書籍名：ポケット医薬品集（2014年版）

ボスチニブ　Bosutinib
●ボシュリフ(ファイザー)
　錠：100mg
[特]Abl及びSrcチロシンキナーゼ阻害薬．
　(血小板由来増殖因子受容体(PDGFR),Kitチロシンキナー阻害作用は弱い)．
b.イマチニブ耐性の変異型Bcr-Abl チロ　シンキナーゼ16 種類に対し阻害活性.
[効] 他剤で無効又は副作用で中止の慢性骨髄性白血病.
　後者の場合,経過観察し副作用に注意.
[用] a.1日1回500 mgを食後内服.
　　　　　最大：1日1回600 mg.
b.他の抗癌薬との併用は未承認.
c.肝機能障害は,減量
　　　(Cmax1.5〜2倍上昇のため)
d.中等度以上の腎機能へは,減量(血中濃度上昇)
e.次の場合；増量できる．
・重篤な副作用(グレード3以上)がない．
・8週投与で血液学的効果不十分．
・12週投与で細胞遺伝学的効果不十分.
f.副作用による休薬,減量又は中止基準は添付文書参照.
[体内動態] a.ピークは4時間.
　　b.空腹時：Cmax67%へ低下.
[禁] 1.車の運転危険作業(浮動性めまい,視力障害,疲労等)
2.妊婦, 3.授乳を禁止.
[慎]1.心疾患又はその既往→悪化.
　　 QT間隔延長に注意.
2.他のチロシンキナーゼ阻害薬に不耐容.
3.高齢.
[注] 1.肝機能を検査：
　最初の2ヵ月は2週毎,3ヵ月目は1回.
2.骨髄抑制のため,血液検査：開始前,　最初の1ヵ月は1週毎,以後1ヵ月毎,
3.体液貯留のため：急激な体重増加,　　呼吸困難等は中止→利尿剤投与.
4.投与開始前及び投与中は腎機能検査.
[併]A.禁：プロトンポンプ阻害薬：
　　　胃内pH上昇→吸収低下のため．
B.慎：
a.CYP3A阻害作用：イトラコナゾール,ケトコナゾール,フルコナゾール,
　ボリコナゾール,クラリスロマイシン,エリスロマイシン,リトナビル,
　ジルチアゼム,ベラパミル,イマチニブ,アプレピタント,
　トフィソパム,シプロフロキサシン,グレープフルーツで→血中濃度上昇.
b.CYP3A誘導作用：フェニトイン,カルバマゼピン,リファンピシン,
　リファブチン,フェノバルビタール
　ボセンタン,エファビレンツ,モダフィニル,エトラビリン,セイヨウオトギリソウで→血中濃度低下.
[副 100%] A.重大：a.●骨髄抑制57%
b.肝炎,●肝機能障害60%,c.膵炎3%,
d.●重度の下痢12%,e.●体液貯留9%,
f.ショック,アナフィラキシー
f.●心障害6%,g.●感染症36%,
h.●出血15%,i.間質性肺疾患,j.腎不全,
k.肺高血圧症,l.腫瘍崩壊症候群.
D. ●発疹49%,●そう痒9%,●脂漏性皮膚炎7%,●ざ瘡6%,湿疹,皮脂欠乏性湿疹,
白斑,光過敏症,脱毛,薬疹,皮膚乾燥,紅斑,過角化,色素沈着,全身紅斑,手足症候群,
爪破損,丘疹,皮膚色素減,蕁麻疹,多形紅斑,剥脱性発疹,
●頭痛6%,傾眠,不安,味覚異常,不眠,肋間神経痛,錯感覚,ニューロパチー,
白質脳症,高血圧,浮腫,末梢冷感,●気管支炎6%,毛包炎,膀胱炎,感染,帯状疱疹,
癜風,百日咳,呼吸器感染,結膜炎,眼乾燥,結膜充血,難聴,メニエール病,視神経乳頭浮腫,
網膜色素沈着,めまい,耳鳴,咳嗽,発声障害,鼻閉,口腔咽頭痛,鼻漏,呼吸困難,
呼吸不全,心拡大,僧帽弁閉鎖不全,心室性期外収縮,心膜炎,●リンパ球減31%,
●好酸球増6%,フィブリノゲン増,INR減,INR増,プロトロンビン時間延長～短縮,
白血球増,発熱性好中球減,●下痢93%,●悪心36%,●嘔吐36%,●腹痛5%,●口内炎14%,
●胃炎9%,●便秘6%,●消化不良6%,●歯肉炎5%,腹部膨満,肛門痛,口内乾燥,食道炎,
歯周炎,腹部不快,裂肛,口唇炎,消化管びらん,舌炎,口腔内白斑,便潜血,歯痛,鼓腸,
●食欲減退22%,●低燐酸血症19%,●アルブミン↓5%,●Ca減,K↓,Na減,高脂血症,総蛋白↓,
アルブミン↑,Ca↑,Cl↓,コリンエステラーゼ↓,脱水,高血糖,抗利尿ホルモン不適合分泌,
高K血症,●リパーゼ↑20%,●アミラーゼ↑7%,アミラーゼ↓,●クレアチニン↑11%,
●腎機能障害5%,BUN↑,尿糖,尿蛋白,尿比重異常,尿酸↑,
●クレアチンホスホキナーゼ↑9%,クレアチンホスホキナーゼ↓,
背部痛,筋肉痛,関節痛,筋力低下,変形性関節症,骨壊死,骨痛,●疲労11%,
●発熱14%,●体重減12%,LDH増,胸痛,血尿,インフルエンザ,感覚消失,膀胱癌,
悪寒,薬物過敏症,耳新生物,寝汗,胸膜炎,関節リウマチ,結膜出血,鼻出血,喀血,
皮下出血,無力,疼痛