書籍名:ポケット医薬品集(2014年版)
バニヘップカプセル 150mg[バニプレビル]の医薬品情報
※書籍およびプリントとは異なるフォーマットで表示しています。
バニプレビル Vaniprevir
●バニヘップ(MSD)
軟カプセル:150mg
8.5mm×24.5mm
警告]ウイルス性肝疾患の専門医に限る.
[特] 第二世代プロテアーゼ阻害薬.
[効] 次での(1a)又は(1b))のC型慢性肝炎
a.血中HCVRNAが陽性
b肝硬変でないことを確認.
eIFN+プロテアーゼ阻害剤投与歴は
未承認(専門医が前治療の種類,反応性,耐性の有無,忍容性等から判断).
[用]Peg-IFNα-2b+リバビリンと併用
白血球>4,000,好中球>1,500,
血小板>100,000が望ましい
→低下時は添付文書参照.
・HCV RNA高値(≧5.0 log)の未治療
IFN類投与後の再燃:
300mgを1日2回,3剤併用12週投与.
続いて本剤を除く2剤で12週併用.
・IFN類で無効:
300mgを1日2回,3剤併用を24週
・24週以上の投与は未承認.
投与終了後24週目のHCV RNA陰性化率
対照a 2剤48週 55%
初回 3剤12週+2剤12週b 83%
再燃 3剤12週+2剤12週b 92%
無効 3剤24週投与 61%
b:バニプレビル以外の2剤併用.
[体内動態]a. 3剤併用時のピーク1.5〜2.5時間,半減期2.5時間
b.食後/空腹時比はAUC,Cmaxで1.34,1.47.
c.定常状態下/単回比はAUC,Cmaxで2.5,3.3.
d.尿中排泄率は0.2%.
[禁] 重度の肝機能障害
AUC Cmax
軽度 1.82倍 1.57倍
中等度 3.11倍 2.21倍
重度 8.42倍 6.16倍
[慎]1. 高齢
2.中等度の肝機能障害患者
〔バニプレビルの血中濃度が上昇〕
[注] a.効果が不十分→耐性ウイルスの出現→治療中止を考慮.
b.Peg-IFNα-2b,リバビリンの用法用量,使用上の注意は各添付文書参照.
1. Peg-IFNα-2a,Peg-IFNα-2b,
リバビリンの添付文書確認は必須.
[患]a.妊婦に禁(3剤併用のため).
b.授乳中は禁.授乳禁.
[併]主にCYP3Aで代謝されOATP1B1 及びOATP1B3の基質.
A.禁:a. OATP1B1及びOATP1B3阻害 作用とCYP3A誘導作用:
リファンピシンで初期に肝輸送阻
害で血中濃度上昇.併用継続で本剤の血中濃度低下.
b.CYP3A誘導作用:
リファブチン,カルバマゼピン,
フェニトイン,フェノバルビタール,
セイヨウオトギリソウ含有食品,
で血中濃度低下,効果減弱
c.CYP3A阻害作用:
コビシスタット含有製剤,インジナビル,
イトラコナゾール,リトナビル,
ボリコナゾール,クラリスロマイシン,
ネルフィナビル,サキナビル.
で血中濃度上昇.
d.OATP1B1及び/又はOATP1B3阻害作用:
シクロスポリン,アタザナビル,
ロピナビル・リトナビル,
エルトロンボパグで血中濃度上昇
B.慎: a.CYP3A誘導作用,
OATP1B1及びOATP1B3阻害作用:ボセンタンの血中濃度低下,
又は上昇.
b.CYP3A誘導作用:
エファビレンツ,モダフィニル,
エトラビリンで血中濃度低下.
c.CYP3A阻害作用:
タクロリムス,ジヒドロエルゴタミン,
エルゴタミン,フェンタニル,
ピモジド,キニジン,グレープフルーツ.
で血中濃度上昇.
d.P-糖蛋白阻害作用:
ジゴキシンの血中濃度上昇.
e.OATP1B1,OATP1B3及びBCRP阻害作用:
ロスバスタチン,アトルバスタチン,
フルバスタチン,シンバスタチン,
ピタバスタチン,プラバスタチン,
バルサルタン,オルメサルタン,
テルミサルタン,レパグリニド,
エゼチミブ,メトトレキサート,
ミトキサントロン,
イリノテカン,イマチニブ,
ラパチニブ,フェキソフェナジン,
グリベンクラミド,ナテグリニド,
の血中濃度上昇.
[副 99%]A.重大:a.●血小板減31%,好中球減50%,白血球減42%)
b.●貧血21%,ヘモグロビン減少33%,
c.うつ病2%.
D. ●発熱73%,●倦怠感31%,●疲労23%,
●インフルエンザ様疾患9%,悪寒,口渇,●ヘマトクリット減5%,
●赤血球数減少6%,リンパ球数減少,網状赤血球数減少,
網状赤血球数増加,溶血性貧血,●悪心33%,●腹部不快感16%,
●上腹部痛10%,●口唇炎6%,●便秘7%,●下痢20% ,
●消 化 不良10%,●口内炎19%,●嘔吐22%,腹部膨満,腹痛,
口内乾燥,心窩部不快感,胃炎,胃食道逆流性疾患,
●脱毛症31%,●湿疹5%,●そ う 痒 症31% , ●発疹31%,
●皮膚乾燥5%,薬疹,紅斑,全身性そう痒症,皮膚炎,乾癬,
脂漏性皮膚炎,蕁麻疹,白癬感染,●頭痛44%,●浮動性めまい5%,
●味 覚 異常21%,●不眠症14%,体位性めまい,感覚鈍麻,嗅覚錯誤,
傾眠,不安,退屈感,高血圧,血圧低下,胸痛,胸部不快感,動悸,心房細動,
●血中ビリルビン増加8%,●γ-GTP増加6%,AST上昇,ALT上昇,抱合ビリルビン増加,
血中アルブミン減少,血中ALP増加,肝機能異常,膀胱炎,頻尿,腎結石症,
●関節痛24%,●背部痛9%,●筋肉痛9%,筋骨格硬直,関節炎,筋痙縮,筋骨格痛,
●咳嗽5%,●口腔咽頭痛5%,気管支炎,呼吸困難,口腔咽頭不快感,
血中甲状腺刺激ホルモン増加,血中甲状腺刺激ホルモン減少,甲状腺機能低下症,
自己免疫性甲状腺炎,眼精疲労,眼乾燥,網膜症,視力低下,網膜滲出物,
耳鳴,回転性めまい,高尿酸血症,●注射部位反応25%,●注射部位紅斑10%,
●注射部位そう痒感5%,●鼻咽頭炎8%,●体重減少10%,●食欲減退28%,
●血中Ca 減少8%,●血中リン減少,注射部位皮膚炎,注射部位腫脹,歯肉炎,
咽頭炎,血中LDH増加,血中K減少,血中尿酸増加,細胞マーカー増加,低K血症,総蛋白減少