新薬情報

タケキャブ錠 10mg・20mg[ボノプラザンフマル酸塩]

胃酸はプロトンポンプという蛋白質によって胃内に分泌されます。タケキャブ(一般名:ボノプラザンフマル酸塩)は、プロトンポンプを阻害することによって胃酸の分泌を抑制します。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助などに用います。

医薬品情報

ボノプラザンフマル酸 Vonoprazan Fumarate ●タケキャブ(武田,大塚)  錠:10mg(8.2mm,4.7mm,3.4mm),    20mg(11.2mm,6.2mm,3.9mm) [特]Kイオン競合型酸分泌抑制薬 ・酸による活性化を必要とせず     Kイオンと可逆的に競合し   プロトンポンプを阻害する. ・塩基性が強い:胃壁の酸生成部位   に長時間貯留し,胃酸生成を抑制 本剤 タケプロン 逆流性食道炎治癒率 99% 96%   〃   再発率 5% 17% 低用量アスピリン* 0.5% 2.8% NSAIDs* 3.3% 5.5% ピロリ一次除菌率 93% 76%   *胃潰瘍,十二指腸潰瘍の再発率.   治癒率,再発率は内視鏡検査. [効,用]A.胃潰瘍,十二指腸潰瘍:   1日1回20mg.    最長:胃潰瘍  8週間,      十二指腸潰瘍6週間まで. B.逆流性食道炎:1日1回20mg.    最長:4週間まで.      効果不十分は 8週間まで. 再発・再燃を繰返す場合:→   維持療法1日1回10mg.    効果不十分は1日1回20mg. 寛解状態が長く再発のおそれがない  →1回20mgは1回10mgへ減量・休薬. C.低用量アスピリン又はNSAIDs投与時の  胃潰瘍,十二指腸潰瘍の再発抑制:   既往を確認し,1日1回10mg. D.ヘリコバクター・ピロリ除菌の補助:  1回,本剤20mg.アモキシシリン750mg,    クラリスロマイシン200mgを      同時に1日2回7日間内服.  クラリスロマイシンは適宜増量     (上限:1回400m1日2回). ・ 一次除菌不成功の場合:  1回本剤20mg,アモキシシリン750mg,    メトロニダゾール250mgを      1日2回7日間内服. ・特発性血小板減少性紫斑病には      ガイドライン等を参照. ・進行期胃MALTリンパ腫に対する  除菌治療の有効性は未確立. ・早期胃癌に対する内視鏡的治療後  胃以外には除菌治療による胃癌の  発症抑制への有効性は未確立. [体内動態]ピーク空腹1.5時間,食後3時間,       半減期7.7時間 [慎]1.肝障害→AUC1.2~2.6倍.   2.腎障害→AUC1.3~2.4倍.   3.高齢. [患]1.妊婦(ラット:心室中隔欠損).  2.授乳しない. [併]主としてCYP3A4で,   一部はCYP2B6,2C19,2D6で代謝. A.禁:アタザナビル,リルピビリン:  溶解性減→血中濃度減→作用減弱 B.慎:a.CYP3A4阻害剤(クラリスロ マイシン等)で本剤の血中濃度上昇. b.本剤の胃酸分泌抑制でジゴキシン,  メチルジゴキシンの加水分解抑制    →血中濃度上昇→作用増強. c.本剤の胃酸分泌抑制作用でイトラ  コナゾール,チロシンキナーゼ阻害薬,  ゲフィチニブ,ニロチニブ,  エルロチニブ,ネルフィナビルの    血中濃度低下→作用減弱. [副 8~20%]A.重大:アモキシシリン, クラリスロマイシン併用時:偽膜性 大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎. B.中止:発疹,  AST,ALT.AL-P,LDH,γ-GTPの上昇. D. ・胃潰瘍.十二指腸潰瘍.逆流性食道炎. 低用量アスピリン・NSAIDs投与時の胃 潰瘍,十二指腸潰瘍の再発抑制の場合:   便秘.下痢.腹部膨満感.悪心,浮腫.   好酸球増多. ・除菌補助の場合:●下痢10%,味覚  異常.口内炎.腹部不快感.腹部膨満感.

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