新薬情報

書籍名:ポケット医薬品集(2014年版)

ポケット医薬品集

アブストラル舌下錠 100µg・200µg・400µg[フェンタニルクエン酸塩]の医薬品情報

※書籍およびプリントとは異なるフォーマットで表示しています。

フェンタニルクエン酸塩
●アブストラル(協和発酵キリン,久光)
 舌下錠:100μg(白),200μg(薄黄),400μg(薄帯黄赤).
[特]クエン酸塩は高水溶性のため,舌下投与後速やかに溶解し,
 →溶液内でフリー型(高脂溶性)となり口腔粘膜から速やかに吸収.
 →30分後に鎮痛作用.
[効]癌性疼痛へ強オピオイド鎮痛薬を定時投与中の突出痛の鎮痛.
但し,1.定時投与量が次より低量は未承認:
 モルヒネ内服   1日30mg未満,
 オキシコドン内服 1日40mg未満,
 フェンタニル経皮剤1日0.6mg未満
(他の強オピオイド鎮痛薬,フェンタニル速放剤からの変更も同様).
 2.含量の異なる錠を同時に処方しないこと
  錠剤数は最小となるようにする.
[用]1.舌下部位で溶解.
2.割ったり,舐めたりしない(口腔粘膜からの吸収が低下).
3.水なしで服用.口内乾燥時は少量の水で口内を湿らせた後に投与.
4.錠剤が完全に溶けるまで飲食しない.
開始量:必ず100 μg錠から開始.
調節期:症状に応じ
 1回100,200,300,400,600,800μgの順に一段ずつ漸増する(1回4錠まで).
追加:効果不十分の場合
   →30分以上後に,同量までを追加
  追加が複数回必要の場合は,増量を検討し,1回量とする.
維持期:
・突出痛へ,至適用量を1錠とし投与.
・最大:1回量は最大800μgまで.
    800μgで無効は→他へ変更.
  投与間隔は2時間以上あけ,1日4回まで.
   突出痛が1日4回を超える場合
    →定時投与薬を増量~変更.
    →副作用に十分注意.
・中枢神経抑制薬,CYP3A4阻害剤併用時
      →本剤を減量.
・CYP3A4誘導剤を併用
      →本剤の用量を調節.
[動態]a.0.5〜1.0時間でピーク,半減期は5〜10時間.
 b.利用率は50%.
[禁・慎・注・併・副]→共通 330頁.
[患]1.必ず使用直前にSPシートを開封(吸湿で硬度低下のため).
2.舌下に30分間保持すること.早く嚥下すると,
血中濃度があまり上昇しない. 3.誤って内服した場合,再投与しない.
4.口内炎,口腔内出血,口腔粘膜欠損等
→血中濃度上昇,副作用に注意
→医療者に相談.
5.未使用製剤は誤用防止のため 病院 又は薬局へ返却を指導.
6.口から途中で排出の場合→トイレ等へ多量の水に溶かして流す.

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