書籍名:ポケット医薬品集(2014年版)
トレプロスト注射液 20mg・50mg・100mg・200mg[トレプロスチニル]の医薬品情報
※書籍およびプリントとは異なるフォーマットで表示しています。
トレプロスチニル Treprostinil
●トレプロスト(持田)
注:20mL中20mg,50mg,100mg,200mg.
[警告] 急激な中止で死亡例(海外):
急な減量・中止で,肺高血圧症が急激に悪化・再発のため,慎重に
[特] プロスタサイクリン(PGI1)誘導体
・皮下注も可能.
[効] 肺動脈性肺高血圧症
(WHOクラスⅡ,Ⅲ及びⅣ)
a.肺血管拡張薬内服で
効果不十分に適用.
b.先天性短絡性心疾患の場合:Eisenmenger症候群
又は術後肺高血圧残存時に使用.
c.次は未承認:
特発性肺動脈性肺高血圧症,遺伝性肺動脈性肺高血圧症及び膠原病に伴う
肺動脈性肺高血圧症以外の肺動脈性肺高血圧症.
[用] a.初め:1.25ng/kg/分で持続静注又は持続皮下注.
肝障害は0.625ng/kg/分から投与
全身性副作用→減量0.625ng/kg/分.
・最初の4週:
→増量(最大1週当り1.25ng/kg/分)
・以後:症状で増量し最適速度とする.
(最大:1週当り2.5ng/kg/分)
・最適投与速度は肺高血圧症状,副作用から決める
・増量巾以上の増量は忍容性を確認しながら慎重に.
最大:290ng/kg/分.
・半減期が短いため(0.8~4時間),
長時間中止後は投与速度を再設定
・副作用(心拍数,血圧等)時→減量.
・投与経路変更→同一用量とし症状を観察する
f.[調整方法,投与方法,注意事項]
→添付文書参照.
[禁] 本剤の血管拡張作用のため:
1.右心不全の急性増悪時→悪化
・カテコールアミンを投与し安定するまで禁忌.
2.重篤な左心機能障害→悪化.
3.重篤な低血圧→悪化.
軽症に慎重に.
4.肺静脈閉塞性疾患には投与しない.
[慎] 1.高度な肺血管抵抗上昇時.
2.出血傾向,
3.中等度肝障害で
→Cmax340%,AUC412%上昇.
重度に未承認.
4.腎障害.
[注] 1.緊急時に対応可能な医療施設
で肺高血圧症,心不全治療の専門医のもとで投与.
2.自己投与には十分な患者教育.
3.血管拡張作用のため:
降圧剤投与中,安静時低血圧,血液量減少,
重度の左室流出路閉塞,自律神機能障害等には十分に検討すること.
4.高所作業,車の運転に注意(めまい).
[患] 1.妊婦(動物:胎児に骨格変異).
2.授乳を中止.
3.小児に未承認.
[併]主にCYP2C8(一部CYP2C9)で代謝.
B.慎: a.降圧作用薬(Ca拮抗剤,ACEI,
利尿剤,PGE1,E2,I2誘導体)で
相互に降圧作用を増強.
b.抗凝血剤(ワルファリン等),
血栓溶解剤(ウロキナーゼ等),
血小板凝集抑制薬(アスピリン,チクロピジン,PGE1,E2,I2誘導体)で
相互に抗凝血作用を増強.
c.CYP2C8誘導剤(リファンピシン等)で血中濃度低下.
d.CYP2C8阻害剤(デフェラシロクス)で血中濃度増加.
[副 100%]A.重大:a.血圧低下,失神,
b.●血小板減10%,好中球減2%,
c.出血, d.●血流感染21%,
e.●注射部位の局所反応100%.
D.●子宮出血6%,結膜出血,鼻出血,紫斑,
●潮紅16%,●ほてり29%,●動悸7%,低血圧,
●下痢34%,●悪心21%,●嘔吐5%,●上腹部痛5%,
●四肢痛24%,●顎痛16%,筋骨格痛,●頭痛37%,
●不眠11%,●浮動性めまい7%,異常感,●発疹5%,そう痒,
●倦怠感13%,●注射部位:疼痛,紅斑,腫脹,熱感,硬結,そう痒感82%,
●出血7%,●変色5%,血管炎,蜂巣炎,●浮腫11%,血管障害(血管痛).
[備]希釈後,48時間以内に投与終了.