【悪性黒色腫治療薬】ヤーボイ点滴静注液 50mg[イピリムマブ(遺伝子組換え)]
悪性黒色腫(メラノーマともいう)は悪性な皮膚がんの一つです。ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)は、免疫細胞であるT細胞に存在している蛋白質(ヒト細胞傷害性 T リンパ球抗原-4)に対する抗体であり、T細胞を活性化することでがん細胞に対する免疫反応を亢進させ、がん細胞の増殖を抑制します。
医薬品情報
a.ヒト抗体 イピリムマブ Ipilimumab ●ヤーボイ(ブリストルM,小野) 点滴静注液:50mg(10mL). [警告] a.経験十分な専門医に限る. b.患者・家族に十分説明し承諾を得る. c.投与終了後数ヶ月以内に重篤な下痢, 大腸炎,消化管穿孔→死亡例. 対策:副腎皮質ホルモン等. [特] a.細胞傷害性Tリンパ球抗原-4 (CTLA-4)へのモノクローナル抗体. b.CTLA-4との結合を阻害 →腫瘍増殖抑制. 制御性T細胞(Treg)の機能低下 →腫瘍免疫反応亢進→抗腫瘍効果. [効] a.切除不能な悪性黒色腫 b.術後の補助投与へは未承認. c.未治療へは慎重に. [用] 生食,5%糖液で1~4mg/mLに希釈. a.1日1回3mg/kgを90分かけて点静 3週間隔で4回 ・独立ラインで点静(禁:急速静注). ・他の抗癌薬と併用禁. ・副作用発現後の投与延期,中止基準は 添付文書参照. [禁] 1.妊婦. 2.授乳禁止. [慎] 1.重度肝機能障害. 2.自己免疫疾患,同既往歴→増悪. [注] 投与後数ヶ月は, 次の重篤な副作用に注意→死亡例: 下痢,大腸炎,下垂体機能低下. [体内動態] 半減期は17日. [副 60%] A.重大: a.死亡例:●大腸炎7%,消化管穿孔, b.重度の下痢,c.肝不全,肝機能障害, d.中毒性表皮壊死融解症, e.下垂体炎,下垂体機能低下症,甲状腺 機能低下症,副腎機能不全, f.ギラン・バレー症候群等 g.腎障害(腎不全),h.間質性肺疾患 (急性呼吸窮迫症候群,肺臓炎) i.点滴時反応. D. ●そう痒10%,●発疹35%,そう痒性皮疹,全身性皮疹,斑状丘疹状皮疹,紅斑,全身性そう痒,尋常性白斑,脱毛,寝汗,皮膚炎,湿疹,蕁麻疹,皮膚剥脱,皮膚乾燥,白血球破砕性血管炎,毛髪変色,●悪心23%,●嘔吐12%,●腹痛6%,腹部不快感,下腹部痛,便秘,放屁,胃腸出血,胃食道逆流,食道炎,腹膜炎,胃腸炎,憩室炎,膵炎,腸炎,胃潰瘍,大腸潰瘍,イレウス,リパーゼ↑,血中アミラーゼ↑,甲状腺機能亢進,性腺機能低下,血中甲状腺刺激ホルモン↑,血中コルチゾール減,血中コルチコトロピン↓,血中テストステロン↓,血中プロラクチン異常,ALP↑,血中ビリルビン↑,肝炎,肝腫大,黄疸,γ-GTP↑,糸球体腎炎,腎尿細管性アシドーシス,血中クレアチニン↑,咳,呼吸困難,呼吸不全,肺浸潤,肺水腫,アレルギー性鼻炎,関節痛,筋肉痛,背部痛,頚部痛,関節炎,筋骨格痛,筋痙縮,リウマチ性多発筋痛,●疲労24%,●発熱7%,悪寒,無力症,倦怠感,浮腫,体重減,インフルエンザ様疾患,局所腫脹,注射部位疼痛,注射部位反応,粘膜の炎症,疼痛,多臓器不全,全身性炎症反応症候群,●食欲減退11%,脱水,腫瘍崩壊症候群,低K血症,低Na血症,低リン酸血症,アルカローシス,霧視,ブドウ膜炎,眼痛,硝子体出血,視力低下,虹彩炎,結膜炎,眼の異物感,頭痛,味覚異常,末梢性ニューロパチー,末梢性感覚ニューロパチー,浮動性めまい,嗜眠,失神,構語障害,脳浮腫,脳神経障害,運動失調,振戦,ミオクローヌス,重症筋無力症様症状,髄膜炎,錯乱,精神状態変化,うつ病,リビドー減退,潮紅,低血圧,ほてり,血管炎,血管障害,末梢性虚血,起立性低血圧,不整脈,心房細動,貧血,溶血性貧血,リンパ球減,好中球減,血小板減,好酸球増,感染,尿路感染,気道感染,無月経