サイラムザ点滴静注液 100mg・500mg[ラムシルマブ(遺伝子組換え)]
腫瘍(癌)では、増殖するための栄養を得るために血管が新たに作られます(腫瘍血管新生)。サイラムザ(一般名:ラムシルマブ)は、血管内皮増殖因子受容体 2(VEGFR-2)を阻害することで血管新生を阻害し、腫瘍の増殖を抑制します。治療切除ができない進行・再発の胃癌に用います。
医薬品情報
ラムシルマブ Ramucirumab ●サイラムザ(イーライリリー) 点滴静注液:100mg(10mL), 500mg(50mL),pH:5.7~6.3. 投与速度は25mg/分を超えない. [警告]a.緊急時に十分に対応できる 医療施設で経験十分な専門医に限る. b.患者・家族に十分説明し承認を得る. c.投与時,次に注意.死亡例,再投与禁: 心筋梗塞,脳血管障害等の 重篤な動脈血栓塞栓症, 重度消化管出血,消化管穿孔 [特]a.VEGFR-2抗体 →強力な血管新生阻害,抗腫瘍. b.胃癌:全生存期間 パクリタキセルと併用9.6カ月 単独投与 5.2カ月 パクリタキセル 7.4カ月 プラセボ 3.8カ月 [効]a.切除不能な進行・再発の胃癌 b.術後補助療法,一次療法は未承認. [用]a.8mg/kgを60分で点静. 適宜減量.2週間に1回 b.パクリタキセル以外と併用しない. c.点滴時反応軽減のため抗ヒ剤 (ジフェンヒドラミン等)を前投与 ・グレード1,2発生時: 投与速度を50%減速,以降も減速. 次回から必ず抗ヒ剤を前投与し, 以後もグレード1,2の時は,抗ヒ剤に 加えアセトアミノフェン等及び デキサメタゾン等を前投与. ・グレード3,4の場合→直ちに中止 →再投与禁. d.高血圧又は蛋白尿:定期的に検査. 中止,休薬,減量→添付文書. 降圧薬投与. 高血圧症の悪化に注意. [体内動態] 半減期は183時間. [禁]妊婦.妊娠可能婦人. [慎]1.血栓塞栓症又はその既往 →心筋梗塞,脳血管障害,肺塞栓症等. 2.消化管等腹腔内の炎症を合併時 →消化管穿孔. 3.出血素因や凝固系異常又は 抗凝固薬使用時→出血. 4.消化管出血等の出血→出血増強. 5.大きな手術創治癒前 →創傷治癒障害による合併症. 6.重度肝障害→悪化. [注]手術前に投与を中断する. ・手術,創傷の治癒を確認後に投与. [患]授乳中止. [副:%はパクリタキセル b.動脈血栓塞栓1.8%,静脈血栓塞栓4%, c.消化管穿孔1.2%,d.出血41%, f.好中球減(54%),白血球減33%, g.うっ血性心不全2%, h.創傷治癒障害, i.瘻孔0.4% j.白質脳症症候群. D. (パクリタキセルと併用時) ●血小板減13%,●下痢32%,●腹痛30%, ●口内炎19%,●AST↑8%,●ALT↑6% ●高血圧23%,QT延長,●呼吸困難12%, ●低アルブミン血症9%,●低Na血症5%, ●蛋白尿16%,血中クレアチニン↑,敗血症, ●発疹10%,●皮膚乾燥7%潮紅,ざ瘡様皮膚炎, ●疲労39%,●無力症21%,●末梢性浮腫25%, ●頭痛9%,●発熱18%,眼瞼浮腫,顔面浮腫.