【肺線維症治療薬(チロシンキナーゼ阻害薬)】オフェブカプセル 100mg・150mg[ニンテダニブエタンスルホン酸塩]
特発性肺線維症とは、肺胞隔壁で線維芽細胞が異常増殖して線維化が起こり、呼吸困難などを生じ、進行すると呼吸機能が低下して最終的に死に至る病気です。オフェブ(一般名:ニンテダニブエタンスルホン酸塩)は、線維芽細胞の増殖に関わっている様々な受容体チロシンキナーゼを阻害し、線維化を抑制することで特発性肺線維症の進行を抑制します。
医薬品情報
ニンテダニブ エタンスルホン酸塩 Nintedanib Ethanesulfonate ●オフェブ(ベーリンガーI) 軟カプセル:100mg,150mg. [特] 血小板由来増殖因子PDGF,線維芽細胞増殖因子FGF,VEGFRでのチロシンキナーゼを阻害. 線維芽細胞の増殖を抑制. [効] 特発性肺線維症. [用] a.150mgを1日2回,朝夕食後に噛まずに内服. (状態により1回100mg,1日2回へ減量). 最大:1日300mg. b.吸湿性のため:服用直前にPTPから出す. 調剤は包装のままで,交付する. c.下痢,悪心,嘔吐,AST・ALT上限値の3倍以上→減量~中止. 再開は 1回100mg,1日2回から. 状態に応じ150mg,1日2回へ増量. 再投与~増量は慎重に. [体内動態] a.体内で加水分解. 分解後,グルクロン酸抱合代謝. b.150mg食後時:4時間後ピークで35ng/mL (空腹時:ピーク2時間,11ng/mL)c.7日投与で定常状態. d.体内利用率4.6%. e.尿中排泄は0.6%. [禁] 1.妊婦 2.授乳禁止. 3.女性は投与後3カ月以上避妊. 4.肝機能障害→肝機能悪化 中等度以上は禁忌,軽症は慎重に. [慎] 1.血栓塞栓症の素因,既往歴. 2.出血性素因,抗凝固薬投与中→出血. [注] 1.肝機能を定期的に検査. 2.創傷治癒を遅延→手術時は中断. 再開は状態に応じて判断. 3.顎骨壊死に注意. [併] 本剤はP-糖蛋白の基質. B.慎:a.P-糖蛋白阻害剤 (エリスマイシン,シクロスポリン等)で本剤の濃度上昇 b.P-糖蛋白誘導剤(リファンピシン,カルバマゼピン, フェニトイン,セイヨウオトギリソウで本剤の濃度低下. [副 71%]A.重大: A.中止,再投与禁止:重度の下痢, B.中止:a.血栓塞栓症b.肝機能障害,c.消化管穿孔, d.間質性肺炎. D.出血,●食欲減退14%,●体重減5%,高血圧, ●下痢67%,●悪心 11%,●腹痛6%,嘔吐,便秘, ●(AST,ALT,ALP,γ-GTP)↑27%,高ビリルビン血症, 発疹,頭痛.