CRO(医療品開発業務受託機関)

治験のルールに関する知識を生かして、人の成長と医薬品の開発に貢献できる

T・Yさん(30歳・QC歴6年)明治薬科大学 大学院出身/勤務先:CRO(医療品開発業務受託機関)/勤務形態:常勤

T・Yさん

キッカケは?学校選びは?QC(品質管理)になるまで

薬学部以外の人と働きたかったので企業を選んだ

母が薬剤師の仕事をしていたことから、薬について質問すると何でも即答する姿を見て子どものころから憧れるようになりました。進学について両親に相談した時、父が女性でも一生自分の力で食べていけるような資格を取るようにとアドバイス。そこで私も母と同じ薬剤師の資格を取ろうと、薬科大学への進学を決めました。一般的に、薬学部は学費が高いので、少しでも負担を減らせるようにと、実家から通学できるところを希望。さらに薬剤師の合格率の高いところという条件で5~6大学に選択肢を絞り込んで受験。最終的には合格した明治薬科大学の薬学部(4年制)に入学しました。

2004年の制度改正により、現在では薬剤師の資格を取るためには6年間の教育を受けることが必要になりましたが、私が入学した当時はまだ4年で国家資格の受験資格を得ることができました。
ですから4年後には薬剤師の資格を取得できたので、卒業してすぐに就職するという道もありました。でも、「学んでいる分野で自分が納得できる一定の成果を出したい」という理由から大学院へと進学。

その後、大学院で納得のいくところまで研究ができたので、大学院1年生から就職活動を開始しました。就職活動では、医療機関ではなく企業に就職しようと考えました。大学時代、薬学部でできた友人は考え方や価値観が似た人ばかり。もっと違う考え方を持った人と出会い、刺激を受けたいという理由からでした。また、外勤よりもデスクワークがしたいと思い、求人を探していたところ、医薬品を開発する時に申請する書類をチェックするQC(品質管理)の仕事があると知り、今の仕事を選びました。

仕事内容は?やりがいは?QC(品質管理)になってから

治験に関わる膨大な量の申請書類をチェックして品質を担保

私は現在、いろいろな製薬会社から依頼を受けて、申請書類の品質管理を通して、治験手続きに関する品質管理を行っています。治験をはじめるにあたり、モニター担当者がデータを集める際に守らなければならないGCP(Good Clinical Practice/医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令。以下GCP)と呼ばれる法律があり、報告書などの申請書類が必要になります。その法律に則っていないと、治験のために集めたデータが使えなくなってしまいます。ちなみに申請書類は段ボールで何百箱もの膨大な量になることが多いです。

そこで、私たちQCが書類の中身を確認してGCPに照らし合わせて問題がないかどうかをチェック。問題があれば、モニター担当者に改善の指導を行います。そのなかで膨大にある資料を整理整とんして、美しくファイリングをするのも大切な業務の1つです。
チームリーダーのもと、プロジェクトの規模にもよりますが、3~4つの案件を掛け持ちすることがほとんどです。ただ現在、私が携わっているのは大規模なので、今は特別に1つの案件に専任の担当者を任されています。

治験ルールの知識を生かして、モニター担当者を育成するのがやりがい

私たちQCは、モニター担当者と二人三脚で仕事を進めていきます。モニター担当者が用意した書類をQCがチェックして、問題点を解説。書類内容を改善していただきます。その時、私はただ間違っているところを指摘するだけではなく、理由をしっかりと説明するようにしています。そして自分が丁寧に説明することで、モニター担当者の方が理解を深めて、不備が少なくなっていく。自分の指導によって、モニター担当者が成長するのをサポートできたと実感できた時、この仕事をやってきた甲斐があるなと思います。
これからも、自分が持てる知識を生かしてモニター担当者の育成に励んでいきたいです。

心掛けることは?アドバイスは?QC(品質管理)になるには

治験ルールの専門家として創薬に貢献する責任感が必要

QCは一日中、会社の中にいてGCPの中身を把握してひたすらチェックしていきます。一方、モニター担当者は病院に行ってデータを受け取ったりと、いろいろな業務をこなさなければなりません。私たちQCは、GCPに精通したプロフェッショナルとして、モニター担当者をサポートするのが重要な役目と考えています。治験ルールの専門家として、書類での不備を見落とすことなくチェックして、みなさんの健康を守る薬の開発に役立てればと思います。
この仕事で何よりも大切なのは、相手が理解するまで丁寧に説明ができる根気強さ。人によって持っている知識も違えば経験も違います。そういう相手に対して「どう説明すれば理解してもらえるか?」を考えて、いろいろなアプローチで説明する力が求められると思いますので、人に教えることが好きな人に向いていると思います。

Tさんのある一日

  • 09:00
    出勤
    メールのチェックや1日やるべきことを確認する。
  • 10:00
    申請書類の整理整とん
    モニター担当者が提出した書類をGCPに照らし合わせて問題を精査。
  • 12:00
    ランチ休憩
    お弁当を持参したり、同僚と外食のために出かけたりすることも。
  • 13:00
    書類申請の内容をGCPに照らし合わせながら、確認。
    問題点があれば、理由をモニター担当者に説明して、改善をしてもらうように指導する。
  • 16:00
    申請書類の整理整とん
    チェックを終えた申請書類をキレイにファイリングする。
  • 18:15
    お仕事終了
    翌日の仕事内容をチェックして帰宅する。

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