02.薬剤師の職場の種別と、
職場ごとのお仕事について
「薬剤師」と一言でいっても、職場の種類により仕事内容は多岐にわたります。
ここでは、代表的な4種類の職場の種類と仕事内容について解説します。
○調剤薬局では、“調剤業務”“服薬指導”“薬歴管理”の3点が主な業務内容となります。詳細は以下の通りです。
・調剤業務
患者の方のために、病院など医療機関の医師が出す処方箋をもとに薬を調剤する業務です。
・服薬指導
患者の方に、薬の服用方法・効能・保管方法を説明したり、日々の健康についてアドバイスし、病気の予防に有効な薬の情報を提供する業務です。また患者の方々からの薬の情報を集め、副作用・薬の効き目・安全性などの情報を医師にフィードバックする業務も行います。
・薬歴管理
患者の方の、副作用などの情報を含む、薬の服用履歴を管理する業務です。
○今後患者の方々の高齢化に伴い、在宅医療への取り組みが広がっていくであろうと、見られています。在宅には、「居宅(個人宅)」と「施設(介護老人保健施設)」があり、どちらもドクターと往診し、処方箋が出されたあとの調剤業務、服薬指導などを担当します。「居宅(個人宅)」の場合は、調剤業務だけではなく、患者の方精神的・肉体的な自立を支援し、患者の方とその家族をサポートもしていきます。
○常勤薬剤師だけではなく、若手の管理薬剤師求人や、研修が充実した薬局の未経験薬剤師の求人、600万円以上の給与がもらえる高年収求人も出ており、在宅求人も増え、転職者にとって新しい事にチャレンジするチャンスが広がっています。
○ドラッグストアでの薬剤師の業務内容は多岐にわたり、主に以下のような3パターンが挙げられます。
・調剤業務のみ
・OTC販売のみ
・調剤業務+OTC販売
○OTC販売の場合は、処方箋がありませんので、お客様の症状やニーズを聞き、適切な商品を推奨し、適正使用のアドバイスなどを行います。お客様の体質を考慮しながら、ご希望以外の薬を薦める事もあり、コミュニケーション能力が重要になります。ドラッグストアでは、他にも多様な生活雑貨なども販売されているので、こうした商品についての管理責任も発生します。店長の役職についた場合は、人員の確保・管理業務、売上やコストの管理、仕入れの発注など致します。店舗の経営を支えるのが重要な仕事になります。
○ここ最近の傾向としては、ドラッグストアでも調剤室を併設した店舗が増えています。調剤併設の店舗では、調剤薬局と同様の仕事ができ、調剤業務とOTC販売を両方経験できる場合もあります。また、在宅にも力を入れるドラッグストアもあり、幅広い経験が可能になります。
○病院での薬剤師の業務では、医師・看護師とともに、入院患者の方の症状や顔をみながら、調剤をする事ができるのが魅力です。その他に、医薬品情報業務(DI業務)・薬品管理業務(必要な薬を必要なときに必要な数だけ提供できるように管理する業務)・製剤業務(医療に必要な、発売されていない薬を造る業務)、治験業務(製薬会社と協力し、新しい薬を造る業務)、その他院内感染の防止など薬が関連する多くの業務に薬剤師が関わっています。
○ここ最近の傾向としては、病院の中の病棟に特化して働く「病棟薬剤師」も増えています。各病棟でドクターのかわりに薬の飲み残しがないかの確認や、適正使用の促進をします。病院薬剤師の中でも特に患者の方との接点が多く、人気がある業種です。
○専門科目を扱っている病院では、がん専門薬剤師・精神科専門薬剤師・HIV感染症専門薬剤師・妊婦授乳婦専門薬剤師・感染制御専門薬剤師など専門的に知見を得る事ができます。また、新しい薬剤などにも早く触れる事ができます。専門領域での最新の知識・技能が薬剤師に求められるようになり、専門的な知識向上が望めます。
○上記調剤薬局・ドラッグストア・病院以外で、製薬会社や、製薬会社から治験・臨床開発を依頼された企業で働く薬剤師の方々も多くいます。中途採用で募集をしている主な職種には以下のようなものがあり、幅広い活躍の場があります。
・管理薬剤師
医薬品を所持する事業所にて、薬事法に則った医薬品の管理を行います。
・学術・DI
社内外からの自社品に関する問い合わせへの対応やFAQの作成、マーケティング・開発の戦略立案時の情報提供等を行います。
・臨床開発モニター(CRA)
治験の実行部隊として、施設選定・契約・モニタリングの一連の業務や、CRF(症例報告書)のチェック・回収、終了手続き等を行います。
・治験コーディネーター(CRC)
患者の症例登録やその後のフォローとCRF作成のサポートを行います。