書籍名:ポケット医薬品集(2014年版)
ジェブタナ点滴静注 60mg[カバジタキセル アセトン付加物]の医薬品情報
※書籍およびプリントとは異なるフォーマットで表示しています。
カバジタキセル アセトン付加物 Cabazitaxel Acetonate
●ジェブタナ(サノフィ)点滴静注:60mg(1.5mL).充填量は73.2mg/1.83mL.
エタノール4.5mL(充填量5.67mL)
・残留アセトンは0.1w/v%未満
・ポリ塩化ビニル製輸液バッグ,ポリウレタン製輸液セットは回避.
・調整法は添付文書参照.
[警告] a.重篤な骨髄抑制(好中球減,発熱性好中球減少症,貧血等)
→重症感染症等で死亡例.
b.専門医療施設で専門医が対応.患者・家族に十分な説明と同意.
[特]チューブリン重合を促進し,微小管を安定化→細胞分裂を阻害し,
細胞死を誘発,腫瘍増殖を抑制.
[効]前立腺癌
但し,外科又は内科的去勢術後に,ドセタキセルで進行・再発例に限る.
・抗癌薬未投与には未承認.
・他の抗癌薬との併用は未承認.
[用]本剤投与の30分前までに,
抗ヒスタミン剤,副腎皮質ホルモン剤,H2受容体拮抗薬を前投与.
・プレドニゾロンと併用し(例えば1日10mg,1~2分)25mg/㎡を1時間かけて点静
適宜減量.3週間間隔で投与.
減量・休薬・中止基準は→添付文書.
[体内動態] a.γ相の半減期は115時間.
b.2週間で80%排出,尿中排泄は2.3%.
[禁] 1.骨髄抑制→増悪し,重症感染症 重篤に禁忌.軽症も慎重に
高齢,軽体重で起きやすい
頻回に血液検査等.G-CSFも考慮.
2.感染症,発熱で感染症の疑い→増悪.抗生剤も検討
3.肝機能障害→血中濃度上昇.
4.ポリソルベート80へ過敏症
[慎] 1..間質性肺疾患,既往歴→増悪.
2.浮腫→増悪.
3.腎障害→安全性は未確立.
4.アルコール過敏.
5. 65歳以上:疲労,好中球減,無力症, 発熱,浮動性めまい,尿路感染,脱水 等,末梢性浮腫,嘔吐,腹部膨満が多い.
[注] 1.初回~2回目に重篤な過敏反応 全身発疹・紅斑,血圧低下,気管支痙攣
→本剤投与前に前投薬.
2.投与数分以内に過敏反応
→1時間は頻回にバイタルサインのモニタリングする.
3. 動物実で精巣毒性.
[併] 主にCYP3Aで代謝.
P-糖蛋白の基質,OATP1B1を阻害.
B.慎:a.CYP3Aの強阻害剤(イトラコナゾール,クラリスロマイシン,インジナビル,ネルフィナビル,リトナビル,サキナ
ビル,ボリコナゾール等)で血中濃度上昇
b.CYP3Aの強い誘導剤(リファンピシ ン,カルバマゼピン,フェニトイン等)で血中濃度低下.
[副 100%]A.重大:a.骨髄抑制,●好中球減30%,●発熱性好中球減12%,●貧血10%,
●白血球減7%,リンパ球減,血小板減5%.静脈血栓塞栓症.
b,●感染症16%.b.腎不全
c.消化管出血,消化管穿孔,イレウス,重篤な腸炎●重篤な下痢.
e.不整脈,f.心不全n.心筋梗塞,
d.間質性肺疾患
e.皮膚粘膜眼症候群
f.アナフィラキシーショック
g.●末梢神経障害13%.
h.肝不全,肝機能障害.k.急性膵炎
i.播種性血管内凝固症候群(DIC)
j.心タンポナーデ,浮腫,体液貯留.
(類薬)ドセタキセルで,抗利尿ホルモン不適合分泌症候群,重篤な口内炎等の粘膜炎,血管炎,Radiation Recall現象
D. 過敏症,●食欲減退36%,脱水,不眠症,●味覚異常27%,浮動性めまい,錯感覚,頭痛,嗜眠,感覚鈍麻,流涙増加,
低血圧,潮紅,起立性低血圧,高血圧,ほてり,呼吸困難,咳嗽口腔咽頭痛,●悪心28%,嘔吐15%,便秘18%腹痛,消化不良,
上腹部痛,口内炎,胃食道,逆流性疾患,口内乾燥,腹部膨満,歯周病,痔核,口腔内痛,
●脱毛症35%,皮膚乾燥,爪の障害,発疹,紅斑,筋痙縮,四肢痛,筋力低下,
関節痛,筋肉痛,筋骨格痛,背部痛,血尿,排尿困難尿失禁,出血性膀胱炎,水腎症,尿閉.
●疲労54%,●無力症15%,粘膜の炎症,発熱,倦怠感,インフルエンザ様疾患,疼痛,体重減少,AST↑,
ALTヘモグロビン↓,トランスアミナーゼ↑,体重↑,γ-GTP↑,血中ビリルビン↑.
[備] 1.全量を混合・溶解(10mg/mL)
→直ちに,必要量をとり生食,5%糖液 で0.1~0.25mg/mL濃度とする.
2.有効期間:1時間の点滴終了を含め,室温8時間,冷蔵保存で48時間以内