リクナビ薬剤師 リサーチセンター

12 みんなどうしてる?薬剤師と奨学金の関係を徹底調査!

2018.03.27

学生の2人に1人が奨学金を借りている現在。非正規雇用や給料の伸び悩みによって卒業後の返済に苦しむ20〜30代がじわじわと増え、社会問題となっています。薬剤師もまた例外ではなく、多額かつ長期間の奨学金返済に不安を抱える人は少なくありません。

そこで今回はリクナビ薬剤師会員の皆さんにご協力いただき、普段は人に聞きづらい奨学金について徹底調査しました。いくら借りて、月々いくら返済しているのか?どんな悩みや不安があるのか?さっそく気になる実態を見てみましょう。
(2018年2月2日~2月8日実施・有効回答数n=911)

約半数が奨学金の利用経験あり 平均の貸与額は477万円と高め

今回のアンケートによると、奨学金を利用した人は全体の約半数(46.0%)でした。2人に1人が奨学金を利用しています。

奨学金は利用しましたか?

貸与された奨学金の平均額は、社会一般の平均が313万円*であるのに対し、薬剤師の平均は438万円と120万円以上高くなっています。これは6年制への移行に伴い高額化した授業料に比例しているといえるでしょう。とくに私立大学は472万円と、国公立の280万円を大きく上回っています。学費が高いほど借りた奨学金も高額になり、返済の負担も大きくなるというわけです。
*中央労福協「奨学金に関するアンケート報告書」2015年 より

奨学金の平均貸与額は?

月の平均返済額は2万5000円 20年近い返済期間に不安の声も

奨学金利用者のうち、半数もの人が支払いの負担が重いと感じています。月々の平均返済額は2万5000円。月々の返済額が手取り額の13%を超えると、負担に感じる傾向があります。

支払いの負担は思いと感じますか?

月収手取りに対する支払割合平均

とくに20代の人たちの将来に対する不安は切実です。「利子が高くて返している気がしない」「返済期間が長く返し続けられるか不安」「結婚や家の購入に踏み込めない」「毎月の返済と生活費で全く貯蓄ができない」といった声の他に、女性では「出産・育児で収入が減ったときに返済を続けていけるのか不安だ」というコメントが多く見受けられました。

  • いつまで返済するのだろうかという不安。 利息も高すぎる。(20歳代女性・月の返済額6万円・調剤薬局勤務)
  • 20年間も返済をし続けなければいけないことがとても不安です。(20歳代女性・月の返済額5万円・病院勤務)
  • 返済が多すぎて、家の購入など結婚にも踏み込めない。(20歳代男性・月の返済額5万円・ドラッグストア勤務)
  • 奨学金を返すために働いている感覚に陥ることがある。貯金が貯まらず将来が不安になる。(20歳代男性・月の返済額4万4千円・調剤薬局勤務)
  • 産休に入ったときに、支払いできるのかどうか。 今後子供も欲しいのに、支払っていけるかどうか不安。(20歳代女性・月の返済額1万6千円・調剤薬局勤務)
  • 今は手取りが少ないので不安。妊娠して仕事が出来ない時期も出てくると考えると不安。(20歳代女性・月の返済額1万5千円・病院勤務)
  • 今後、結婚や出産などに直面するとき奨学金という三文字がなかなか離れないと思う。(20歳代女性・月の返済額4万円・病院勤務)

奨学金利用者の3人に1人が 返済を念頭に就職先を選んでいる

将来にわたる返済への不安は就職先選びにもあらわれています。奨学金を利用した人の中で、最初の就職先を選ぶ際に「年収の高さ」を重視した人のうち、3人に1人が奨学金の返済を考慮して就職先を決めたと答えています。とくに、一般的に給料が高いとされているドラッグストアへの就職比率が高く、奨学金を利用していない人に比べて3.8ポイント高い結果となっています。

奨学金の返済のことを考えて、年収の高い勤務先を選びましたか?

返済をサポートしてくれる企業もある 給付型・無利子の奨学金の拡充に期待

就職先によっては、一定の条件を満たすと奨学金の返済を肩代わりしてくれたり、利息なしで貸与してくれたりする、奨学金の返済サポート制度を設けているところがあります。たとえば、特別な試験の合格や毎年の研究レポート提出などが条件とされています。本来ならば20年近くかかる奨学金の返済を、卒業後の数年間で終えることができれば、利用者にもメリットが大きいことは間違いありません。

しかしその認知度はまだまだ低く、今回の調査では、返済サポート制度を利用したことがある人は全体のわずか1%でした。一方、国も給付型奨学金や無利息型奨学金の拡充に取り組み始めましたが、給付型については今のところ主な対象は非課税世帯に限られています。制度の拡充とともに、認知度のアップや制度利用へのハードルを下げる工夫が必要といえるでしょう。

奨学金返済サポート制度がある企業を知っていますか?

薬学部入学や薬剤師を志す人たちが、金銭面での不安を理由に夢をあきらめることのないよう、さらに日々の仕事に充足感を持って取り組めるよう、これらの施策がますます拡充されることが期待されます。

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