ジカディアカプセル [セリチニブ]【抗悪性腫瘍薬(チロシンキナーゼ阻害
未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)では、ALK融合タンパクによるチロシンキナーゼ活性が異常に亢進しているため、腫瘍が増殖する。セリチニブは、ALK融合蛋白のチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、腫瘍の増殖を抑制する。既存のALK阻害薬であるクリゾチニブに対して耐性となった症例や、副作用などでクリゾチニブが使用できないNSCLCに用いる。
医薬品情報
セリチニブ Ceritinib ●ジカディア(ノバルティス) カプセル:150mg [警告] 1.専門医療施設で専門医が対応. 患者・家族に十分な説明と同意. 2.間質性肺疾患に注意.発現時は中止. [特] ALK融合タンパクのチロシンキ ナーゼ活性を阻害→腫瘍増殖を抑制. [効]a.クリゾチニブに抵抗性又は不耐 容のALK融合遺伝子陽性の切除不能 な進行・再発の非小細胞肺癌. b.術後補助化学療法は未承認. [用] a.750mgを1日1回空腹時に内服. 適宜減量. b.食後で血中濃度50%上昇. 食事の前後2時間は避ける. c.副作用による休薬,減量,中止基準は 添付文書参照. 1日300mgで継続困難は中止. [体内動態]a.ピークは6時間, 半減期は 33時間. b.主にCYP3Aで代謝. c.便へ68%排泄, 尿中排泄わずか. [慎] 1.間質性肺疾患,既往歴→増悪. 2.中等度・重度の肝機能障害. 3.QT延長,既往歴→QT間隔延長 [患] 1.妊婦(ラットで骨格異常), 2.避妊させる, 3.授乳中は禁,投与時は授乳中止. [併]B.慎:a.QT間隔延長薬(アミオダ ロン,クラリスロマイシン,ドロペリ ドール等)でQT間隔延長. b.徐脈薬(β遮断薬,非ジヒドロピリジ ン系Ca拮抗薬,クロニジン等)で徐脈. c.CYP3A阻害剤(イトラコナゾール,リト ナビル,サキナビル等)で血中濃度上昇. d.CYP3A誘導剤(リファンピシン,カル バマゼピン,SJW)で血中濃度低下. [副 96%]A.重大:a.●間質性肺疾患1.4%, b.●肝機能障害3.6%,c.●QT間隔延長 5%,●徐脈0.7%,d.●重度の下痢6%, e.●高血糖0.7%,●糖尿病0.7%,f.膵炎 D.●感染症(肺炎,口腔カンジダ症,肺 感染,鼻咽頭炎等),●貧血5%,●食欲減 退35%,低リン酸血症,視覚障害(視力 障害,霧視,光視症,硝子体浮遊物,調節 障害,老視等),心膜炎,●悪心77%,●下 痢77%,●嘔吐58%,腹痛,食道障害(胃 食道逆流性疾患,嚥下障害),消化不良, ● 便秘8%.肝機能検査値異常,● ALT↑37%,●AST↑28%,血中ビリル ビン↑等,●発疹9%,血中クレアチニ ン↑,腎機能障害,腎不全,●疲労20%, リパーゼ↑,アミラーゼ↑.