レスピア静注・経口液 60mg[カフェインクエン酸塩]
早産児や低出生体重児などの未熟児では、無呼吸発作(呼吸が 20 秒以上止まるなど)を起こすことがあり、自然回復しなければ心停止に陥る可能性があります。カフェインは延髄の呼吸中枢を興奮させることなどにより呼吸を促進させることから、レスピア(一般名:カフェインクエン酸塩)は未熟児無呼吸発作に用います。
医薬品情報
カフェインクエン酸塩 Anhydrous Caffeine ●レスピア(ノーベルファーマ) 静注・経口液:3mLカフェイン30mg (クエン酸塩60mg) [特]a.早産児無呼吸発作:在胎37週未満 の早産児で多い→心停止, 低換気状態で低酸素症,徐脈→ 生命や長期的な発達に重大な影響. b.外国では本剤が第一選択薬. c.内服で速やかにかつ完全に吸収→ 静注から内服へ移行 (用量調節不要). [効]早産・低出生体重児における 原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作). a.二次性無呼吸は除く:事前に診断. b.在胎28週未満は未承認. [用]禁:筋注,皮下,皮内,髄腔内,腹腔内等. a.初回: 1mL/kgを30分かけ静注. 維持: 24時間以降,1日1回0.25mL/kg を10分かけ静注又は内服. 症状に応じ0.5mL/kgまで. b.カフェインの消失は体重,生後日齢 で影響→症状に応じ用量調節. [体内動態]a.原発性無呼吸早産児1.5kg (31週), へ静注時半減期 133時間 (生後29週以降は2.5〜4.5時間). 経口投与時,ピーク30分~2時間. b.早産児は肝代謝酵素は未発達で 腎排泄が主. c.代謝は生後急速に発達し7~9ヵ月 で成人とほぼ同様.主にCYP1A2, 他はCYP2E1,CYP3A4で代謝. [禁]1.キサンチン類 (テオフィリン, アミノフィリン,カフェイン)に過敏 2.壊死性腸炎又はその疑い. [慎]1.心血管系疾患→心拍数, 心拍出量増加→悪化. 2.肝機能又は腎機能障害. 3.カフェインを日常的又は大量摂取, 又はキサンチン類投与の母親から 生まれた患児→これらの胎児移行. 4.キサンチン類投与授乳婦からの患児 →乳汁移行. 5.痙攣,てんかん様症状等を合併. [注]1.メチルキサンチン系から 本剤への切り替えでメチルキサンチ ン系の血中濃度上昇. 2.血中濃度>50mg/Lで重篤な副作用(海外). 3.胎児又は新生児期のカフェイン投 与で行動異常(成熟期まで持続)(動物) [併]生後,肝薬物代謝酵素系が急速に 発達するため相互作用に注意. B.慎:a.他のメチルキサンチン系で 血中濃度増加. b.β刺激剤で低K血症,心・血管症状 (頻脈,不整脈等)等の増強. c.抗真菌剤(フルコナゾール,テルビナ フィン),H2-受容体拮抗剤(シメチジ ン),キノロン系抗菌剤(ノルフロキサ シン,シプロフロキサシン,オフロキ サシン等)で本剤の血中濃度増加. d.エリスロマイシン,クラリスロマイ シン,ロキシスロマイシン,デフェラ シロクスで本剤の血中濃度増加. e.アシクロビル,バラシクロビルで 本剤の血中濃度増加. e.ザフィルルカストで本剤の血中濃 度増加.ザフィルルカストの 血中濃度を低下. f.グレープフルーツ,ナリンゲニンで 本剤の血中濃度増加. g.リファンピシン,フェノバルビタール, フェニトイン,カルバマゼピン, プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾー ル,ランソプラゾール)で本剤の 血中濃度低下,効果減弱. h.解熱鎮痛消炎薬(ケトプロフェン,ケトプ ロフェン)の血中濃度増加,尿量減少 i.アセトアミノフェンの鎮痛作用等が増強 j.本剤の胃酸分泌亢進でアスピリンの 吸収増加→アスピリンの鎮痛作用等 を増強. k.ベンゾジアゼピン系(ジアゼパム, ロラゼパム)の血中濃度減少. l.本剤による胃酸分泌亢進 →鉄剤の吸収減少. [副 8%]A.重大:壊死性腸炎2.3%. D. 発疹,蕁麻疹,紅斑,薬疹,神経過敏 (興奮,不機嫌,いらいら感),振戦,筋攣 縮,落ち着きのなさ,肺水腫頻呼吸,高 血圧,頻脈心拍数増加,心拍出量増加, 胃出血,胃食道逆流,胃残渣の増加,嘔 吐,下痢,便秘,尿量増加,CK(CPK)の上 昇,低血糖,高血糖,貧血ヘモグロビン 減少,注射部位反応,注射部位炎症,低 Na血症,尿中Na増加,尿中Ca増加. [配合禁忌]フロセミド注,ピペラシリ ンNa注,バンコマイシン塩酸塩注.