書籍名:ポケット医薬品集(2014年版)
ダクルインザ錠 60mg[ダクラタスビル塩酸塩]、スンベプラカプセル 100mg[アスナプレビル]の医薬品情報
※書籍およびプリントとは異なるフォーマットで表示しています。
アスナプレビル Asunaprevir
●スンベプラ(ブリストル)
カプセル:100mg.
ダクラタスビル塩酸塩 Daclatasvir
●ダクルインザ(ブリストル)
錠:60mg
[警告]ウイルス性肝疾患治療に精通し
た医師が適切と判断した患者にのみ投与.
[特]a.ダクラタスビルはNS5A阻害.
b.アスナプレビルは
第二世代プロテアーゼ阻害薬.
[効]セログループ1(ジェノタイプ1 )のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変
でのウイルス血症の改善
・インターフェロン類で
無効,又は不適格,不耐容.
但し,ジェノタイプ1aに未承認.
非代償性肝疾患に未承認,
プロテアーゼ阻害剤投与患者へは未承認.(アスナプレビル)
[用]両剤は必ず併用し.
中止・再開も同時に行うこと.
用量の変更・中断はしないこと
(副作用時を除く)
ダクラタスビル:1回60mgを1日1回アスナプレビル:1回100mgを1日2回 投与期間:24週間.
a.肝機能を2週毎,12週以降4週毎検査.
・肝機能悪化→頻回に検査~中止.
・ALTが基準値上限10倍以上
→直ちに中止,再投与禁.
b.CV RNA量が1 log10上昇は中止.
[体内動態]ダクラタスビル
・1.25時間でピーク,半減期は9時間.
・尿中未変化体は6.6%.
アスナプレビル
・4時間でピーク,半減期は19時間
・糞便中は7.5%,尿中排泄は1%未満.
[禁]1.中等度以上の肝機能障害
(アスナプレビル)
・AUC,Cmaxは中等度で9.8倍,5.0倍.
重度で32.及び23倍に上昇.
2.妊婦(ダクラタスビル:
胎児致死,催奇形性).
・妊娠がわかれば直ちに中止
・投与後5週は避妊.
3.授乳婦,授乳を禁止.
[併]・ダクラタスビル:CYP3A4,
P糖蛋白(P-gp)の基質,P-gp,
(OATP)1B1,1B3,BCRPの阻害作用
・アスナプレビル:CYP3Aの基質.CYP3Aの中程度又は強い誘導剤で本剤の濃度低下し.
CYP3Aの中程度又は強い阻害剤で本剤の濃度が増加.P-gpの基質.
(OATP)1B1,2B1の強い阻害剤で肝臓への取込み減→血中濃度増加,肝臓での治療効果低下.
CYP2D6の中程度の阻害作用,
OATP(1B1,1B3,2B1),P-gpの弱い阻害作用,CYP3Aの弱い誘導作用.
A.禁:a.ダクラタスビル,アスナプレビル
CYP3A4誘導剤:リファンピシン,リファブチン,フェニトイン,
カルバマゼピン,フェノバルビタール,デキサメタゾン全身投与,
セイヨウオトギリソウ含有食品で血中濃度低下.
b.アスナプレビル
CYP3A4阻害剤:アゾール系抗真菌剤,ケトコナゾール,イトラコナゾール,
フルコナゾール,ホスフルコナゾール,ボリコナゾール,ミコナゾール),
クラリスロマイシン,エリスロマイシン,ジルチアゼム,ベラパミル,
コビシスタットを含有製剤で濃度上昇.
CYP3A4,OATP1B1,2B1阻害剤:HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル,アタザナビル,
インジナビル,サキナビルメシル,ダルナビル,ネルフィナビル,
ホスアンプレナビル,ロピナビル/リトナビル)で濃度上昇.
・CYP3A4誘導剤:モダフィニル,エファビレンツ,エトラビリン,ネビラピン,
ボセンタン,非核酸系逆転写酵素阻害剤,(リルピビリンを除く)で濃度低下.
・OATP1B1阻害剤:シクロスポリン
で肝臓への取込み低下,効果減弱.
・CYP2D6阻害剤:フレカイニド,プロパフェノンの濃度上昇→不整脈
B.慎:両剤の添付文書参照.
[副 62%]A.重大:肝機能障害:
●ALT↑8%,●AST5%(上限値5倍)5%
ビリルビン (基準値上限2.5倍超).
D. 発疹,そう痒,脱毛,●好酸球増8%,血小板減,貧血,
●発11%,倦怠感,疲労,悪寒,●頭痛12%,不眠,
●下痢6%,悪心,食欲減退,腹部不快感,便秘,上腹部痛,口内炎,腹部膨満,嘔吐,
●A L T↑17%,AST↑14%,血中ビリルビン↑,γ-GTP↑,血中ALP↑,
高血圧,関節痛,筋骨格硬直,
●鼻咽頭炎5.1%,口腔咽頭痛.リパーゼ↑,血中アルブミン↓.