中学生の時、職場体験をする機会があり、どこに行こうかと親に相談しました。すると、「求人も多いみたいだから調剤薬局にすれば」と冗談交じりに言われのがきっかけで、調剤薬局での仕事を1日見学することに。
その後、高校に進学。大学受験では、得意だった化学や数学の知識が生かせるということ、職場体験で薬剤師の仕事に興味を抱いたことから、薬学部へ進学することを決意しました。
親への負担を最小限に抑えるために、授業料が比較的リーズナブルな大学を選んで受験。最終的には、武蔵野大学へ進学することになりました。
大学5年生の7月、就職活動を始める前に、業界の仕事について幅広く知っておきたいと考え、製薬企業のインターンシップに参加。人と話すのが好きだったので、たくさんの医師と会うチャンスのあるMRの仕事に興味を持ちました。
もう1つMRを選んだ理由は、年齢を重ねた後でもキャリアチェンジができるからです。先輩方を訪問して尋ねたところ、MRから薬局の薬剤師というキャリアチェンジをするケースはたくさんあるようですが、その逆のパターンはあまりないことを知りました。そこで将来の可能性を広げておきたくて、製薬企業へ応募。30社ほど応募して、内定をいただいた数社の中から現在の会社への入社を決めました。
私たちMRの仕事は、自社で扱う新しい薬や疾患などの病気に関わるあらゆる情報を届けること。医師の方たちが興味のありそうな講演会などの案内を行うことも重要な業務の1つです。当社はさまざまな領域の製品を扱っております。例えば、感染症に使用する抗生剤があります。私たちは医師が患者さんの診療を終えて、時間が空いたタイミングを見計らって訪問します。治療の合間の貴重な時間をいただくので、それに見合う情報を届けられるようにと、しっかりと準備してから訪問するよう心掛けています。
ちなみに、私は山形県内の南部にある病院、クリニックなどを対象に情報提供を行っています。毎日、営業車に乗って担当エリアに向かい、エリア内の各医療機関を訪問して、医薬品の情報をはじめ、さまざまな情報をお届けしています。
私たちは診療の合間に訪問して、迅速かつ的確に医薬品関連の情報を届けるのが主な業務です。毎日、医師の元を私のようなMRがたくさん訪問しています。医師のみなさんは、一人ひとりの名前を覚えるだけでもおそらく大変です。それでも医師から「いつも来てくれてありがとう」と感謝の言葉をかけられると、一生懸命訪問している努力が報われた思いがします。
また、医師のみなさんは、病気について深い知識を持っておられます。お話をする中で、私が知らない知識を教えていただける機会がよくあるので本当に勉強になりますね。今後も医療に役立つ情報を届けることで、患者さんが健康に暮らすための一助となることを目指したいと思います。
この仕事に就いて3年経ちますが、正直、私はこの仕事に向いているか、向いていないのかは分かりません。ですが、私はこの仕事が好きです。向いているかどうかで、仕事を続けるかどうかを判断するのは間違っているというのが私の考え方です。私は何事にも積極的に挑戦し自分の成長につなげていけるように努力しています。どんな仕事でも大変なことはあるでしょう。しかし毎日、たくさんの医師と話す機会が多いMRの仕事ですので、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力という点で人として成長できるところが魅力の1つであると考えます。また、この仕事では、医師だけでなく、医薬品の卸先などたくさんの人との接点があるので、人と接するのが好きという人には楽しい仕事ではないかと思います。
私が就職活動を振り返って思うのは、インターンシップに参加して良かったということ。社会とはどんなところなのか?を事前に知ることができたので、ぜひみなさんにも参加していただきたいです。
鈴木さんのある一日
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- 08:30
- 医薬品卸の方と打ち合わせ
- 医薬品の卸業者先に行き、得意先についての情報交換をする。
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- 10:30
- 得意先を回るための準備
- 担当エリア内のカフェなどに入り、ノートパソコンを開いてメールのチェックを行う。
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- 11:30
- クリニックや病院を訪問
- 医師への医薬品の情報提供を行ったり、調べてほしいことについて要望をいただいたりする。
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- 14:00
- ランチ休憩
- 訪問先近くにあるお店で30分~1時間休憩する。医師の予定に合わせて適宜調整する。
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- 15:00
- クリニックや病院を訪問
- 患者さんが減った時間帯に訪問してもいいと言われるクリニックや病院先を回って、医師や薬剤師に情報をお届けする。
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- 19:00
- 帰社
- 会社に戻り、その日の活動の入力や明日の準備等をして終わり次第、お仕事終了。