オーファディンカプセル 2mg・5mg・10mg[ニチシノン]
オーファディン(一般名:ニチシノン)は高チロシン血症 I 型の治療薬です。高チロシン血症は、アミノ酸であるチロシンの分解経路における遺伝的な異常により、毒性のある代謝物が肝臓や腎臓に蓄積し、重度の肝機能障害、血液凝固障害、痛みを伴う神経症状、腎尿細管障害が生じたり、肝細胞癌の発症リスクが高くなる疾患です。ニチシノンは、毒性のある代謝物が生成・蓄積するのを抑制します。
医薬品情報
ニチシノン Nitisinone ●オーファディン(アステラス)
カプセル:2mg,5mg,10mg,
1瓶:60 カプセル.
[特]a.遺伝性高チロシン血症I型:v チロシン代謝最終での
フマリルアセト酢酸ヒドロラーゼ
(FAH)が遺伝子変異で活性低下
→フマリルアセト酢酸,マレイルアセト
酢酸,サクシニルアセトン(SA),サクシニ
ルアセト酢酸が肝腎に蓄積→臓器障害.
b.ニチシノン:FAHより上流の
4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害
→下流での代謝物の産生,蓄積を抑制.
c.治療は早期に始めること.
[効]高チロシン血症I型
[用]a.成人,小児共に1日1mg/kg を分2.
最大:1日2mg/kg .
b.尿中SA,血中α-フェトプロテイン,
肝機能等を定期的に検査.
投与1 カ月後でも尿中SAが検出時
→1日1.5mg/kgに増量.
c.血漿チロシン濃度上昇を防ぐ:
・チロシン,フェニルアラニン制限食.
・血漿チロシン<500μmol/Lに保つ.
・>500μmol/Lでは,中止,減量しないで,
より厳しいチロシン,フェニルアラニン
制限食とする.
・眼障害に注意.
[体内動態]a.殆ど代謝されない
a.ピーク2.8時間,半減期54.5時間
[注]肝悪性腫瘍に注意.
[患]1.妊婦等:動物で催奇形性.
2.授乳中止→乳児に角膜混濁,体重減.
[併]CYP3A4阻害剤で濃度上昇,
本剤のCYP2C9基質阻害.
[副]A.重大:a.●眼障害7%:結膜炎,
角膜混濁,角膜炎,羞明,眼痛,眼瞼炎,
・治療開始前に眼の細隙灯顕微鏡検査.
・初期症状を説明,異常時は眼科受診.
・車の運転,機械操作に注意.
b.血小板減,白血球減,顆粒球減
→定期検査.
D.剥脱性皮膚炎,紅斑性皮疹,そう痒
白血球増,
[保管]瓶から取出し速やかに服用.
使用後はキャップをすぐに閉め冷蔵.