセリフ・・・?
あっ・・・!
たった2分、あっしの話を聞いて長生きするのと、あっしの話を聞かずに自らを命の危険にさらし、“会社を危機的状態にする”のとどっちを選ぶかい?
思い出したようだな。
このセリフの中には“会社を危機的状況にする”という言葉が入っている。
このフレーズを入れた途端、相手の顔色が変わっただろ?
つまり、俺の話が相手の自分事になったからさ。
な、なるほど・・・!
もし、さっきのお客さんが社長だったら“会社が危機になる”なんて言われたら焦りますものね。
そうだ。
ちなみに、俺はさっきのお客さんの服装を見て、おそらく会社の役員レベルの人であろうと判断した。
だから、会社に関するフレーズを使ってみたのさ。
相手にとってどんな言葉が“自分事”になるかは、相手を観察しないと分からない。
だから、話す前に相手をよーく観察するよんだな。
ふむふむ。
観察する・・・っと。
ちなみにこの自分事のテクニックはいろいろな場面で使えるぜ。
たとえば、“できる営業”なんかは、この自分事のテクニックをうまく使っている。
何か商品を売りたいときに、いきなり商品を売るのではなく、相手の懐(ふところ)に入るために、まず、相手の自分事になるような会話から始めるのさ。
あっ・・・!
分かった!!
・・・?
何が分かったんだ?
それって、前回の「会話術」で教えていただいた“相手との共通の話題になりやすいネタ”も使えるってことですよね。
お、よく憶えてたな。
そうさ。
“相手との共通の話題になりやすいネタ”ということは、“相手の自分事になりやすいネタ”でもある。
一応引用しておくか。
●会話で困った時に使える共通ネタ一覧
- 天気に関するネタ
「晴れ」「雨」といった情報だけでなく、「気温」や「湿度」も話題に出すといい。また今日の天気だけでなく、明日の天気を話題に出すのも有効だ。- 地域に関するネタ
相手が住んでいる地域や、相手の故郷に関するネタを持ち出せば、話は盛り上がりやすい。もし、もし相手と自分が同じ場所に住んでいるのなら、地元ネタなんかは最高に盛り上がるぜ。- 健康に関するネタ
相手の年齢が高くなればなるほど、ダイエットや健康法に関する話題が盛り上がる。とくに30代以降の相手とやりとりする際には鉄板だな。- 食べものに関するネタ
基本は「美味しいお店」や「美味しい食べ物」の情報交換でいいが、相手の年齢が高くなればなるほど、食べ物には気を遣うようになる。その場合は、珍味といった“量を食べなくて済む食べ物”の話題をもちだせばいいだろう。- 恋愛に関するネタ
もし、自分が恋愛に悩んでいるとき、「どうすれば異性に振り向いてもらえるか?」といった相談をすれば、多くの男女は食いついてくる。みんな恋愛に関するネタが大好物なんだ。- 仕事に関するネタ
仕事の細かな内容というより、「どうすれば自分は成長できるか?」といった仕事全般に関する悩みを相談すると、現役で仕事をがんばっている人たちは食いついてくるぜ。- 芸能人に関するネタ
相手がテレビを観ている層の場合は「ワイドショーネタ」などは鉄板だな。芸能人はクチコミされるのが仕事。彼らが日頃から振りまいているゴシップネタなどをもちだせば、話が途切れることはないだろう。
私、家電店に行ったとき、よく店員さんに「何かお探しではありませんか?」って聞かれるんですけど、あれ、相当イライラしちゃうんです。
でも、ようやくその理由が分かりました!
店員さんの話が、私の自分事になっていないからなんですね。
お、よく気付いたな。
家電店へ行くときはたしかに何かを探しに行っているけど、そんなのは当たり前のことで、要は店員さんの会話に売り込み以外の要素が入ってないから、私、イライラしちゃってたんですね。
「何なのこの人、売り込みしたいだけじゃないの!?」って思っちゃってたんだ。
そうだな。
「何かお探しではありませんか?」っていう質問は、あまりにも単純な質問かもしれんな。
おめーの言うとおり、お店に来ている人が“何かを探しに来ている”のは当たり前だからな。
ふむふむ。
じゃあ、次へ進むぜ。
次のノウハウはとくに大切なノウハウだ。
【説明する際の基本 その4】
結論から話す
今まで3つのテクニックを伝えてきたが、次で4つめだ。
今から言うことはとくに大切なノウハウだから憶えておけ。
それは「最初に結論を言う」ということだ。
えっ!?
最初に結論を言っちゃうと“ネタバレ”になっちゃいませんか?
今から話そうとする内容を聞いてもらえなくなるような・・・。
いや、その考え方は間違ってるぜ。
えっ・・・!?
実際はその逆だ。
最初に結論を言うからこそ、相手に「なぜ、そういう結論になるのかを知りたい!」と思わせることができるのさ。
あっ・・・!!!
むしろ、最初に結論を言わないほうが危険だぜ。
相手にとっては何の話か分からないわけだから、緊張感が続かない。
最初にどういう話をするのかを伝えながら、「なぜ、その結論になるのか?」という筋道を「ロジック(論理)」を組み立てていくと、相手も話についてきやすくなるのさ。
ロジック・・・?
うわああ・・・。なんだか難しい言葉が出てきた・・・。
ははは。
たしかに一般的には「ロジック(論理)」という言葉はなんだか難しそうなイメージがあるだろうなあ。
ただ、元々の言葉の意味は「“Aという説明”と“Bという説明”をスムーズにつなげるための“架け橋”」って意味だ。
どこに橋を架けるのかがわかれば、橋の長さが分かるだろ?
行く先の見えない話は論理的じゃないのさ。
む、むむむ・・・。
分かるような分からないような・・・。
ま、この話はまた今度詳しく話してやろう。
とにかく、“結論から話す!”ということだけは意識しておけ。
は、はい・・・。
じゃあ最後、5つ目のノウハウを伝えておくぜ。
最後のノウハウは「相手の集中力に気を配る」というノウハウだ。
【説明する際の基本 その5】
相手の集中力に気を配る
人間の集中力はどれくらいもつか知っているか?
集中力の長さは諸説あるが、たとえば「15分」ごとに集中力の波がくるという説がある。
小中学校の授業が45分、大学の授業が90分なのは、その集中力の波である「15分」を意識しているかららしい。
ただ、TVのCMは短いバージョンが「15秒」、長いバージョンが「30秒」だったりもする。
そこでだ。
これはオレの勝手な考えだが、“人の集中力は30秒”という理論を提唱したい。
えっ・・・!?
人の集中力は30秒しかもたないんですか!?
ああ、俺の持論だがな。
30秒しかもたない理由って、さっき話してたTVのCMが30秒だからですか?
まあ、それもあるが、最近はいろいろなイベントで30秒単位の「ライトニングトーク」という企画が行われている。
ライトニングトーク?
なんですか、それ?
・・・ライトニングボルト的な?
バーロー!
それは聖闘士星矢の「アイオリア」の技だ・・・って、言わせんじゃねー!!
ライトニングトークっていうのは、短い時間で自分の伝えたいことを話すプレゼンのことだ。
稲妻のように一瞬で終わるトークっていう意味だな。
へええ、そうなんですね。
そのライトニングトークだが、最近「30秒プレゼン」という形で、30秒間のライトニングトークを見かけることが増えてきた。
前にイベントに参加したときに気付いたが、この30秒という縛りだと、どんな相手の話でも飽きずに聞けるんだな。
だから、俺が言いたいことはこういうことだ。
“相手の集中力は30秒ごとに切れるものと考え、30秒ごとに話の山場をもってくるとよい!”と。
さ、30秒ごとに話の山場・・・!?
それって、30秒ごとにオチを入れるってことですか!?
超絶難しそうなんですが・・・。
まあ、そんなことができればすごいがな。
イメージとしては「30秒間の中で抑揚がくるように話せ!」ということだ。
ムリにオチを入れる必要はない。
5分の話をするのであれば、300秒÷30=10回だから、話の中で10回分抑揚の波がくるように話せということさ。
なるほど・・・!
さて・・・と。
じゃあ、メイ、さっき教えたことを守って、次に来た患者さんにわかりやすく服薬指導をしてみろ。
い、今から!?
ポーン
ほら、お客さんが来たぞ。
わ、わわわ・・・!
こ、この薬はですね・・・。
きちんと用法を守らないとお客様の命に関わるお薬なんですよ・・・。
だからですね・・・。
あ、あのバカ!
あいつが渡そうとしている薬、葛根湯(かっこんとう)じゃねーか。
命の危険って大袈裟な・・・。
・・・ふむ。
まあ、葛根湯も高血圧や心臓病患者に使うと胃腸障害を起こすというしな。
今日はよしとするか。
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