ゼルボラフ錠 240mg[ベムラフェニブ]
ゼルボラフ(一般名:ベムラフェニブ)は悪性な皮膚がんの一つである悪性黒色腫(メラノーマともいう)の治療薬で、BRAF という遺伝子に変異がある場合に使われます。変異がある BRAF 遺伝子からは異常な BRAF キナーゼという蛋白質が作られ、細胞の異常な増殖を引き起こすと考えられています。ベムラフェニブは異常な BRAF キナーゼを阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。
医薬品情報
ベムラフェニブ Vemurafenib
●ゼルボラフ(中外)
錠:240mg, 19. 1mm×9. 7mm×7. 4mm
[警告]専門医療施設で専門医が対応.
患者・家族に十分な説明と同意.
[特]a.BRAF遺伝子のV600番目に変異
→BRAFキナーゼが活性化:
→活性化を阻害→腫瘍増殖抑制.
b.悪性黒色腫で奏効率52%.
[効]BRAF遺伝子変異の
根治切除不能な悪性黒色腫.
a.検査で,変異を確認すること,
b.未承認:術後補助化学療法.
c.他の抗癌薬と併用しない.
[用]1回960mgを1日2回内服.
食事前1 時間〜食後2時間は
服用しない:血中濃度上昇のため.
b.副作用,QT間隔延長の場合の
減量・休薬法は能書参照.
[動態]a.ピーク3.8時間,半減期12.7時間
b.高脂肪・高カロリー食後は
Cmax4. 7倍,ピーク4 時間→8 時間へ.
c.CYP3A4で代謝.
P-糖蛋白,BCRPの基質.
[禁]1.QT間隔延長>500ms又は
補正できない電解質異常に禁忌.
投与中は
心電図・電解質を定期的に検査
QT間隔延長に注意.既往に慎重に.
2.重度の肝機能障害.
定期的に肝機能検査:肝不全,肝障害,
黄疸,ALT,AST,ビリルビン↑に注意
[注]1.光過敏症:外出時は防御→45頁.
2.ブドウ膜炎等:定期的に眼の検査.
[患]1.投与終了後一定期間は避妊.
2.授乳を中止.
[併]CYP3A4を誘導し,CYP1A2,2C9,
2C8,P-gp,BCRP,BSEPを阻害.
B.慎:a.血中濃度低下:
CYP3A4の基質(ミダゾラム,アトル
バスタチン,シンバスタチン)
b.血中濃度上昇:CYP1A2の基質
(カフェイン,テオ フィリン).
CYP2C9の基質(ワルファリン等).
d.QT間隔延長:イミプラミン,ピモジド,
抗不整脈薬(キニジン,プロカインア
ミド,ジソピ ラミド,ソタロール等).
[副 100%]A.重大:a.二次発癌:扁平
上皮癌(皮膚以外),原発性悪性黒色腫,
b.有棘細胞癌:●皮膚有棘細胞癌18%,
●ケラトアカントーマ10%,
ボーエン病0. 6%,
c.アナフィラキシー,過敏症,
d.皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死
融解症,多形紅斑,紅皮症
(剥脱性皮膚炎等),
e.薬剤性過敏症症候群,
f.QT間隔延長2. 0%,
g.肝不全,肝機能障害,黄疸.
D. ●発疹(湿疹,丘疹等)54%,●光線過
敏症46%,●脱毛症46%,●過角化25%,
●そう痒症21%,●皮膚乾燥19%,
●紅斑13%,●日光性角化症10%,脂漏性角化症,
●手足症候群8%,●毛孔性角化症8%,
●皮膚病変7%,毛包炎,ざ瘡様皮膚炎,
皮膚剥脱,ざ瘡,メラノサイト性母斑,
稗粒腫,皮膚嚢腫,全身性皮疹,結節性紅斑,
掌蹠角皮症,色素沈着障害,皮膚炎,
皮膚肥厚,毛質異常,蕁麻疹,日光皮膚炎,
毛髪成長異常,アレルギー性皮膚炎,寝汗,
多汗症,皮膚腫瘤,皮膚変色せつ,
顔面腫脹,休止期脱毛,苔癬様角化症,
熱傷,皮膚刺激,皮膚毒性,皮膚疼痛,
脂肪織炎,回転性めまい,網膜静脈閉塞,
ブドウ膜炎,眼充血,流涙増加,
眼乾燥,結膜炎,羞明,眼刺激,霧視,眼痛,
●関節痛49%,●筋骨格痛5%,●四肢
痛12%,筋骨格硬直,関節炎,関節腫脹,
背部痛,筋力低下,筋痙縮,関節滲出液,
頚部痛,変形性関節症,腱痛,貧血,
リンパ球減少,血小板減少,好中球減少,
好酸球増加症,白血球減少,呼吸困難,
咽頭喉頭痛,上気道感染(鼻咽頭炎,
副鼻腔炎,上気道感染等),●悪心26%,下痢21%,
●嘔吐10%,腹痛,口内炎,逆流性食道炎,
口唇炎,便秘,口内乾燥,消化不良,腹部膨満,
鼓腸,口唇腫脹,腹部不快感,嚥下障害,膵炎,
●血中ビリルビン↑6%,●Al-P↑8%,
●ALT↑5%,●AST↑5%,γ-GTP↑,
ほてり,リンパ浮腫血管炎,動悸,
●頭痛14%,●味覚異常13%,末梢神経障害,
顔面神経麻痺,不眠症,浮動性めまい,
知覚過敏,嗜眠,傾眠,振戦,
血中クレアチニン↑,急性腎不全,乳頭痛,
●食欲減退14%,低K血症,
脱水高コレステロール血症,●疲労43%,●皮膚
乳頭腫21%,浮腫(全身性浮腫,
●末梢性浮腫13%),●発熱11%,体重↓,疼痛,
乾燥症,棘細胞腫,悪寒,乳頭腫,
アクロコルドン,インフルエンザ様疾患,
カンジダ症,胸痛,全身健康状態低下,眼瞼
乳頭腫,小結節ヘルペスウイルス感染,腫瘤,
転倒,乳頭腫ウイルス感染,膿瘍.